戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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クラウゼヴィッツ学会:バスフォードの三位一体

今朝の横浜北部は、風は止みましたが曇り空に戻っております。昨日の蒸し暑さはないですね。

さて、昨夜のことですが、久々にクラウゼヴィッツ学会の月例研究会に参加してきましたのでその簡単な報告を。

何度かここでも告知している通り、私の所属するクラウゼヴィッツ学会というのは毎月一度研究発表があって、年に一回大きな大会をやる、というのがパターンになっているのですが、最近は私自身も忙しくて、告知をしている身ながら月例の研究会に出席できないというパターンが続いておりました。

ところが昨日はちょうど都合がついたので久々に出席したらなかなか興味深い発表が。

テーマはクラウゼヴィッツのいわゆる「三位一体」論なのですが、これについて長年研究しているクリストファー・バスフォードというアメリカの国防大学教授の論文を分析するというもの。

この論文の著者のバスフォードなんですが、世界的にも有名なClausewitz.comというサイトの編集者でありまして、もちろんこのサイトは私がイギリスで戦略学のコースをにいたときも必見サイトのひとつとして生徒たちの間では有名でした。

このバスフォードなんですが、このクラウゼヴィッツの「三位一体」論――戦争には暴力/感情、偶然/確率、合理性という三つの要素が存在するというメカニズムの説明ーーを非常に重視しておりまして、今回の発表で分析されたのもこの「三位一体」(参考文献はこちら)。

詳細は省きますが、今回の発表でますます明らかになったのは、クラウゼヴィッツを単なる19世紀の戦争だけを見ていた「近代戦争」についての論者でしかなく、彼の戦争観は最近のテロ戦争や小規模戦争/対暴動などのような非国家戦争には当てはまらないとする、クレフェルトに代表される議論の怪しさかと。

文献や訳語の比較などもあり、非常に知的好奇心をそそられる面白い発表でした

次回の発表は私が行います。

自分の専門ではないRMA/情報戦争とクラウゼヴィッツの関係についてですが、テクノロジーの発展との絡みで面白い分析ができればなぁと考えております。
by masa_the_man | 2012-06-20 23:53 | 日記 | Comments(0)