戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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リベラリズムの系譜をまとめてみた

今日の横浜北部は朝からスッキリ晴れております。それにしてもまだ日陰の多いところでは道に氷が。

さて、本日都内の某所でリベラリズムについて話をしなければならないので、その簡単なまとめをメモ代わりにここへ。

リベラリズムといえば、政治哲学で代表的なところではミルやホッブス、ルソーにカントなどが挙げられるのでしょうが、私はどちらかといえば安全保障系の人間なので、その方面で文献を探しているうちに、以下のような記述を発見。

これはリベラリズムと戦争の原因とそこから提案される解決法について三大学者の考えをまとめたもの。けっこう応用ができそうな。

===

リチャード・コブデン(1804-1865) :戦争の原因は、政府が国内外への「自然な秩序」にたいして余計な介入をする点にあるとする。平和への解決法は、個人の自由、自由貿易、経済発展、それに相互依存状態の実現。

ウッドロウ・ウィルソン(1856 –1924 ):戦争の原因は「非民主的」な国際政治環境、とくに対外政策や勢力均衡にあると指摘。その解決法として、民族自決、世論に敏感なオープンな政府、集団安全保障体制(国連システム)を提唱。

ジョン・ホブソン(1858–1940):戦争の原因は勢力均衡システムにあるとする。この解決法としては紛争を仲介して決定を下せるような「世界政府の創設」にあると言明。

また、これからわかるのは、安全保障関係におけるリベラリズムというのは、大きくわけると二つの方向性に集約されるということ。

①ミニマリスト:政府の介入を徹底的に嫌う考え方。とにかく「個人の自由」が大事。極端に振れるとリバータリアンやアナーキストなど。

②介入主義者:政府や国際機関の役割を拡大して積極的に介入を行い、世界を民主的にしようという指向性をもつ。極端に行くと民主制平和論、ネオコンなど。

===

以上です。
Commented by えんき at 2013-01-17 21:42 x
自由に個人の幸福を追求する(他者を踏みつけにする)権利を持つ人々が、世論に敏感なオープンな政府に更なる富を要求する結果、資源が豊富な国に対して略奪のための介入を民主化の大義の下に行っている現状を鑑みるに、リベラルな平和論というのは機能しないと思われます。
Commented by 大阪人K at 2013-01-17 23:24 x
>①・・・極端に振れるとリバータリアンやアナーキストなど

そしてマッドマックスか北斗の拳のような展開になって平和から程遠い状態になるかと・・・
結局、平和を目指して自警団が出来て、それを中心となり新しい国家が再建されるだけかと・・・

>②介入主義者:政府や国際機関の役割を拡大して積極的に介入を行い・・・

世界政府に反感を持つ人たちが叛旗を翻して、世界政府軍が治安回復の名目の元に”軍事介入のような”警備活動を行う。
それは今のアメリカが世界中で戦争している姿と何が違うのかという疑問が・・・


この論点の面白いところは、提唱者たち自身が自分の言っていることに無理があることを自覚しているはずなのに、敢えて言っているところでしょうか。
(私でも気付く無理を言っている本人たちが気付かないと思えませんから。)


以上が私の感想です。
Commented by masa_the_man at 2013-01-18 10:24
えんき さんへ

>リベラルな平和論というのは機能しないと思われます。

ところが(善悪は別として)このフィクションが現在の世界の秩序を形成している重大な要素なんですよね・・・世の中は矛盾だらけです(苦笑)コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2013-01-18 10:26
大阪人Kさんへ

>マッドマックスか北斗の拳のような展開になって平和から程遠い状態

アメリカ人は「古き良い西部」をイメージしているらしいですが、これも「神話」ですよね。

>今のアメリカが世界中で戦争している姿と何が違うのかという疑問が・・・

ここにも矛盾が(苦笑)コメントありがとうございました
by masa_the_man | 2013-01-17 10:48 | 日記 | Comments(4)