国際地政学研究所/クラウゼヴィッツ学会のシンポジウム |
さて、お知らせを二つ。
明日開催される二つのシンポジウム/例会をについてのご案内です。私は両方とも「はしご」する予定です(笑
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「日本のリーダーシップ―安全保障政策の転機を作る―」
皆様、新年おめでとうございます。
本年が日本にとって、また皆様にとりまして希望が膨らんで行く年となりますよう祈念申し上げます。
私どもNPO国際地政学研究所は、新たな時代の地政学概念と時代精神の形成を目指して精進してまいります。変わらぬご支援ご教導をお願い申し上げます。ここに、2013年第01回IGIJワークショップをご案内申し上げ、新年のスタートを切らせて頂きます。
1 日時:2013年1月23日(水)1730開場・1800開始・2045終了
2 場所:私学会館アルカディア市ヶ谷(JR市ヶ谷から靖国方向徒歩3分左)
3 アジェンダ:「日本のリーダーシップ―安全保障政策の転機を作る―」
多数国家が巻き込まれる国際社会の騒擾、悩ましく深刻な因縁関係国のパワーポリティックス、主権や国益・国民の安全への実力行使を伴う侵害、後を絶たぬ天災・人災による生命・財産の犠牲と損壊、安全保障・危機管理を問う事案の発生を危惧し続けた「3.11東日本大震災」以降の日本でした。その間、日本においては、準備・対処・始末に関わる不備欠落が問われて参りました。別けても、国民の生命財産の安全と犠牲の局限を保障するリーダーシップの存在が「霧の中」でした。当然のことですが、国民の不安が信頼に転換することにはなりませんでした。そして世論は、新たなリーダーシップに期待して国政選挙に臨みました。
政権、政党の公約がどのように果たされていくのでしょうか。この3年余は「マニフェスト」というキリスト教的啓示に似せた「ポピュリズム」に国民が愚弄されました。まさに新たな体制は、政策、政治の「本質」と、政府という国家機関の「役割」を問い直しながら国家の経営に臨む使命を与えられています。
近代国民国家建設を目指し大国入りを果たした明治期の富国強兵体制、国の安全保障を米国に託して敗戦復興から経済大国に成長した昭和戦後レジームは、エポックメイキングな日本のアイデンティティ形成の象徴的時代でした。それらに共通した政策は「欧米化」であります。
伝統的国家運営は、「欧米化」、「欧米先進国並み」が目標でありました。それは、地政学的に、通信・運搬手段の進歩が、地勢的距離を地政学的に短縮して、遠くの先進国「欧米に学ぶ」ことを可能にした結果でありました。それよりも、日本の時代精神が、坂本龍馬をはじめとする明治の賢人たちの地政戦略的視野と進取積極から出ていたことが幸いしていました。賢人たちは、実に素晴らしい態度で、公けに尽くす実践的勉学と探求に倦むことを知りませんでした。そこに優れたリーダーシップが創生されたのであります。
昭和の大国化も、吉田茂の流れをくむ新たな日本創成を、反対を制御しつつ行った見事な政治的リーダーシップの賜物でした。そこには「戦後レジーム形成」の戦略的価値を認めたリーダーたちの知恵が存在していました。しかし、冷戦を契機として地政学的に国際環境が変化する中で、時流を読み切れない亜流のリーダーシップが政治を党利党略の場に転嫁していきました。「戦後レジームからの脱却」、「自由と繁栄の弧」、「新たな国際システム」、「新たな戦争の本質と軍事力の役割」といった時代精神を読み解けない政界のゲームが日本の政治のアイデンティティに化したのです。
そこで日本を支えたのは、世界に冠たる「優れた官僚システム」でありました。その官僚システムの強化がどのような意味を持っているのか、多くの政治家、国民に理解されないまま恥部だけをえぐられました。単に「政治家の言うことを聴かない官僚」、「頻繁に入れ替わる愚かな大臣を腹の底で小馬鹿にする官僚」を嫌って「政治優先」としたことが何をもたらしたのでしょうか。日本のポピュリズムは常に、しかも、古代から役人に厳しいお侍さんをヒーローとして来ました。それは、講談の世界であって、真は、江戸250年の役人システムが明治官僚機構構築のベースになったわけです。そこでは公務員(役人)大削減がありました。無血のレジーム・チェンジであります。
さて、この度の選挙は何をもたらすのでしょうか。国内外に信頼される国家、国際社会において軍事力だけではない、優れた国家的知財やリーダーシップをもって国力を構成し、一目置かれる、日本が確かな国家となって行く最も大切なポイントは、国民の知的な「政治監視体制の構築」ではないでしょうか。その国民に選抜された政治家が愚かであっていいはずがありません。国民が育てた優れた政治家に託せる時代形成のためにも、本ワークショップが寄与できることを願い、新年に固めるIGIJの志としたいと思います。
このような気持ちを共有できる多数の皆様を交えて本ワークショップの輪を広げてまいりたいと願っております。皆様とのコラボレーションが一層進むよう努めて参ります。
4 プログラム:
1800-1810 趣旨説明―栁澤協二 IGIJ副理事長
1810-1930 プレゼンテーション & パネル質疑(各15分)
齋藤 勁 内閣官房副長官
鈴木 崇弘 城西国際大学教授
飯塚 恵子 読売新聞編集委員
ディスカッサント
佐藤 丙午 拓植大海外事情研究所教授
道下 徳成 政策研究大学院大学准教授
渡邊 隆 みずほ銀行顧問・元陸将
1930-1940 休憩
1940-2030 討論 パネル & フロア
2030-2035 総括―栁澤協二 IGIJ副理事長
5その他:
・勝手ながら資料・2012-10-IGIJ-WS記録・資料・飲料代として2,000円を頂戴致します。
出席のご回答:電話03-5312-5243 or email: hayashi@igij.orgまで1月23(水)1600時締切
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日本クラウゼヴィッツ学会例会
新春1月度の定例研究会は1年ぶりで登場する海洋政策研究財団研究員の関根大助氏から「コーベットの戦略」と題してお話を聞きます。
クラウゼヴィッツ理論の海洋版といわれるコーベットの考え方について、どのような切り口で読み解いて頂けるか注目しましょう。皆さん是非お集まりください。
1 1月度定例研究会のお知らせ
1)日時:1月23日(水)18:30~20:30
2)場所:日本学士会館 310号室 最寄駅:地下鉄神保町駅下車3分
(東京メトロ半蔵門線、都営三田線・新宿線)
千代田区神田錦町3-2-28 TEL:03‐3292‐5936
3) 講師:関根大助氏 (海洋政策研究財団研究員)
4) テーマ:「コーベットの戦略」
5)参加費: 会員 1,500円、非会員 2,000円
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以上です。