戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


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ミード: ティーパーティーと米国の対外政策

ティーパーティーとアメリカの対外政策

By ウォルター・ラッセル・ミード

February 22, 2011

●ティーパーティーの登場は、近年のアメリカの政治の動きの中でも、最も議論を呼ぶ劇的なものだ。

●この運動の支持者たちは、この活動をアメリカの価値観への回帰であると称賛しており、批判的な人々はこれを人種差別的で反動的、そして結局のところは多文化的で多人種的なアメリカという現実に対する無駄な抵抗であり、新しい政治活動の一つの形だと見ている。

●それでもティーパーティーという運動はアメリカ政治の中で一定の刺激を与えたのであり、アメリカの対外政策の研究者たちはこのポピュリスト的でナショナリスト的な政治暴動の及ぼす影響について真剣に考えるべきなのだ。

●アメリカのケースがそうであるように、対外政策の現在と未来を理解するためには過去をしっかりと把握する必要があるだろう。

●ティーパーティー運動は、アメリカの歴史の中の深いところにその源流がある。

●一番分かりやすいのは、これがジャクソン派の常識を現代に復活させようとしている動きであるということだ。

●この考え方には、腐敗して誤った考えを持つエリート達ではなく、普通の人々こそが、倫理道徳的にも、科学的にも、政治的にも、そして宗教的な面でも優れているというアイディアがあるのだ。

●おそらくこの運動自体は比較的短期に終焉することになるのかも知れないが、それでもこのポピュリスト的なエネルギーがすぐに消え去ることはないはずだ。

●ジャクソン主義というのはアメリカの政治においては強力な勢力だったのであり、現在のような社会・経済の変革時にはその重要性がアップする傾向があるのだ。

●対外政策において、ジャクソニアンたちはかなり強烈にナショナリスト的なアイディアを主張することになる。

●彼らはアメリカがリベラルな世界秩序を作る能力について深い疑念を持ちつつ、いわゆるアメリカ例外主義を頑なに信じるのだ。

●彼らはジャクソニアン的な動きが最も必要とされている時に、オバマ政権がジャクソニアン的な対外政策から逸脱しつつあると考えるのだ。

●このような新しい政治運動がアメリカの対外政策にどのような影響を与えることになるのかを正確に予測するのは難しい。

●なぜならアメリカ国内のテロ攻撃や東アジア・中東での危機などによって、アメリカの対外政策は一夜で激変することもあるからだ。

●それでもいくつかの流れは散見することができる。

●まず一つ目は、ティーパーティー内部での、いわゆるサラ・ペイリン派とランド・ポール派の戦いは、ペイリン派の勝利で終息しそうなことだ。

●ペイリン派は中東におけるテロ問題については、密接な関係をもつ同盟国であるイスラエルを頼った積極的な姿勢で臨むことを表明している。

●その反対に、ポール派はイスラエルとは距離をとる政策を表明しており、これは労多くして実り少ない中東という地域から全体的にコミットメントを縮小していく大きな流れの一部として行うものだ。

●ポール派はこの戦いに破れる公算が高い。なぜなら、現在のアメリカ国民の一般的な常識として、海外でかなり介入を続けないとアメリカ国内の安全は守れないという考えが強いからだ。

後半は後ほど。
Commented by 大阪人K at 2011-02-25 23:16 x
ティーパーティーについて、思うことを幾つか

状況によって、大きな政府小さな政府と柔軟に使い分けなくていけないが、最初から小さな政府に拘っている時点で、柔軟性を失っている。


積極的な軍事政策を支持しているが、それは軍拡であり大きな政府そのものなのだが、小さな政府を目指す彼らにはその矛盾に気付いているのだろうか。(軍隊こそ巨大官僚機構であることに気付いていないのだろうか)


必要以上に感情的になっている印象は否めません。
Commented by masa_the_man at 2011-02-26 00:05
大阪人Kさんへ

>軍隊こそ巨大官僚機構であることに気付いていないのだろうか

たしかにそうですよね。財政縮小のクセに、軍隊には金を惜しむな、という点が。

>必要以上に感情的になっている印象は否めません。

ミードによると、これもアメリカの伝統であり、人種差別色は少ないので、60年前のものに比べてかなりマシということらしいです。コメントありがとうございました
by masa_the_man | 2011-02-24 21:28 | 日記 | Comments(2)