戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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ウォルファーズの警告:環境的要因?

●よって、このような「単一要因」vs. 「多数の要因」というアプローチは今日では深刻な議題とはなっていないが、「環境の役割」と「性質的要因の役割」に関する議論は終わっていないし、おそらく永遠に終わることはないだろう。

●ある人々は国家の拡大的な政策を「パワーの真空状態の存在」にあると見なして、国家間のパワーの安定的な分布を求める

●その他の人々は、そのような政策は「特定の国家の貪欲さ」にあるとして、これらの国々を弱いままにするか、他国の管理のもとにおくことを求めるのだ。

●国家の侵略的行動は、ある場合には、国家が生きている環境的な条件に備わった挑発的な性質――差別的な待遇などによって分割されたり委ねられたりする――によって説明されるのであり、また別の場合には、国家のリーダーの精神的疾患などによっても説明される。

●前者のケースでは、「平和への戦略」として適切なのは「環境を変化させること」となる。後者のケースでは、リーダーにたいする精神療法や彼らの政権からの失脚が将来の平和の希望にとって最適であるということになる。

●対外政策の方向性というのは、決定要因などに連動する公式見解に影響されるものなのかもしれない。

●もしヒトラーがドイツ地政学(ゲオポリティーク)の教義を信じていたとすれば、彼の東方拡大への計算における地理以外の要因をすべて排除することができるかもしれない。

●同様に、個人の性格が決定的な影響を及ぼすということを誇張してしまったおかげで国家のリーダーたちが思い違いをしてしまった可能性もある。

●たとえばフランクリン・ルーズヴェルトは、テヘランおよびヤルタ会談でスターリンの個人的な信頼を獲得することのほうに重きを置いてしまったために、ソ連に有利になる将来のヨーロッパのバランス・オブ・パワーの出現の阻止に動こうとしなかったのだ。

●有名な環境論的な理論としては、カール・マルクスが今日のソ連のリーダーたちに教えたものがある。

●彼のよく知られた仮説によれば、資本主義者たちの対外政策は、資本主義経済の内的矛盾によって決定されるという。

●そこでのアクターたちは、経済システムが発揮する強力な圧力によって動かされてしまう単なるあやつり人形だと想定されているのだ。

●そして資本主義陣営内部の国家の行動の違い――たとえばソ連をアメリカの世界的な対立状態の主な元凶としてみるかどうか――は、西側諸国内の資本主義の熟成度の違いによるものである、と説明されるのだ。
by masa_the_man | 2011-10-11 12:07 | 日記 | Comments(0)