うるさい奴のノイズを消せ! |
さて、本ブログに数週間前にアップした「孤独が創造性をアップする」という内容の本の書評を覚えているかたもいらっしゃると思いますが、あの話の続編とでもいうべき記事が出てきましたのでその要約を。
ちなみに私がここで紹介したその「孤独本」(原題はQuiet)は、なんと分厚いのにもかかわらず日本で翻訳されるのが決まったみたいです。
しかも本ブログに書かれているものをある出版社の人が見て、ということらしいです。意外と本ブログは影響あるんですかね??
ということでまずは要約を。
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「壁」の復活?:職場のうるさい隣人をブロックする方法
●世界中のオフィスでは壁がどんどん消滅して行っているが、パーティションの中の孤独を好む人たちは、色々と対策を練っている。
●いままでの彼らのやりかたは、本や書類をうずたかく積み上げるというものだったが、最近ではヘッドフォンなどで隣人の会話をブロックする、いわゆる「テクノロジーによるエチケット」を使う人も増えている。
●実は最近のオフィスでは、パーティションのような仕切りによってプライベートな環境をつくることへの要求が働く人々の間で増えてきており、その要求に答える会社も出てきたし、社会科学でもその効果が研究されつつある。
●たとえばオフィスをつくりかえているある会社では、なんと特別な音を発生させることによってこの対策に乗り出しているというのだ。
●この対策とは「サウンド・マスキング」と呼ばれるもの。
●たとえばあるカリフォルニア大学バークリー校の学者は、オフィスで働く人々の不満の発生や生産性が落ちる原因について幅広く調査しており、世界中の6万5千人のケースを集めたという。
●この調査の結果によると、全体の半分以上の人々が「会話のプライバシー」について不満を持っていたという。
●「一般的に言えるのは、オープンなオフィスで他人の会話が聞こえるのは好きじゃない、ということですね」とはその研究チームのリーダーの弁。
●「しゃべってうるさくしている人というのは、実は自分の話の内容のプライバシーについてはあまり気にしないんですが、それ以外の人々というはうるさいと感じるものであり、オフィスのデザイナーたちはその声を実際の環境に反映させはじめたところなのです」
●マサチューセッツ州のあるソフトウエア会社では、三ヶ月前からオフィスにある特別な装置を取り付けた。
●その装置の名前は「ピンクノイズ・システム」というもので、オフィスに設置した大型のスピーカーから柔らかい「シュー」という通風口から聞こえるような音を発信するものだ。
●この音は、実は人間の発する音声とほぼ同じ帯域の周波数のものなのだ。
●この会社は、この装置を職場の誰にもいわずに実験的に使いはじめ、三ヶ月後のある日に試しにストップしてみた。
●すると驚いたことに、オフィスの人々がフロアの管理人に一斉に文句を言い始めたのだ。しかもわずか数人ではなく、かなりの数の人間が、である。
●管理人いわく、「いや、驚きましたよ。だって彼らは18メートルも向こうの人々の会話がうるさいって言い始めたんですから。装置をつけていた時は6メートル先の会話でもほとんど聞こえなかったくらいですから当然といえば当然ですが」
●空間と資金の節約するという理由をのぞけば、オープンスペースの利点というのは働く人同士のコミュニケーションを活性化するところにあると言われていた。
●人々が交わることによってイノベーションが生まれる、というのだ。
●ところが最近わかったのは、あまりにもコミュニケーションが活発化しすぎると、それとは逆の効果が生まれる、ということだ。
●それはつまり、プライバシーの喪失であり、隣の仕事仲間を邪魔してやりたい、という人々の欲望をかき立ててしまうということだ。
●ある研究者によれば、人々はオープンオフィスだとプライバシーのことを気にかけて、なるべく他人との会話を短くしてしまおうとする傾向があるという。
●つまりわれわれは、オープンな状況での協力とプライバシーの必要性とのバランスを模索している最中だ、ということだ。
●ニューヨークのベンチャー企業が集まるあるビルのオフィスでは、起業家たちは周囲の会話からヒントを得ることが多いと答えている。
●しかし彼らは同時に、プライベートな会話をしたい場合には、洗面所や給湯室などに行ったりして他人から聞かれないようにするという。また、デリケートな問題を話す場合はEメールかチャットを使うという。
●「オープン・オフィスでは多くの人と会話しなきゃならないんですが、有益な会話は少ないですよね。結局のところは意味のない会話に邪魔されてしまうことが多いです」とはこのベンチャー企業の一人。
●このような不満がありながらも、まだ世界ではオープンなオフィスが(とくに情報が多く流れるメディアや役所のような場所では)好まれている場合が多い。
●その典型がニューヨーク市役所で、市長のブルームバーグ氏はこのオープンな環境のことを「ブルペン」と呼んで気に入っているという。
●ところが面白いのは、このようなオフィスには逆に色々な音があってうるさいために、かえって静かなオフィスよりも他人の声が気にならない、という現象があるという。
●フィンランドのある研究所によると、オープン・オフィスで生産を落としている一番の原因は「雑音」であり、統計によればそれは人間の知的生産性を5%から10%落とすという。
●その雑音の中でも「人間の会話の声」というのは直接耳から脳に届くため、最もタチが悪いという。
●そして逆にそのような会話が聞こえないようなノイズがある場所で知的作業をする人というのは、そのパフォーマンスが向上し、気分もよくなることがわかっているという。
●オフィスのデザイナーたちは、これを受けて吸音性の素材を使用し始めており、また小話ができるような小部屋を設置するということも始めている。
●しかしこのような小部屋も、誰かが使っていれば自分は使えないので、一長一短ではある。
●結局のところ、働く人間にはオープンな環境も必要であると同時に、孤独になることも必要である。一言でいえば、これはバランスの問題なのかもしれない。
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いかがでしたでしょうか。
前回のものは完全に「孤独になれ!」というものでしたが、今回は「人の会話の声」がノイズになるから、それをカットできれば効率は上がる、というものでした。
個人的には私も喫茶店に行っていろいろと作業することが多いわけですが、近くで興味深い話をしている人々がいると、どうも気になって作業できないことが多いですね。
そういう場合はノイズ・キャンセリング用のヘッドホンを使用するというのも一つの手なのかも知れませんが。


