祝ノーベル賞獲得:山中教授の「二つの戦略」 |
それに関連して一言。
昨日の受賞の報を受けての記者会見の後に山中教授が講演などで語っている言葉として「ビジョン&ハードワーク」というものが注目されております。
ということでネットを探してみますと、たしかにこういう言葉を残しておりますね。
===
技術者マインド・関西人のユーモアも…山中語録
(中略)
◆ハードワーク◆
1993年、米国に渡り、本格的な研究者人生をスタートさせた。一生肝に銘ずる言葉と出会う。「Vision(ビジョン)& Hard Work(ハードワーク)。目的をはっきり持ち、それに向かって懸命に働くということ。研究者が成功する条件で、日本人はハードワークは得意だが、ビジョンを見失っている学生が本当に多い」(08年4月、母校の神戸大入学式の特別講演で)
===
これについてですが、私の「武器捨て本」を読まれた方はすでにご存知の通り、これは山中教授が無意識的に戦略の肝となる部分を理解していたということ。
どういうことかというと、
ビジョン:順次戦略
ハードワーク:累積戦略
ということになります。
私が翻訳したワイリーは、著書の中で「この二つの戦略の両方を使わないとダメ」としておりますが、山中教授は(米国で教えられて?)この二つを意識していたと。
しかも彼は上の講演会で、「日本人はハードワークは得意だが、ビジョンを見失っている学生が本当に多い」としており、日本人は累積戦略が得意だが、順次戦略が(とくに若者たちに)ないと言っているわけです。
さらに面白いのは、この記事の見出しが「技術者マインド」で、さらに該当部分の小見出しが「ハードワーク」だけ、という点でしょうか。
日本人がいかに累積戦略が大好きかを象徴しているような(笑
ということで「二つの戦略」を活用しての山中教授のノーベル賞獲得、本当におめでとうございます。