戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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都内の某大学の研究会で講演

今日の横浜北部は朝からよく晴れております。明日になると少し雨が降るらしいですが・・・

さて、昨日参加してきた研究会で感じたことについて。

某大学で開催されたある研究会で講師をしてきたわけですが、そこで「戦略とは何か」というテーマで一時間ほど話をさせていただいたあとに質疑応答になりまして、そこで教えてもらったことがとても印象的でした。

その研究会というのは特許などの知財関係をテーマにしたところなのですが、もちろん私の分野とはまったく畑違い(笑

参加者は大学院生だけでなく、どうも実業の分野でそうとう活躍されている方々が多くいらっしゃっているようで、弁理士だというかたもチラホラ。

もちろん私はこの分野の話はまったく知らないので(しかもなぜ呼ばれたのかよくわからない)、しかたなくいつものように戦略論の話をはじめたわけですが、やはりというか、「戦略の階層」の話になると、なんとなく会場から反応が。

ということで質疑応答の時間になったのですが、そこで参加者の皆さんに教えてもらったのは、

日本は国際的に取得している特許の数はものすごく多いが、それが全く戦略的に活用されていない

ということ。

また、話を聞いていると、その取得の仕方も「とれるから取ろう」という感じで、決して「自分の会社を有利にするための特許を選択的に取ろう」ということではなく、ましてや「コントロールするために取ろう」という意識は皆無だとか。

また、講演後の雑談で聞いたのは、

「韓国は日本のマネをしていたというは過去ではたしかにそうだったが、特許の分野ではもうこの話は当てはまらない。国策として非常に意識してやっている。日本はこのまま戦略的な特許の取り方をしていかないと、企業がジリ貧になってきているので、韓国や中国に遅れをとることは確実だ」

ということでした。

特許というのは日本の場合は98%が大企業が取得しているものらしいのですが、この大企業の体力がなくなりつつあるため、今後は特許取得数でもどんどん落ちるのは確実とのこと。

また、日本の場合は「戦術的」に特許をとるだけで、取得にかんしては全く戦略的な考慮はなされていない、ということみたいです。

しかもさらに悪いことには、弁理士の人たちの中で意識の高い人は、この「戦略不在」の状況をよく理解できているにもかかわらず、状況的(おもにセカンドイメージ的な原因)にその状態を変えられないというジレンマにはまって抜け出せていない、ということでした。

うーむ、これって日本のどの業界にも当てはまることなんでしょうか?

そうではないことを願うばかりですが・・・

*余談ですが、初音ミクのバックにいるのはYAMAHAだと聞いて驚きました。
Commented by ナリ at 2013-01-13 10:08 x
講演会お疲れさまでした。ご指摘の点はその通りなんですよ。ただ、余りに抽象的な特許は認められない点がある(日本の特許庁は結構厳しい)ので、その点をギリギリまで広く取ることで対応しております。戦略を立てるには世界観を言語化する必要があるのですが、そこで後手を踏んていると感じています。
Commented by masa_the_man at 2013-01-13 10:44
ナリ さんへ

>ただ、余りに抽象的な特許は認められない点がある(日本の特許庁は結構厳しい)ので、その点をギリギリまで広く取ることで対応

たしかに会場でも似たようなことを聞きました。

>戦略を立てるには世界観を言語化する必要があるのですが、そこで後手を踏んていると感じています。

というか、私が純粋に感じたのは「もっと選択的に(コントロールできる)特許をとれないのかなぁ」ということでした。これはたしかに特許庁のほうの問題もあるのかも・・・

そういえばなぜかナリさんの知り合いの方に多くお会いさせていただきました(笑)コメントありがとうございました
Commented by xyz at 2013-01-13 11:00 x
>初音ミクのバックにいるのはYAMAHAだと聞いて驚きました。

初音ミクのエンジンは、ヤマハ製なので、驚く理由がわからないのですが?
Commented at 2013-01-13 12:23 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by 待兼右大臣 at 2013-01-13 12:38 x
>>初音ミクのエンジンは、ヤマハ製

ミクのエンジンはトヨタ2000GTと同じだったのですか、とボケてみる

>>もっと選択的に(コントロールできる)特許をとれないのかなぁ

何がどうなるか分からないので 「とりあえず特許をとっておく」 というのは正しいと思います。日産が実用化したトロイダルCVTも特許自体は何十年前に認められていたということですから。

(ことの仔細は知りませんが)フロッピーディスクの場合は、(後でもめるのを避けるため)ドクター中松の特許を買い取ったといわれていますので、彼は 「フロッピーの発明者」 と名乗っているわけです。
Commented by sdi at 2013-01-13 12:49 x
日本の特許は「原則として公開」のため、一番肝心の部分は特許にすらしていないという話も聞きますね。これは、盗まれたり漏れたりしたら対抗手段が無いということにもなりすね。
戦略的に特許取得を考えるとき、「有効期間」がかなり大きなファクターになってくるのではないでしょうか?あと一つは特許訴訟の迅速化も必要ですね。
Commented by masa_the_man at 2013-01-13 20:04
xyz さんへ

>初音ミクのエンジンは、ヤマハ製なので、驚く理由がわからないのですが?

おおっ、ドヤ顔されてしまいました(苦笑)私が純粋に知らなかったからです。どうもすいません。私がYAMAHAで驚いた理由は「武器捨て本」の第三章をお読みいただければおわかりいただけるかと。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2013-01-13 20:05
ナリさんへ

>ホームグラウンド

なんですよね。言われてから思い出しました(苦笑

>狭くなる嫌いがありますね。

なるほど。この辺についてはまた教えて下さい。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2013-01-13 20:07
待兼さんへ

>ミクのエンジンはトヨタ2000GTと同じだった

ああっ、年がばれる(笑

>何がどうなるか分からないので 「とりあえず特許をとっておく」というのは正しいと思います

なるほど。私が気になるのはインテルの特許の活用の仕方なんですよね。それについて詳しい方がいれば教えていただきたい感じです。

>後でもめるのを避けるため)ドクター中松の特許を買い取ったといわれていますので、彼は 「フロッピーの発明者」 

きましたね(笑)コメントありがとうございました。
Commented by masa_the_man at 2013-01-13 20:08
sdi さんへ

>戦略的に特許取得を考えるとき、「有効期間」がかなり大きなファクターになってくるのではないでしょうか?あと一つは特許訴訟の迅速化も必要ですね。

これについては誰か詳しいかたに解説していただければありがたいかと。コメントありがとうございました
Commented by 大阪人K at 2013-01-13 21:06 x
日本の大きな方向性としては、特許の取得を目指すの間違っていないと思います。これこそ典型的な累積戦略かと思う次第です。後は如何にして成果に結びつける順次戦略を組み立てるかというだけなので、まあ何とかなるかと思います。(実際、当事者である企業が痛切に感じているでしょうから、そこは何とか打開策を考えるでしょう。)

中国、韓国はぱっと見た感じでは戦略的に上手く立ち振る舞っています。しかし、その国民が日本よりも幸せな世界観を持っているのかということ考えれば、私には彼らの戦略が本当に優れているとは見えないと思う次第です。
Commented by FN at 2013-01-14 00:02 x
>日本の特許は「原則として公開」
これは日本に限った話ではありません。他の主要国も出願から一定期間経過すれば公開となります。例外なのは、アメリカ国内のみに出願した特許です。この場合は特許成立まで非公開のままです。ただし、大企業のほとんどは複数の国に出願しますので、ほとんどは公開されることになります。

>戦略的に特許取得を考えるとき、「有効期間」がかなり大きなファクター
法定の期間は主要国ならば一緒(出願後20年間)なので、特許成立までに要する期間と内容の陳腐化までの時間との兼ね合いでしょう。出願時にはそのあたりの見極めが難しい場合が大半だと思います。

>あと一つは特許訴訟の迅速化
日本の場合、ここ最近は特許侵害訴訟の審理期間はかなり短くなってきています(平均審理期間は訴訟大国アメリカより短いです)。むしろ問題であるのは、特許権者の立証責任が大きい(具体的な特許侵害の事実を立証する必要あり)ため訴訟提起に踏み切れないということと、認定される損害賠償額が低いため訴訟が割に合わないことです。ただ、企業の立場としては、訴訟のハードルが高いのは好ましい一面もあります。
Commented by navi-area26-10 at 2013-01-15 10:39 x
リンク先は

■特許で中国を支配する日本=中国経済の「栄養」を吸い上げる国家モデル―中国メディア

という記事なのですが、隣の芝は青いといいますか、中国から見た日本の特許はリンク先のような状況らしいですよ。
by masa_the_man | 2013-01-13 10:03 | 日記 | Comments(13)