戦略についてのある論文:その28 |
第二に、別の半分の戦略の中の多くも成功しない。その中には戦略のおかげではなく、ただ単に有利なパワーを持っていたから勝ったというケースもあるし、戦略が敵対する両者の能力の差を乗り越えるようなケースよりも、たまたま採用された戦略が双方の力を簡単に相殺してしまうような場合もあるのだ。
第三に、戦争に勝っても有利な平和を得ることができなかったり、なんとか納得できるような結果を得ても、実は戦争によって達成しようとしたことが実現できない場合があるのだ。
そもそも戦略の本来の目的は「約束した狙いを達成すること」という点にあることを考えると、これらのケースの場合では戦略そのものの存在が否定されることになってしまう。