戦略学ついてのある論文:その26 |
多くの人々にとっては、リスクの高い取り組みに対して「国家の名誉」のような主観的な価値観から賛成することは特に簡単である。なぜならそれは物理的な観点からの利益の基準で考えられたものとどれくらい違うのかはっきりしていないからだ。
「物理的な基準」というのは国際政治におけるリアリズムの理論でもっともよく見られるものである。もちろんリアリズムの理論はそれ以外の理論よりも問題や制約というものを分析する上では概して優れているものであるが、それでもそれほど決定的な結論を出してくれるものではない。
リアリズムという理論では、安全保障や富、そしてパワーなどの目的を明確化するものだが、それらを獲得するにはどの戦略が最も効果的なのかというところまでは教えてはくれないのだ。
そうなるとどの戦略が最も効果的なのかを考えるに場合には、どうしても過去を振り返ってみることくらいしかできないことになる。