リベラリズムの源流 |
さて、二日前の「リベラリズムの系譜」についてのエントリーに付け加えることが一つありましたので、その補足を。
前回のものは基本的に国際関係における安全保障的な面からのリベラリズムの代表的な三つのアプローチとして、三人の識者と彼らが提唱した解決法を簡単に紹介しつつ、リベラルには大きく二つの方向性があるとして、
①ミニマリスト
②介入主義者
という大きな分類ができることを紹介したわけですが、このついでにもう一つ大きな分類ができることを思い出したので付け加えておきます。
それは、リベラリズムの源流には大きくわけて二つある、ということです。
①経済系:経済が繁栄・発展すれば、平和な世界が実現できるという考えが元にある。ほとんどの経済学者はここに入る。グローバル化推進、(T・フリードマンの)ゴールデンアーチ理論、ネオリベラル、相互依存、(T・バーネットの)コア・ギャップ論などのアイディアはすべてこちら。
②倫理系:基本的に「痛み」の軽減すべきという倫理・道徳の追求から始まった流れ。人権系とも。J.S.ミルがその代表。政府による弱者救済、福祉国家建設、または大企業の批判などへつながる。現在の日本の共産党・社民党の議論はこの典型。極端に振れると共産革命。
リベラリズムを、上記のようなミニマリズム/介入主義と経済系/倫理系の二つの軸でわけて考えてみるのもなかなか面白いものかと。
ということでご参考まで。