戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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尖閣諸島:中国側の識者の視点

今日の横浜北部は朝から晴れておりまして、昨日と比べてかなり暑くなりそうな。

さて、メルマガの原稿のために以前から調べていた「中国側の視点」について、ひとつ面白い記事がありましたのでその要約を。

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日本の尖閣戦略の裏にあるもの

by Joe Hung

●数ヶ月前に石原慎太郎東京都知事が尖閣の三島の購入を決定したが、彼は都が買わないと尖閣を守れないと考えていたために実行に移した。

●野田政権もこれに追従。その発表のタイミングが重要で、これは首相が属する与党の民主党が、小沢一郎の脱党によって弱体化した時に行われたもの。

●東京と北京を仲違いさせるだけでなく、台北と東京の関係まで悪くしてしまうのにもかかわらず、なぜ野田首相はあえてこのようなことを発表したのだろうか?ところが野田首相自身はどうやら総選挙に勝つための最善の策だと考えているらしい。

日本は尖閣領有を主張している三カ国の中で最も弱い立場にある

●一八七九年に琉球を沖縄に編入したわけだが、もう一方の宗主国であった清朝はそれを認めていない。

●清は明治政府と「沖縄以北の島は日本の領有だが沖縄以南(これには尖閣諸島も含む)は清国に属する」という取り決めを交わす約束をしたが、この取り決めは発効されず、一八九四年に日清戦争が始まったのだ。

●一八八五年に当時の沖縄県令であった西村捨三は尖閣諸島の領有を公式に認めるように明治政府に嘆願したが、外相の井上馨は清国側を刺激することをおそれ、内相だった山県有朋が西村の嘆願を拒否している。

日本が沖縄県の一部として尖閣諸島を編入したのは日清戦争が行われている最中の一八九五年の一月一四日だ。その理由として、一八八四年から尖閣の調査を続けており、無人島で、そこに中国の支配が及んでいる証拠がないということを挙げていた。

●ところがこの編入の事実は、第二次大戦後の一九五〇年まで公表されなかったのだ。

●日清戦争後の一八九五年の下関条約で、清国政府は「フォルモサ(台湾)とその周辺に属する島々」が日本の管轄下に置かれることを認めたが、第二次大戦後の一九五一年のサンフランシスコ講和条約では下関条約は無効化された。

しかもサンフランシスコ講和条約には、中国も台湾もサインしていない

●日本は一九五二年に台北と平和条約、北京とは七四年に友好条約を結んでいるが、そこでも尖閣諸島の帰属については何も触れられていない。

●なぜなら北京も台北も尖閣は台湾と一九五二年に交わされた条約で「フォルモサ(台湾)とその周辺に属する島々」ということで返還されたと考えているからだ。

●ところがこれについて日本政府は見解が違う。東京は尖閣が無人だったとしているが、台北と北京は山県有朋の言明と彼が西村の嘆願の拒否したことを根拠にしているのだ。

●第二次大戦の最後に琉球諸島を獲得したアメリカが日本への返還を打診したとき、台北と北京は尖閣諸島の領有を主張している。

●ところがアメリカは一九七一年六月一一日に尖閣諸島を含めた琉球列島の支配を終わらせている(沖縄返還)。

●この返還に関しては議論されている部分がある。なぜなら日本が一九四五年に受諾したポツダム宣言には「日本の主権は本州、北海道、九州、四国、そしてわれわれが定めた小さな諸島に限られる」と書かれているのだ。

●この「われわれ」とは、戦争に勝った米・英・中(台湾)なのだが、尖閣が日本に返還された時に北京と台北はアメリカの単独決定について何も聞かされていないのだ。

●二〇一〇年に国務省のアジア特使であるジェフ・ベーダーは「尖閣の帰属問題には米国は中立の立場をとります・・・しかし日米安保は日本が支配しているすべての領域に適用されますし、尖閣は日本によって支配されています」と発言。

●これはつまり日米間で交わされた一九七一年の沖縄返還協定は、尖閣諸島の帰属には何の効力もないということだ。

●それでもアメリカ側の地理の定義によれば、尖閣諸島は琉球諸島の枠組みに入るため、日本側の立場を支持していることになる。

野田首相が狙っているのはアメリカのコミットメントであり、それを盾にして尖閣諸島を守り、東京都から購入して、アメリカ側に自分たちの主権を認めさせることなのだ。

●一方で石原都知事は次の選挙で勝ちそうな大阪維新の会との連携を模索しており、これによって二〇年間の経済の停滞を打ち破って明治「維新」を再現したいと考えているのかもしれない。

●野田首相は小沢、石原、橋下による歴史的大勝利を止めたいと願っているのだ。

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著者はおそらく台湾の人ですが、「日本は火事場泥棒だ」と言いたいのかも。山県を使ってくるとは。
Commented at 2012-08-10 18:44 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by poi at 2012-08-16 22:46 x
貴重な情報、有難うございました。
尖閣は沖縄、台湾、福建の漁民が古くから共に漁をしていた海域であることも踏まえなければなりませんが、「領土宣言」は要するに侵略の「戦利品」であったことを認識する必要がありますね。
by masa_the_man | 2012-08-07 09:56 | 日記 | Comments(2)