砲艦外交の復活:その3 |
さて、またまた昨日の続きを。
=====
●ではこの一連の砲艦外交の復活の、そもそもの原因は何だろうか?いくつか挙げられる。
●まずは根本的なところで、東アジアの海域の領土はまったく確定していないことが第一だ。
●たとえば「アジア太平洋」という地域の名前だが、これは太平洋という名前がついていることからわかる通り、広大な海が存在するという意味になる。
●この中でも中国は注目だ。彼らは自分たちがランドパワーかシーパワーかまだ決めかねているところがあるが、陸の国境についての紛争のほとんどは解決しており、今は海へと乗り出しているところで、海の領海問題はかなり深刻になりつつある。
●とくに最も近い関係にある北朝鮮とも、実は海の国境については確定できておらず紛争中なのだ。
●この地域の経済力の向上は、やはり海の活用についての競争を激化させている。
●たとえば中国にとっての南シナ海というのは、経済成長に必要な海洋資源(魚とメタンハイドロ)の宝庫という一面があるのだ。これらについて紛争国はなかなか負けを認めたがらないものだ。
●東シナ海では、すでに中国がガス田から採掘している。南シナ海のガスも中国とフィリピンとヴェトナムの間での奪い合いがはじまった。これは両方とも2005年から始まった。
●経済成長は軍備の増強&近代化も促進している。西洋諸国の船の数は減少しつつあるが、この地域の船の数は増えており、日本はヘリ空母の他にも艦船の数が冷戦終了あたりからほぼ二倍、韓国は揚陸艦や巡洋艦、それに潜水艦などを冷戦後から備えつつある。
●中国の海軍の軍備の近代化は劇的で、ソ連制の第二次大戦時代の駆逐艦がたった二隻だった一九九〇年代から2010年現在で13隻の現代的な駆逐艦をもっている。
●ほかにもマレーシアは同じ時期に駆逐艦を4隻から8隻、それに加えて潜水艦も2隻。ベトナムは2隻のフリゲート艦に6隻のキロ級潜水艦。台湾もキッド級ミサイル駆逐艦冷戦直後から三倍の規模になり、22隻のフリゲートをもつ。
====
今日はここまで。続きはまた明日。