戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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クラウゼヴィッツの授業

今日の甲州は久々の快晴でした。「文化の日」(天長節)は昔からよく晴れると言われているらしいですが、それに違わずすばらしい天気でした。ちょっと風は強めでしたが。

さて、連日のクラウゼヴィッツネタに関して私が自分のPCの中をいじっておりましたら、私が数年前に受けた大学院での戦略学の授業のシラバスが出てきました。

これはおそらく皆さんの参考になると思われますので、クラウゼヴィッツの週のものをここに訳して貼付けておきます。

イギリスの大学院生になったつもりで、以下の質問にチャレンジしてみるのはいかがでしょうか?

ちなみに一番下にある文献は、一週間以内に読んでくるもののリストです。向こうの週一の授業でどれだけの量を読まされるのか少しお分かりいただけるかと。

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第二週: 実践のための理論:クラウゼヴィッツとその批判者たち

問題: クラウゼヴィッツの理論は現在も有用か?

•なぜ『戦争論』は近代西洋における戦争の理論の中では最高の著作であると考えられているのだろうか? (=孫子とツキュディデス以後のものとしては最高という意味)

•クラウゼヴィッツはわれわれが「戦争」や「戦略」を理解する際に、どのようなヒントをくれたのだろうか?

•『戦争論』の弱点は?そしてこれらはやはり時代と場所の産物なのだろうか?

•クラウゼヴィッツはなぜジョン・キーガンやリデルハート、そしてマーチン・ファン・クレフェルトなどに批判されたのだろうか?そしてその批判は説得力のあるものなのだろうか?

•クラウゼヴィッツの言う「摩擦」の意味は?

•クラウゼヴィッツが言う戦争の「文法」と「論理」の違いを述べよ

•クラウゼヴィッツの「重心」とはどういう意味?

•クラウゼヴィッツは戦争の「チャンス」についてどのようなことを述べている?

•「戦争には二つの本質(客観と主観)がある」というクラウゼヴィッツの理論を説明せよ。この二つをあえて区別することの重要性は何?

•クラウゼヴィッツの二つの「戦争の三位一体」を説明せよ


必読文献(宿題)

Peter Paret, “Clausewitz”, in Paret, ed., Makers of Modern Strategy (1986)
Carl von Clausewitz, On War(1976, 1993) Bks 1, 8
Bruce Fleming, “Can Reading Clausewitz Save us from Future Mistakes?Parameters (Spring 2004)
Colin S. Gray, Modern Strategy (1999) ch.3
Colin S. Gray, “Clausewitz, History, and the Future Strategic World”, in Contemporary Essays (2004)
Michael Howard, Clausewitz (1983)
Beatrice Heuser, Reading Clausewitz (2002)

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細かい質問のほうは、期末に提出エッセイ(8〜10ページほど)や、学年末に行う筆記論文のテスト(三時間以内に三つの質問に対してそれぞれ小論文を書く)で出てきますので、クラウゼヴィッツの質問を答えたいという人にとってはこれら全部に論理的に答えられるようにしておくほうがよい、ということになります。
Commented at 2010-11-04 16:35 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by 山田洋行 at 2010-11-04 19:43 x
問題を勘違いしている可能性もありますが、最後の2つがちょっと分からないですね。

しかしそれよりも宿題の量に驚きますね。こんなに沢山のクラウゼヴィッツ資料を読めるなんてなんて幸せなんでしょう(笑
Commented by nanashi at 2010-11-04 23:49 x
うーむ、興味深いことは興味深い問題ですけれども難しいなあ
奥山さんの模範解答なんか出してもらえないんでしょうか
Commented by 知将・高橋和司 at 2010-11-11 10:34 x
一週間で七冊ですか。英語で読め、といわれたらコース脱落決定だけど、仮に日本の大学院に所属していて、上記レベルの文献(そもそもそんなの日本にない、というのがつらいのですが)十冊を読みなさい、というのであれば、大変だけど不可能ではないような気がします。

そうですね、山田洋行様のおっしゃるように
>こんなに沢山のクラウゼヴィッツ資料を読めるなんてなんて幸せ
というところですかね。

ただそれと、上記の問題を解くことができるかどうかは別問題で、日本のバブル期における大学教育システムだと、アカデミック・ライティングの講座がなかったから、はっきり言って「書けない」という弱点を露呈してしまうでしょうね。

もっと英語を勉強して、奥山先生みたいにパトロンを見つけて留学したかったですね。
最後に20日のオフ会、楽しみにしています。
Commented by sdi at 2010-11-11 20:05 x
必読文献、ピーター・パレットしか邦訳が出てない・・・orz

最初の段階で挫折ですね(泣)。
お恥ずかしながら、「戦争論」は中公BIBLO文庫版を読みましたが途中で挫折してそのままになってたりします。これを機会にもう一回チャレンジすべきでしょうか。
オフ会、よろしくお願いします。
by masa_the_man | 2010-11-04 00:00 | 日記 | Comments(5)