2012年 04月 16日
ノマドたちが活躍する「危機」の時代の到来? |
今日の横浜北部は午前中は晴れておりましたが、午後から雲が増えてきました。
さて、久しぶりに私自身の書評です。
いつもの本とはちょっと志向を変えまして、なんといいますか、いわゆる「歴史循環論」の本です。
The Fourth Turning: an American Prophecy
by William Strauss and Neil Howe

内容ですが、歴史は循環するものだという観点からアメリカとイギリスの過去を振り返り、そこからおよそ20年前後で交代する「世代」ごとに区切り、それをもとにこれからの未来を予測する、というものです。
この「世代」ごとの区切りとその説明がけっこう体系化されており、歴史の例も豊富(旧約聖書の中の世代交代まである)に使って理論化しております。
具体的にいえば、人間の社会というのは「至福」→「覚醒」→「衰退」→「危機」という四つの順でサイクルをくり返しており、それぞれの時代で活躍する世代がその時代の空気を作る、というもの。
ではそれに対応する世代はどういう人々かというと、「英雄」→「芸術家」→「預言者」→「遊牧民」というもの。
さらには各世代の生まれた年代も当てはめられており、それぞれを具体的に言うと、
芸術家:1929~1946年
預言者:1946〜1964年
遊牧民:1964〜1984年
英雄:1984〜2005年
芸術家:2005〜2026年
となります。
おそらく本ブログを見ているのは、主に戦後生まれの「預言者」から、平成生まれの「英雄」という世代が中心でしょうか。
ところが本書によれば、この各世代が40から60代になって「社会の中心を担う時期」というが極めて重要でありまして、その時期は以下のように四つにわけられるわけです。
「危機」の時代:1929~1946年
「至福」の時代:1946~1964年
「覚醒」の時代:1964~1984年
「衰退」の時代:1984~2005年
「危機」の時代:2005~2026年
ここからわかるのは、現在は「危機」の時代でありまして、社会の中心を担うのは(本ブログ著者を含む)昭和の後半に生まれた「遊牧民」の世代。「遊牧民」とは、そのままズバリ「ノマド」のことです。
で、この「ノマド」が活躍する「危機」の時代なんですが、いままでの秩序がどんどん崩壊していき、社会もどんどんと暗くなり、大きな戦争まで起こるという暗示があります。
たしかに前回の「危機」の時代は、世界恐慌に始まって第二次大戦で終了したすさまじい時代。それまでの19世紀の秩序は完全に崩壊しました。
今回の「危機」の時代ですが、これはリーマンショックにはじまった経済危機によって暗示されております。ちなみに本書が発刊されたのは1997年(!)。
この本なんですが、前半で上記のようなサイクルの枠組みと理論が詳細に論じられた後に、アメリカの過去の三つの時代(危機、至福、覚醒、衰退)を説明しておりまして、最後の章で今後の未来を占っております。
そしてそこではなんと、アメリカの大都市でテロ攻撃が行われる、というシナリオも提示されております。もちろんこれは「911連続テロ事件」で実現しましたね。
本書に書かれていることを素直に信じれば、今後十年間はアメリカにとっても日本にとっても相当厳しい時代になり、大企業などがどんどん崩壊していき、個人がまさに遊牧民(ノマド)となって生き残っていく時代なのかなと感じます。
また、このノマド世代の中心にいる橋下大阪府知事が出てきた背景も、このような面からよく理解できるのかと。
もちろん本書のような米英の歴史を中心とした「歴史循環論」を信じるかどうかは別にして、このような国際環境・時代環境から見るという徹底的な「サードイメージ思考」というのは、われわれの思考の幅を広げてくれるという意味で必要なのでは。
さて、久しぶりに私自身の書評です。
いつもの本とはちょっと志向を変えまして、なんといいますか、いわゆる「歴史循環論」の本です。
The Fourth Turning: an American Prophecy
by William Strauss and Neil Howe

内容ですが、歴史は循環するものだという観点からアメリカとイギリスの過去を振り返り、そこからおよそ20年前後で交代する「世代」ごとに区切り、それをもとにこれからの未来を予測する、というものです。
この「世代」ごとの区切りとその説明がけっこう体系化されており、歴史の例も豊富(旧約聖書の中の世代交代まである)に使って理論化しております。
具体的にいえば、人間の社会というのは「至福」→「覚醒」→「衰退」→「危機」という四つの順でサイクルをくり返しており、それぞれの時代で活躍する世代がその時代の空気を作る、というもの。
ではそれに対応する世代はどういう人々かというと、「英雄」→「芸術家」→「預言者」→「遊牧民」というもの。
さらには各世代の生まれた年代も当てはめられており、それぞれを具体的に言うと、
芸術家:1929~1946年
預言者:1946〜1964年
遊牧民:1964〜1984年
英雄:1984〜2005年
芸術家:2005〜2026年
となります。
おそらく本ブログを見ているのは、主に戦後生まれの「預言者」から、平成生まれの「英雄」という世代が中心でしょうか。
ところが本書によれば、この各世代が40から60代になって「社会の中心を担う時期」というが極めて重要でありまして、その時期は以下のように四つにわけられるわけです。
「危機」の時代:1929~1946年
「至福」の時代:1946~1964年
「覚醒」の時代:1964~1984年
「衰退」の時代:1984~2005年
「危機」の時代:2005~2026年
ここからわかるのは、現在は「危機」の時代でありまして、社会の中心を担うのは(本ブログ著者を含む)昭和の後半に生まれた「遊牧民」の世代。「遊牧民」とは、そのままズバリ「ノマド」のことです。
で、この「ノマド」が活躍する「危機」の時代なんですが、いままでの秩序がどんどん崩壊していき、社会もどんどんと暗くなり、大きな戦争まで起こるという暗示があります。
たしかに前回の「危機」の時代は、世界恐慌に始まって第二次大戦で終了したすさまじい時代。それまでの19世紀の秩序は完全に崩壊しました。
今回の「危機」の時代ですが、これはリーマンショックにはじまった経済危機によって暗示されております。ちなみに本書が発刊されたのは1997年(!)。
この本なんですが、前半で上記のようなサイクルの枠組みと理論が詳細に論じられた後に、アメリカの過去の三つの時代(危機、至福、覚醒、衰退)を説明しておりまして、最後の章で今後の未来を占っております。
そしてそこではなんと、アメリカの大都市でテロ攻撃が行われる、というシナリオも提示されております。もちろんこれは「911連続テロ事件」で実現しましたね。
本書に書かれていることを素直に信じれば、今後十年間はアメリカにとっても日本にとっても相当厳しい時代になり、大企業などがどんどん崩壊していき、個人がまさに遊牧民(ノマド)となって生き残っていく時代なのかなと感じます。
また、このノマド世代の中心にいる橋下大阪府知事が出てきた背景も、このような面からよく理解できるのかと。
もちろん本書のような米英の歴史を中心とした「歴史循環論」を信じるかどうかは別にして、このような国際環境・時代環境から見るという徹底的な「サードイメージ思考」というのは、われわれの思考の幅を広げてくれるという意味で必要なのでは。
by masa_the_man
| 2012-04-16 15:31
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