戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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テクノロジーの哲学についてのまとめ:その2

今日の横浜北部は昼すぎまで小雨が降っておりましたが、夕方くらいから晴れました。

さて、来週あたりに目黒某所のある勉強会で講演をするためにテクノロジーについて調べているのですが、関連資料を色々と読んで気づいたことを以下にメモしておきます。参考まで。

=====

●軍事テクノロジーの歴史についてもっともよくまとまっているのはフラーの本(1945年)。それを補完するものとして優れているのがクレフェルトのTechnology and War: from 2000 B.C. to the Present

●テクノロジーの発展は「みんな一緒に」というわけにはいかない。かならずどの国の軍事テクノロジーも一部は導入が遅れる。

●その例がベトナム戦争の時のアメリカ(M114 155mm榴弾砲)とソ連(M-46 130mmカノン砲)の大砲と、第一次湾岸戦争の時の米(M109 155mm自走榴弾砲)とイラク(南ア製のG5 155mm榴弾砲)の射程距離。いずれもアメリカ側が下回っていた。と。

●軍事テクノロジーを考える上では、個別の技術よりも全体としての「システム」というとらえかたがないと、もう分析不可能なところまできている。

●軍事テクノロジーの導入にはその国特有の文化や地理、それに歴史などが色濃く反映される。

●軍事における革命(RMA)のディベートでは断定的な結論はほとんど出ていない。

●軍事テクノロジーの発展は、地理的な環境に影響されてそれぞれ発展段階を踏んでいる。つまり、陸、海、空、宇宙、サイバースペース、そして最近は「生物」。六次元だ。

●最近の中国は、「制空権」ではなく「制生権」という概念を提唱している。

●なぜ特定のテクノロジーが社会や組織に採用・導入されるの?という疑問に対する説明については、どうやら以下の4つの学派があるらしい。

①機が熟した/熟していないという説明をする学派
②必要性に迫られたから(必要は発明の母)学派
③失敗から生まれる学派
④非合理性(組織の利便性や習慣)を重視する学派

●ひとつだけ確実に言えるのは、どの軍事組織も新しいテクノロジーを、既存の古いタイプの組織に導入しなければならない、ということ。

●テクノロジーにおいては、時として「見えない技術」がものすごく重要な役割を果たすことがある。その例として挙げられるのが、

①ドイツ軍の戦車部隊がフランス(やソ連軍)に勝利に大きな役割を果たした「無線」。
②太平洋戦線におけるアメリカ軍が使ったDDT(殺虫剤)の存在。

●現代でもほとんど進化していない軍事テクノロジーの典型は、空母の甲板上の風景と空挺部隊の装備など。50年前とほとんど変わらず。

以上。
by masa_the_man | 2012-03-24 21:37 | ニュース | Comments(0)