2012年 01月 15日
抑止論の決定本 |
昨日の横浜北部は晴れ時々曇りでした。それにしても寒さが続きます。
さて、久しぶりに本の紹介を。
といっても十年近く前の本なのですが、とりあえずこの分野では古典的な名著となっているものをひとつ。
Deterrence Now by Patrick M. Morgan

原題は「抑止論を今!」という感じですが、これは映画「地獄の黙示録」(Apocalypse Now)に引っ掛けたものですね。
抑止論といえば、冷戦時代にアメリカを中心に核戦略との関連からかなり注目されて研究された古典的な概念・理論ですが、本書はその知識を蓄積した、いわば集大成ともいえるもの。
この微妙な概念を、著者のパトリック・モーガンは冷戦時代の議論を大きくまとめつつ、この理論の詳細な分析を行って、最後はこれが冷戦後の時代にどういう意味を持つのかというところまで論じております。
本書の特徴は、なんといってもその理論を幅広い文献に当りながらまとめていることで、イギリスの戦略界の巨人であるあのローレンス・フリードマンにも「モーガンの本があるから今さら抑止について書けっていわれても・・・」と言わしめたほど。
結論としては、「抑止論というのは思ったほど信頼性がない」という、どちらかと言えば当然のものなんですが、その分類(general vs. immediate)やメカニズムの説明はさすがです。
四つの核戦略の分類・説明や、抑止理論を構成する六つの「想定」の紹介、それにRMAへの適用など、大枠を俯瞰する意味でも有用なものが多数あります。
本文だけで300ページ近いなかなか手強い本ではありますが、ある意味で「ハンドブック」的なものとしても活用できるかと。
抑止論の大枠を知りたいという方にはおススメです。
さて、久しぶりに本の紹介を。
といっても十年近く前の本なのですが、とりあえずこの分野では古典的な名著となっているものをひとつ。
Deterrence Now by Patrick M. Morgan

原題は「抑止論を今!」という感じですが、これは映画「地獄の黙示録」(Apocalypse Now)に引っ掛けたものですね。
抑止論といえば、冷戦時代にアメリカを中心に核戦略との関連からかなり注目されて研究された古典的な概念・理論ですが、本書はその知識を蓄積した、いわば集大成ともいえるもの。
この微妙な概念を、著者のパトリック・モーガンは冷戦時代の議論を大きくまとめつつ、この理論の詳細な分析を行って、最後はこれが冷戦後の時代にどういう意味を持つのかというところまで論じております。
本書の特徴は、なんといってもその理論を幅広い文献に当りながらまとめていることで、イギリスの戦略界の巨人であるあのローレンス・フリードマンにも「モーガンの本があるから今さら抑止について書けっていわれても・・・」と言わしめたほど。
結論としては、「抑止論というのは思ったほど信頼性がない」という、どちらかと言えば当然のものなんですが、その分類(general vs. immediate)やメカニズムの説明はさすがです。
四つの核戦略の分類・説明や、抑止理論を構成する六つの「想定」の紹介、それにRMAへの適用など、大枠を俯瞰する意味でも有用なものが多数あります。
本文だけで300ページ近いなかなか手強い本ではありますが、ある意味で「ハンドブック」的なものとしても活用できるかと。
抑止論の大枠を知りたいという方にはおススメです。
by masa_the_man
| 2012-01-15 00:59
| おススメの本