テクノロジーの哲学についてのまとめ
2012年 02月 20日
さて、最近気になってしょうがないテクノロジーと社会の関係についてなんですが、「テクノロジーの哲学」というテーマについての文献の情報を簡単にノートにまとめてみたので、みなさんとシェアしてみようかと。
以下に参考まで。
●テクノロジーに関する哲学の歴史は比較的浅い。
●ところが哲学自体は2千年以上の歴史あり。
●科学についての哲学は16世紀半ばにベーコン、19世紀半ばにマルクスなどが少し言及した程度。
●おそらくその理由は「偉大な哲学者」たちが、テクノロジーを「単なる科学の応用」という想定に立っていたから?
●ドイツのロマン主義者たちはとくにテクノロジー(もしくは西洋文化全般)について19世紀にかなり悲観的な視点をもっていた。
●その代表が『西洋の没落』のシュペングラー
●19世紀半ばの文芸評論家でテクノロジーに言及したのはワーズワース、カーライル、マシュー・アーノルド、そして畑は違うがウィリアム・モリスなどだけ。
●やはりそれを決定的に変えたのが広島と長崎の原爆。これが英語圏におけるテクノロジーについての議論を飛躍的にのばした。
●環境問題への意識の高まりもそれに貢献。最も有名なのはレイチェル・カーソンの「沈黙の春」
●1970年代からはクローンに関する問題が注目される。そうなると「人間」までテクノロジーで変化してしまうという恐怖が。
●1976年にテクノロジー哲学協会が設立される。
●ところが研究フィールドは雑多すぎて統一した方向を示せない。たとえば政治と倫理問題を論じている哲学系の人は、科学の哲学を理解できないという風に断絶がひどい。
●さらには誰もテクノロジーに関わるすべてのフィールドをマスター出来ない。
●研究の仕方にも二つの流れあり。ひとつは伝統的な経済・功利面からコストや合理性という面から論じるもの。もう一つは現象学や解釈学からのもの。
●テクノロジーと社会の関係についてメジャーだった理論には二つのあり。
①テクノロジー決定論:テクノロジーが文化や社会のすべてに影響を与えるという考えを主張。主な論者はマルクスやハイルブローナー。
②テクノロジー自律論:テクノロジーは自らのロジックで人間の意志とは関係なく勝手に発展するという考え。ジャック・エリュールが主に主張。
●ところが決定論をくつがえすような議論が1990年代から盛んになる。社会構成主義(ソーシャル・コンストラクティビズム)がそれで、テクノロジーは決定論的ではなく、むしろ偶然に作られると主張。ジョルジ・ルカーチやゲオルグ・ジンメルのような初期の社会学者の議論が元になっている。
●最近の主流は社会の影響を強調するものが多く、決定論的な主張がけっこう目立つ。
●最新のものはネットワーク理論などを中心としたもの。
●最近のテクノロジーの見方には、主に三つある。
①テクノロジーを単なる道具(ツール)やハードウェアとして見るもの
②テクノロジーをルールとして見るもの
③テクノロジーをシステムとして見るもの。
以上。


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ひめのブログさん チャイナ日本侵略拠点図解。北朝鮮羅津港から日本への侵攻図があります。
元通訳捜査官 坂東忠信氏 外国人犯罪の増加からわかること羅津港問題を掲載し
地政学で云うチョークポイントであります。
更新中です。ご高覧下さい。m(_ _)m乱文にて 敬具