無人機で人権侵害を監視せよ |
さて、昨日に引き続き無人機ネタを一つ。
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人権のため、無人機は空に
by アンドリュー・ストボ・スナイダーマン & マーク・ハニス
●無人機はパキスタンで攻撃用に使われているだけではなく、たとえばイラクではアメリカ人を守るための監視用として使われている。
●これからは人権を守るために使えるのではないか?
●たとえば無人機を使えば、人権侵害を監視するために写真や動画を撮影することができる。まずはシリアから始めるのはどうだろう。
●シリアは先週アラブ同盟の監視が停止された関係から、その必要性は緊迫したものであろう。
●監視員の代わりを無人機が務めることができるし、たとえば監視員の行けないところも監視できるのだ。たとえばシリアはデモを行っている人々に対して発砲しているが、これも撮影することができる。
●しかもYouTubeに上がっているような携帯電話で撮影されたようなものではなく、最先端の高画質のもので上から見れるのだ。これは国連や国際司法裁判所をはじめとする、全世界の人々ににも見せることができる。
●しかも最近の無人機は小型軽量化、そして安価になりつつあり、シリアでデモが行われている空に個人が飛ばすことができる。
●すでに団体などが飛ばしている例もあり、たとえばシーシェパードなどは日本が違法な捕鯨をしているところを無人機で撮影したと言っているし、人権団体などは衛星写真を使って調査している例もある。これが無人機だったらさらに鮮明に撮影できることは言うまでもない。
●シリアの場合にこの監視的な行為を行えば、国の主権を侵すということにもなりかねない。
●しかしわれわれには「人権」というアジェンダがあり、目指しているのは情報の透明性なのだ。人権団体はすでに国家に対してこれを行ってきたのだから無人機を使ってもかまわないはずだ。
●シリア側からすればこれは違法であるが、違法と言われながら、外国は外から南アフリカのマンデラを支援してきた経験がある。
●反政府勢力を支援するのはたしかにまずいかもしれないが、NATO諸国はカダフィ大佐に対して同じことをしたのである。しかもこのような人権侵害が行われるのはその国のヒドい政策のおかげなので、自業自得である。
●もちろん危険はある。シリア政府はこれを機にデモを「外国からの陰謀による煽動だ」という主張を始めるかもしれない。国内で無人機を操作している人にも危険が及ぶ。
●実は人権団体はシリアで無人機を使おうとしているのだが、まだそこまでの決心はしておらず、もっぱら衛星電話・モデムや安全な場所の提供などで満足している状態だ。
●無人機は携帯電話では見えないものが撮影できる。たとえばダルフールで二〇〇三年から二〇〇四年にかけて起こった虐殺や、八千人が殺された一九九五年のスロベニアの野原などには、カメラは入って行けないのだ。
●もちろん鮮明な画像は問題を解決するわけではないが、それでも何かの助けにはなる。
●人権団体が悪を監視できるなら、彼らはそうすべきなのだ。
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これもテクノロジーの発展によるひとつの効能を説いたものですが、別の意味でパキスタンと同じく「国家の主権」というものが侵されているという良い例の一つかと。
そういえば福島第一原発の事故の時も無人機が使われたという話を聞きましたが・・・
無人機という新しい監視ツールによって、今後もどんどんわれわれのプライバシーがなくなっていくことが予測できますね。