戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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砲艦外交の復活:その2

昨日の横浜北部はよく晴れました。この日差しは寒さの中では本当にありがたい。

さて、数エントリー前の続きです。

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●最近の中国海軍の行動には、戦闘的な政府系メディアによる宣伝という「声」の部分がついてくるようになったことに特徴がある。環球時報(人民日報)や新華社通信などがそれだ。

●たとえば去年の六月には、「もしベトナムが戦争をしたいのならば、中国側は侵入してくるベトナムの艦船を粉砕するだけの自信がある」などと、かなり勇ましい論調の意見記事が出た。

●また中国の海軍演習は、将来の特定的な紛争を想定したもののように「特化」したものが多く行われている。対テロ訓練という名目で行われている上海協力機構のPeace Missionという演習がそれである。

●たとえば2005年のものは山東半島近くで行われたが、明らかに台湾侵攻を想定したものであった。

●Peace Mission 2011は日本海で行われるとロシアは発表しており、これは東シナ海の日中の係争地である尖閣諸島を意識したものであるといわれている。

●東シナ海が熱い。中国海軍は去年の7月に六日間にわたる実弾の発射を含む演習を行っており、その活動は年々頻繁になってきている。宮古海峡を通過しての中国側の動きが活発になっているのはご存知の通り。

●これらの演習は中国海軍にとって新しい装備の訓練という意味合いももちろんあるが、たとえば去年の4月の日本の護衛艦「すずなみ」に中国軍のヘリが急接近したような事態が起こると、そうとも言えなくなる。

●もっとあからさまな外交政策への影響力という例では、二〇〇八年に当時の台湾総統の陳水辺が、スプラトリー諸島の中の唯一の台湾領の島に飛行機(C-130)で向かったとき、基隆級のミサイル駆逐艦(キッド級)も追随させている。

●韓国の「天安」沈没事件も、北朝鮮による外交面での事件であった。

●北朝鮮はこの事件によって数々の意思表示ができたのであり、李明博政権にたいする嫌悪感の表示や、黄海における領海占有などを行った。これは特定の地域だけに限定した軍事力の優位を利用した、典型的な「砲艦外交」である。

●一九九〇年代後半の黄海における韓国と北朝鮮の小規模な衝突事件は、北の「北方限界線」(NLL)と韓国側からの「嫌がらせ」にたいして武器を使ってでも対抗するという意志のあらわれだ。

●他の地域でも砲艦外交は活用されている。たとえば二〇〇三年三月のブルネイとマレーシア間の、ガス田をめぐる領海争いはこの典型。この時も海軍の動きがカギとなった。

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続きはまた明日。
by masa_the_man | 2012-01-11 01:12 | 日記 | Comments(0)