シェール革命の地政学
2012年 12月 30日
さて、先日のシェール革命ネタについてもう一つの記事として、私が翻訳を出したこともあるロバート・カプランの最近の記事の要約を。
彼の場合は最新刊で地理や地政学を扱っているので、この辺のあたりの議論が鋭いですね。
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シェール革命の地政学
by ロバート・カプラン
●高級メディアによれば、将来の外交問題は主にアイディアを中心に争われることになるという。
●倫理道徳面での人道介入、ヨーロッパを負債から救うための為替相場の理論、それに東アジアにおけるナショナリズムの勃興や、同時に起こりつつあるコスモポリタニズムなどがそれである。
●いいかえれば、将来の世界は博士号論文で論じられているような「アイディア」によって決定されてくるということだ。
●二〇世紀の歴史でもわかるように、共産主義、ファシズム、人道主義のようなイデオロギーは、たしかに強力であった。
●ところが別の真実も存在する。地理や環境のような非人間的なものも、人類の未来を決定する力をもっているからだ。
●アフリカが貧しかったのは港に適した場所や遡上できる川が少なかったことにあり、ロシアが恐怖心に覆われているのは大規模な土地が侵略されやすかったからだ。ペルシャ湾岸地域のモスクが豪華なのは、アイディアではなく、地下に大量の天然資源が眠っていたからだ。
●おわかりだろうか。知識人というのは変えることができるものばかりについて考えるものだが、すでに起こってしまったほとんどのことを変化させることはできないのだ。
●岩の中に天然ガスを抱いているシュールについてもそうだ。ここから取れるガスは、ポスト産業社会で新しいエネルギー源になるとみられており、これを保有する国は二一世紀において優位に立つことができよう。
●この点において「アイディア」というのはほとんど意味をなさないのだ。
●私が記事を書いているこのストラトフォーというサイトは、この問題についてかなり詳しく分析しているが、以下はこのサイトの分析に影響を受けて書いた私の独自の分析である。
●では誰がシェールガスを持っていて、その事実がどのように地政学を変化させるのか見てみよう。
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この要約の残りは、次に出すメルマガのほうに掲載予定です。お楽しみに。

大陸性の国家であるから社会主義が発生する。海洋性の国家は自由主義、資本主義に傾きやすいなど。