戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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国際関係論の学者の役割は?

今日の横浜北部はなんとか晴れましたが、夕方になってからかなり冷え込みました。本格的な冬ですね。

さて、フォーリンポリシー誌のサイトに興味深いアンケートが載っておりましたので、その一部を訳してみました。

内容は題名そのまんまで、国際関係論の超有名学者たちへの一言インタビューです。それにしても豪華なメンバーだ。

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Q: 国際関係論(international relations)の学者は、外交の実務家たちとは違って、対外政策の決定にどのような価値を提供できるものなのでしょうか?

フランシス・フクヤマ:国際関係論の専門家たちは、特定の地域の国について豊富な知識を持っている比較学者たちよりも有益ではないと考えています。この学者の一例としてはアフガニスタンに詳しいトーマス・バーフィールド(Thomas Barfield)氏ですね。学者の専門家たちが目指さなければならないのは、そのような大きな穴を埋めることでしょうか。国際関係論の人々は、特定の地域について詳しく人でなければ、あまり有益な貢献をしているとは言えません。

ジョセフ・ナイ:学者には考える時間があります。私が国防省で働いていた時には考える時間がほとんどなく、政策現場にいた時はそれまでの知識の集積が止まってしまったのです。しかし学者は政策の現場にいる忙しい人間たちにたいして、自分たちのアイディアをわかりやすく伝えるようもっと努力すべきです。

ケネス・ウォルツ: われわれには広範囲かつ長期的な視点があり、歴史について多少はよい感覚をもっていると言えますね。

ジョン・ミアシャイマー: 実務家たちとは違って、学者には今日の大きな問題を長く熱心に考えることができる時間がありますし、議論を呼ぶような主張を行っても仕事を失うことがないテニュア(終身雇用制)があります。

ジェームス・フィアロン: アメリカの対外政策の重要な決定というのは 、驚くほど少数の人間たちによって決定されていまして、しかも彼らは驚くほど多数の人々によって生み出された情報や議論に影響(この影響の「度合い」はケースごとに違いますが)されるのです。後者には、無数の対外政策の実務家やジャーナリスト、議会のスタッフ、シンクタンクの専門家、そして何人かの国際関係論の学者たちが含まれます。

国際関係論の学者たちは、政策コミュニティーには知られていない、考え方を変える可能性のあるデータ(事実)を提供することができますし、場合によっては間接的に政策の議論を形成するための理論的な議論や枠組みを提供することもできます。さらには、大きな政策決定をするトップの少数の人間を含む政策コミュニティーの中の多くのプレイヤーたちは、国際関係論の学者たちが書いた授業用の教科書や副読本などによって少なからず影響を受けております。

アレクサンダー・ウェント: そうですねぇ、次の世代に世界政治を教育するという役割が一つありますね。でもそれ以外に学者には、①:ある出来事から少し離れた距離に自分の視点をおいて、長期的な流れを考えることができる、②:対外政策を批判するために、政府の外から誰にも影響されない独自の視点を提供することができる、③:彼らは時として(理論的には)世界政治を変えることができるような新しいアイディアや考え方を思いつくことがある、ということでしょうか。

ロバート・コヘイン: 長期的な歴史的・体系的な視点 、実務家が質問すると都合が悪くなるような疑問を世間一般的な通念にたいして投げかけること、外からの視点による熟考的かつ批判的な分析、証拠を体系的に使うよう呼びかけること、などですね。われわれには物事を正確に予測するような能力はない、と私は考えてますが。

マーサ・フィネモア: 世界でおこる出来事について長期的で大きな視点を持ちやすい点でしょうか。学者たちは熱狂的になりやすい政策決定の世界では見つけにくいトレンドやパターンを見つけてくれるという意味で有益です。彼らにとって難しいのは、その大きな視点による考え方を有益な政策提言にまとめるという点でしょうか。

ブルース・ブエノ・デ・メスキータ: 実務家たちの経験と勘による推測とは違う、ある問題にたいして既存のものとは別の戦術的・戦略的対処をテストするための、分析的厳密さや方法論の提供でしょう。幸運なことに、実務家たちはものごとを決定する前の査定評価の質を上げるために、段々と学者たちが発展させた分析法を使いはじめてます。

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個人的に一番興味深かったのは、実務経験のあるナイと、バーゲニング理論で有名なフィアロンのものでしょうか。みなさんは彼らの答えを読んでどのような感想をお感じになられたでしょうか。

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(わ、若殿、双眼鏡が・・・)
by masa_the_man | 2012-01-04 21:15 | 日記 | Comments(0)