戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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ペンタゴンがサイバーセキュリティー部隊を拡大:その2

それでは続きです。

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●新しい部隊の構成は、昨秋のパネッタ国防長官のスピーチでほのめかされていた。

●彼は「われわれも任務はアメリカを守ること」であり、国防省は「この任務を遂行するために必要な政策と組織を配備することだ」と言っている。

●インタビューの中である国防省高官は、この「国家の任務」を遂行するチームは海外向けの任務を念頭においており、彼らが行ういかなる行動もアメリカ以外のネットワークへ向けられたもの(FBIのような国内向けの機関から協力要請の場合はのぞく)になると言っている。

●「この任務には、私企業や個人のネットワークに軍が侵入することは含まれません」とはその高官の言葉。彼が強調したのは軍が行動するのは本当に大きな被害が出ることが予測される場合のみであり、これは「誰かの銀行口座が他人にハイジャックされるのを防ぐような任務」ではないと付け加えている。

●今回のサイバーコマンド拡大計画は、国防費削減のタイミングと重なっていることからわかるとおり、これは軍の高官たちがサイーバー面での安全にいかに必要性を感じているかの現れだということも言えよう。

●何人かの米軍関係者はサイバーセキュリティ―部隊に人員を割く必要性を渋々ながら認めている。また、サイバーチームにたいして戦闘部隊の司令官がどこまでコントロールをできるのかについて意見の相違もある。

●たとえば「戦闘任務部隊」チームは、実際の通常兵器による戦闘が行われる際に敵の指揮系統を不能にする任務を実行することもあるだろう。

●また、中国やイランのような各地域に、チームが集中して任務に当たることも考えられる。

●このため、ある海軍の職員は「軍の予算関係者はトップの意向だということで、みんな必死に資金を絞り出そうしているんですよ」と証言している。

●ところが軍関係者の中には「サイバーコマンドがNSAとNSAの局長によって主導されているかぎり、本当にその任務を効果的に発揮できるかどうかは疑問だ」と言う人もいる。

●もちろんこの二つの機関が密接に協力して、海外のネットワークを監視してサイバー攻撃や破壊的なウィルスを開発しているのを見つけていくという面では効果的な部分もあるだろう。

●ところがNSAはあまりにもサイバーコマンドと密接な関係を持ちすぎているために(司令部はすぐ隣に位置しているし、最近までNSAのメールアドレスをもっていた職員もいるほど)、逆に軍のほうが独自の戦略ドクトリンをつくりあげることができるのか疑問に感じている職員もいる

●ここでの懸念は、NSAの考えのほうが支配的になるという点だ。なぜなら敵を妨害するよりも監視を容易にするツールの開発のほうが優先されることになるからだ。

●さらに説得力のある議論として挙げられるのは、サイバーコマンドが本当に「軍事組織」になるためには、この関係を断たなくてはならなくなる、というものだ。

●ところが元諜報系の職員によれば、実際はNSAが軍の職員を使ってほとんどの仕事をさせて、自局のサイバー作戦を肩代わりさせているというのだ。「これこそが軍側の狙いだ。NSAに派遣されている才能のある人材をサイバー攻撃に使いたいんですよ」

●二〇一四年の夏までサイバーコマンドの司令官を務めるよう要請されているアレクサンダー将軍は、自分が思い描いていたいくつかのビジョンを実現しつつある。

●彼はサイバーコマンドが独自の予算を獲得できるようにして、現在の特殊部隊のように、独自に人材を確保して部隊をコントロールできるようにしたがっていた。彼はまだその権限は手に入れていないが、それでも軍の高官たちは部隊の拡大には合意している。

●また彼は軍の高官たちから、サイバーコマンドを現在の「戦略コマンド」の下から独立させて独自の司令部として活動することについても支持を得ている

●ところがこうなると米議会から承認を得る必要が出てくるわけで、これが実現するのはまだ先の話であろう。

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以上
by masa_the_man | 2013-01-30 00:00 | 日記 | Comments(0)