2013年 02月 03日
米国の政府高官が絶対に認めない五つの「真実」 |
今日の東京はよく晴れまして、真冬ながらもなんとなく春の到来がかすかに感じられた一日でありました。
さきほどまで月に一度のオフ会を開催しておりました。ご来場いただいたみなさんには感謝です。さっそくですが来月のスケジュール(三月一〇日)と発表者も決定しまして、二人とも医療業界の興味深いネタになりそうです。
さて、本日は私がいつもチェックしているスティーブン・ウォルト教授のブログから。
内容は「アメリカの政府高官が絶対に認めない五つの真実」という興味深いもの。簡単に要約を。
===
①われわれが核兵器を手放すはずがない
すでに冷戦初期からアメリカの大統領は核の廃絶を言明している。歴代の高官であるキッシンジャー、シュルツ、ペリー、ナンのような引退した有名人だけでなく、オバマ自身だって言明している。また、国防長官にノミネートされているヘーゲル元上院議員も「グローバルゼロ」という核廃絶宣言に署名している。だが持っている核弾頭をすべて廃絶することを真剣に検討したことはないし、個人的に支持を表明したとしても、これほどすごい抑止力の放棄など実際にやろうとはしていない。
②実は人権なんかどうでもいい
たしかに政府の上層部の人間はいつも人権の大切さを訴えるが、それがアメリカの国益と衝突する場合は国益が常に優先される。たとえばイラクにたいする経済制裁が多くのイラク国民の死の原因になっていた時でもアメリカ人は全然気にしていなし、ブッシュ政権の拷問を許可した人間も訴えられていない。アメリカの同盟国の中には人権など考えないような政権もあるし、中国とも喜んで貿易している。もちろんわれわれは人権に関心はあるが、実際にその向上のために何か行動を起すことは(戦略的に有利になる場合以外は)少ない。
③パレスチナに国家の地位を承認するわけがない
アメリカの政府高官たちは建前上はパレスチナ問題で国家を与えるべきだと言うのだが、実際にはオスロ合意以来とにかく失敗ばかり。たしかにイスラエル自身も反対している(細かい計画が出てくると賛成は激減)し、パレスチナ側は弱体化して過激派が政権をとってしまうし、最近のイスラエルの選挙では和平派への支持は集まってない。アメリカも長年仲介役をやっているが中立的な立場ではないのでいつも失敗させている。失敗した後にどうしようかという政策が見えていないからだ。
④われわれは世界でナンバー1でいることが大好きだし、この状態をなるべく長く続けたい
アメリカはつねに外交の席で他国との協調を言明するのだが、実際のところはどの大統領も「ナンバー2になるために投票して下さい!」とは言わない。だからこそ彼らはヨーロッパの統合について曖昧で、とりあえず統一してもいいがアメリカに対抗できるほどの超大国にはなってほしくないのだ。だからこそブッシュ父は1992年に発表されたディフェンスガイダンス(グローバル覇権を狙う非常にネオコン的な内容)の初期のドラフトの存在を否定したのだ。
⑤われわれは外交で何度も失敗をしているが、それに慣れてくれ
1960年代初期からのキューバへの政策が失敗だったことは明らかだがそれでもアメリカの政府高官はフロリダの有力者たちを怒らせることになることを恐れて変更することができない。誰もが「麻薬との戦争」が国内での状況と同じように失敗していることは最近のケリーやヘーゲルの公聴会でもまったく触れられない。アメリカの同盟国たちがアメリカに「ただ乗り」していることは誰もが知っているが、外交的な意味で何も言えない。アフガニスタンの戦争も失敗だと知っているのに、政治的に実行可能だから「成功だ」と言いはって撤退をするという具合だ。われわれのイランにたいするアプローチは逆効果であることを知っているのに、誰もそれを指摘しない。
===
たしかにアメリカの政府高官はこんなこと絶対言いませんね(苦笑
問題は、ウォルトはリベラルだからこういうことを言っているのではなく、リアリストだからこういう指摘をしているという点です。
国際政治は危険で汚いヤクザな世界です。この視点を忘れてはいけないということですな。
さきほどまで月に一度のオフ会を開催しておりました。ご来場いただいたみなさんには感謝です。さっそくですが来月のスケジュール(三月一〇日)と発表者も決定しまして、二人とも医療業界の興味深いネタになりそうです。
さて、本日は私がいつもチェックしているスティーブン・ウォルト教授のブログから。
内容は「アメリカの政府高官が絶対に認めない五つの真実」という興味深いもの。簡単に要約を。
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①われわれが核兵器を手放すはずがない
すでに冷戦初期からアメリカの大統領は核の廃絶を言明している。歴代の高官であるキッシンジャー、シュルツ、ペリー、ナンのような引退した有名人だけでなく、オバマ自身だって言明している。また、国防長官にノミネートされているヘーゲル元上院議員も「グローバルゼロ」という核廃絶宣言に署名している。だが持っている核弾頭をすべて廃絶することを真剣に検討したことはないし、個人的に支持を表明したとしても、これほどすごい抑止力の放棄など実際にやろうとはしていない。
②実は人権なんかどうでもいい
たしかに政府の上層部の人間はいつも人権の大切さを訴えるが、それがアメリカの国益と衝突する場合は国益が常に優先される。たとえばイラクにたいする経済制裁が多くのイラク国民の死の原因になっていた時でもアメリカ人は全然気にしていなし、ブッシュ政権の拷問を許可した人間も訴えられていない。アメリカの同盟国の中には人権など考えないような政権もあるし、中国とも喜んで貿易している。もちろんわれわれは人権に関心はあるが、実際にその向上のために何か行動を起すことは(戦略的に有利になる場合以外は)少ない。
③パレスチナに国家の地位を承認するわけがない
アメリカの政府高官たちは建前上はパレスチナ問題で国家を与えるべきだと言うのだが、実際にはオスロ合意以来とにかく失敗ばかり。たしかにイスラエル自身も反対している(細かい計画が出てくると賛成は激減)し、パレスチナ側は弱体化して過激派が政権をとってしまうし、最近のイスラエルの選挙では和平派への支持は集まってない。アメリカも長年仲介役をやっているが中立的な立場ではないのでいつも失敗させている。失敗した後にどうしようかという政策が見えていないからだ。
④われわれは世界でナンバー1でいることが大好きだし、この状態をなるべく長く続けたい
アメリカはつねに外交の席で他国との協調を言明するのだが、実際のところはどの大統領も「ナンバー2になるために投票して下さい!」とは言わない。だからこそ彼らはヨーロッパの統合について曖昧で、とりあえず統一してもいいがアメリカに対抗できるほどの超大国にはなってほしくないのだ。だからこそブッシュ父は1992年に発表されたディフェンスガイダンス(グローバル覇権を狙う非常にネオコン的な内容)の初期のドラフトの存在を否定したのだ。
⑤われわれは外交で何度も失敗をしているが、それに慣れてくれ
1960年代初期からのキューバへの政策が失敗だったことは明らかだがそれでもアメリカの政府高官はフロリダの有力者たちを怒らせることになることを恐れて変更することができない。誰もが「麻薬との戦争」が国内での状況と同じように失敗していることは最近のケリーやヘーゲルの公聴会でもまったく触れられない。アメリカの同盟国たちがアメリカに「ただ乗り」していることは誰もが知っているが、外交的な意味で何も言えない。アフガニスタンの戦争も失敗だと知っているのに、政治的に実行可能だから「成功だ」と言いはって撤退をするという具合だ。われわれのイランにたいするアプローチは逆効果であることを知っているのに、誰もそれを指摘しない。
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たしかにアメリカの政府高官はこんなこと絶対言いませんね(苦笑
問題は、ウォルトはリベラルだからこういうことを言っているのではなく、リアリストだからこういう指摘をしているという点です。
国際政治は危険で汚いヤクザな世界です。この視点を忘れてはいけないということですな。
by masa_the_man
| 2013-02-03 19:39
| 日記

