ティーパーティーとアメリカの対外政策: その2 |
●ちなみに、最近の意識調査によると、実に最大64%もの人がイランの核開発を終わらせるためなら軍事攻撃もやむを得ない、と回答している。
●また、勃興する中国が及ぼすと感じられる脅威は、強力な軍隊を維持し、アメリカはグローバルなコミットメントを継続すべきだという国民の支持を強める働きをするものと思われる。
●ランド・ポール派とサラ・ペイリン派は、共にリベラル・インターナショナリズムに対する反感、つまり国際法や協定などの厳しい網の目による多国間制度機関を通じた国際関係の実践に対する不信感という点では一致するのだ。
●そう言った意味で、ティーパーティー運動に含まれる意味は色々あるのだが、本当に効果的な対外政策を考えるには、まず現実的にありのままの事実を見ることから始めないといけない。
●今日のジャクソニアンたちが消滅するとは考えにくい。しかも色々な意味で、ティーパーティー運動というのはアメリカの世界秩序建設という使命にとっては60年前の孤立主義者よりもはるかに好ましいものであり、その害悪も含めて大歓迎すべきなのだ。
●トルーマン政権時代のジャクソニアンたちと比べても、今日のジャクソニアンたちは人種差別的ではなくなっているし、反フェミニスト的、反ホモでもなくなってきており、他文化や異なる世界観にたいしては寛容である。
●さらに言えば、今日の南部の共和党のポピュリストたちはリベラルな資本主義の中核となるコンセプトに対してかなり許容しているところがあり、百年前のウィリアム・ジェニングス・ブライアンの支持者たちと比べるとその差は明白だ。
●対外政策の実務者たちは、国民からの余計な介入なしに外交に集中したいと考えることが多い。
●ところが彼らの望みはアメリカで叶えられることはない。なぜならもしティーパーティー運動が過ぎ去ったとしても、また別のポピュリスト運動が登場するはずだからだ。
●アメリカの政策家たちや、海外の政策家たちは、アメリカの政治を動かす大きな力を深く理解することなく自分たちの仕事をうまくこなすことはできないのだ。