戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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戦略論のエッセンスがつまった野球本?

今日の甲州は曇りがちでしたが、とくに夕方になってからかなり涼しく感じました。例年だとこの時期は暑くて死にそうなんですが、今年は冷夏?

さて、久しぶりに本の紹介を。

といっても、戦略ものではなく、どちらかといえば「野球指導もの」でありまして、なんと高校野球の指導者について書いた「半自伝的」なものです。

「非常識 甲子園連覇監督に学ぶ 勝ち続ける強いチームのつくり方」
by 我喜屋優 田尻賢誉

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タイトルはかなり奇をてらうものでありまして、内容とはちょっとかけはなれた印象が。

そしてその内容ですが、基本的にはこの我喜屋監督が沖縄の興南高校を春夏連覇するために使った選手の育て方やトレーニングなどについて語ったものです。

私がこの本になぜ惹かれたかと言いますと、この監督が述べていることが極めて「戦略学的」であるからです。

具体的には野球を通じていかに効果的な組織や人材を作るかという観点から、監督が具体的なエピソードを交えながらその思想・哲学的なところを語るわけですが、ジョン・ボイドの「OODAループ」や孫子の「正奇」の論理、「ファースト・イメージ」の重要性、「ビジョン」や組織内での「コミュニケーション」の大切さ、それにクラウゼヴィッツの戦争論のエッセンスと似たところなど、戦略学の授業で教えられることそのものを、全く別の言葉で色々と語ってくれております。

また、この我喜屋監督の言葉を引き出してまとめている田尻氏の筆力にもなかなかのものがあります。しかしあまりにもうまくまとめ過ぎていて、ちょっと出来すぎかなぁという感じもしないでもないですが(苦笑

ということで、タイトルの「非常識」とは違って、戦略学的には非常に「常識的」とも言えるものですが、全ての戦略を包括した共通項をわかりやすい言葉で見て取ることができるという意味で貴重な本です。

横綱論的にもオススメの箇所が多数ありました。ぜひご一読を。

=====

沖縄・興南高は、なぜ甲子園で優勝どころか春夏連覇できたのか? 常識を疑い続けたことから生まれた唯一無二の指導法と”金言”を初公開!不可能を可能にした名将。我喜屋監督の人づくり、チームづくりのノウハウと卓越したリーダー論はビジネスマンも必読。

 指導法、練習法を学びに沖縄へ足を運んだ指導者が続出し、取材していたベースボールライター(田尻賢誉)にも全国から質問が殺到した連覇の秘密とは?これさえ読めば強いチームになる! スキのない勝ち続ける組織になる。

【目次】
第1章
勝負に備える 一瞬のために全力で準備せよ
第2章
人をつくる 花を支える枝、枝を支える幹、本当に支えているのは根っこ
第3章
チームをつくる ごみを拾えるようになれば、野球もうまくなる
第4章
非常識を常識にする やってみよう、できるはずと思えばできる
第5章
リーダーシップをとる まずは自分を鍛える、成長させる

【著者プロフィール】
我喜屋優(がきや・まさる)
1950年生まれ。沖縄本土復帰前の68年、夏の甲子園大会に興南高野球部主将、中堅手として出場し、ベスト4に。卒業後、大昭和製紙富士から大昭和製紙北海道へ。74年、都市対抗で優勝。89年、大昭和製紙北海道の野球部監督に。07年春、興南高監督に就任。同年夏、24年ぶりに甲子園出場。その後、09年の春の大会から春夏ともに2年続出場し、10年春夏連覇を果たす。10年7月より学校法人興南学園の理事長、11年4月より興南中学・高校の校長を兼任。

田尻賢誉(たじり・まさたか)
1975年生まれ。熊谷高、学習院大を卒業後、ラジオ日本勤務、アメリカでの日本語教師ボランティアを経て独立。スポーツジャーナリストとして高校野球、プロ野球、メジャーリーグなど幅広く取材活動を行なっているほか、中高生、指導者への講演活動も行なっている。著書に『木内語録 子供の力はこうして伸ばす』(二見書房)、『あきらめない限り、夢は続く』(講談社)、『大旗は海峡を越えた』、『公立魂~鷺宮高校野球部の挑戦~』、『高校野球 弱者の戦法』、『沖縄力』(日刊スポーツ出版社)など。
Commented at 2011-08-01 23:31 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by berlsconi at 2011-08-02 00:06
目次を見ただけで戦略論のエッセンスが詰まっていると分かりますねー。興味深い。
by masa_the_man | 2011-08-01 23:31 | おススメの本 | Comments(2)