戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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みなさんにお願い:日清日露&第二次大戦

今日のイギリス南部は雲はありましたがかなりの夏日となりました。

近くの町で伝統の手漕ぎボート競争の大会があったようで、たまたま行ったらいつもは静かな田舎町が着飾った紳士淑女で大にぎわい。

さて、また本ブログをご覧のみなさんにお願いがあります。以下のように

●(日清)日露戦争

●第二次大戦

という二つの戦役について日本語で書かれた優秀な学術書(とくに日本の首脳が地理と戦略をどう考えていたのかについて書かれたもの)のタイトルを教えていただきたいと思っております。

この二つの英語のものはけっこう集めたつもりなんですが、日本語の文献がよくわかりません。ご存知の方はぜひお知恵をお貸し下さい。お願いします。
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Commented by 柴崎力栄 at 2010-07-03 10:17 x
どういう問題意識から見た場合の関連書なのでしょうか。世界観? 大戦略に影響する地理的条件?
Commented by masa_the_man at 2010-07-03 10:20
柴崎さんへ

>世界観? 大戦略に影響する地理的条件?

そうです、この二つです。さすが鋭い。よろしくお願いします。コメントありがとうございました
Commented by waterloo at 2010-07-03 10:34 x
日露戦争特別展
ttp://www.jacar.go.jp/nichiro/frame1.htm
Commented by 8+GG at 2010-07-03 14:28 x
第二次大戦
赤木完爾「第二次世界大戦の政治と戦略」慶應義塾大学出版1997
なら聞いたことあります
Commented by 柴崎力栄 at 2010-07-03 14:57 x
もう一つ質問。(1)奥山さんの図式や結論が既にあって、先行研究として不十分な部分的なものだったとしても、このような研究が存在するとして言及するためか。あるいは、(2)自分の図式や結論を組み上げる際に用いる個々の事実や場面を示すデータとして用いる材料を必要としているのか。どちらでしょうか。
Commented by masa_the_man at 2010-07-03 17:52
柴崎さんへ

>(2)自分の図式や結論を組み上げる際に用いる個々の事実や場面を示すデータとして用いる材料を必要としているのか

どちらかといえばこれかも知れません。ただし私が本当に知りたいのは、「当時の日本の首脳たちが地理と戦略をどう考えていたか」という部分です。よろしくお願いします
Commented by 柴崎力栄 at 2010-07-03 18:14 x
奥山さん:

>>私が本当に知りたいのは、「当時の日本の首脳たちが地理と戦略をどう考えていたか」

作りかけの下のリストだと、(1)しかその点をかすっていない。通史・概説として『近代日本戦争史』第1~4編、同台経済懇話会、1995年、を読みながら、つぎに何を見るべきかを考えるのが最初にやってみる作業かも知れない。



【世界観、地理的条件】
(1)田中宏巳「東シナ海と対馬・沖縄」防衛大学校紀要 人文・社会科学編40、1980年。

(2)ロナルド・トビ『近世日本の国家形成と外交』創文社、1990年。
STATE AND DIPLOMACY IN EARLY MODERN JAPAN, Ronald P. Toby, Princeton Univ. Press, 1984

(3)園田英弘『西洋化の構造---黒船・武士・国家』思文閣出版、1993年。

(4)佐藤誠三郎,R.ディングマン編
『近代日本の対外態度』東京大学出版会、1974年。殊に巻頭の佐藤論文。

(5)千葉功『旧外交の形成---日本外交 1900~1919』勁草書房、2008年。

Commented by 柴崎力栄 at 2010-07-03 18:14 x
【世界交通線の変化】
(6)井上勇一『鉄道ゲージが変えた現代史---列車は国家権力を乗せて走る』中公新書992、1990年。

(7)曽田英夫『幻の時刻表』光文社新書190、2005年。

(8)原暉之『ウラジオストク物語--ロシアとアジアが交わる街』三省堂、1998年。

(9)ジョン・C・ペリー『西へ! アメリカ人の太平洋開拓史』PHP研究所、1998年。
FACING WEST: Americans and the Opening of the Pacific, John Curtis Perry, Praeger Publishers, USA, 1994

【電気通信】
(10)石原藤夫『国際通信の日本史 殖民地化改称への苦闘の九十九年』東海大学出版会、1999年。
Commented by 柴崎力栄 at 2010-07-03 18:34 x
【ランドパワー】
(11)宮崎正弘 内田良平研究会編著『シナ人とは何か 内田良平の『支那観』を読む』展転社、2009年。
254ページにつぎのような記述あり。
--------
内田の地政学の要素として国家の文明的性格による海洋国家・大陸国家のカテゴリー論がある。この概念は地政学の世界では.....マッキンダーがシーパワー、ランドパワーの名称でこの概念を提示したのは明治三十七(1904)年、王立地理学協会での「歴史の地理学的な回天軸」と題した講演に於てであったが、内田が『ロシア亡国論』で、日本は海洋国家、中国・ロシアは大陸国家というカテゴリーを示したのはその三年前(明治三十四年)である。当初内田は日本の属性を海洋国家としていたが、明治四十五年ドイツ地政学への親近感を示して後、内田は.......「大陸経営」のための....満蒙という考えを持つに至る。
--------

(12) 関岡英之『帝国陸軍 見果てぬ「防共回廊」---機密公電が明かす、戦前日本のユーラシア戦略』祥伝社、2010年3月。
Commented by 柴崎力栄 at 2010-07-03 19:01 x
【シーパワー】
(13)石原泰志『海軍国防思想史』原書房、1995年。

(14) 石原泰志『佐藤鐵太郎海軍中将伝』原書房、2000年。

(15)高橋文雄「「明治三十三年艦團部将校作業書」と日露戦争---マハン流地政学的戦略眼の影響を中心にして」、軍事史学会編『日露戦争(一)--国際的文脈』錦正社、2004年、ISBN4-7646-0318-7、所収。

(16) 高橋文雄「明治40年帝国国防方針制定期の地政学的戦略眼---日本海軍はオレンジ・プランの原型を読み解けたか」防衛研究所紀要6-3、2004年。


(15) (16)はお薦め。
Commented by 柴崎力栄 at 2010-07-03 21:28 x
国立公文書館 アジア歴史資料センター(↑)を「島帝国」で検索していたら、明治37年05月06日「タイムスの日露戦争批評(二十)日露陸兵の優劣、ナポレオンとメハン、嶋帝国の大陸進撃、日本持久の策」というタイトルを見つけました。リファレンスコード「A03023683000」を検索窓に入れて検索すると直接表示されます。ロンドンタイムズがマハンを念頭に日露開戦から数カ月後の戦局を評していて、それを日本の読者も自然に受け入れている。「島帝国」「大陸帝国」という語彙が自明の前提となっていたことが判ります。

日露戦争中のロンドンタイムズの当該戦争に関する社説は、ほとんどすべて日本語に翻訳され、国内各新聞に転載されています。英語圏に向けて書く論文ではロンドンタイムズの社説という共通の素材を日本について書く時に基盤資料として使えるのではないでしょうか。

また、日清戦争では東京日日新聞を伊藤内閣系の新聞として、日露戦争では国民新聞を桂太郎と徳富蘇峰の特殊関係から準政府機関紙とみなすことが可能です。
Commented by 待兼右大臣 at 2010-07-03 23:40 x
私が思いついた文献は、大概、柴崎さんが挙げておられます。
特に、『近代日本戦争史』第1~4編

付け加えるとすれば、第二次世界大戦では「戦史叢書」、日清・日露戦争では「山県有朋」、「桂太郎」、「伊藤博文」等の伝記や本になっている書簡類(いわゆる「一次資料」)を読んだほうがよいかもしれません。

付け加えることがあるとすれば、「軍事史学」のバックナンバーから、それらしい論文(エッセイ)を見つけて、その論文の参考文献リストから探すという手かと思います。

その場合、キーワードでは
1 「主権線、利益線」
山県首相(当時)の1890年11月29日の第一帝国議会における一般演説

2 「満韓交換論」
日露戦争前、日本側が日露戦争回避のため、日露の勢力圏を確定しようとした試み

3 「北進南進論」
日露戦後、陸軍は満州での日露再決戦を目指し、海軍は日米決戦を目指したため、国防方針が事実上の分裂に陥った

というものが挙げられます。
Commented by sdi at 2010-07-04 00:29 x
柴崎、待兼両御大が書かれているので不勉強な私の出番なさげですが、あえて空気読まずに逝きます(笑)。古い本になります。1985年に公刊なので、最近、特に直近10年の研究成果はまったく反映されていませんので果たして奥山殿の要望に無当てはまる書籍かわかりません。入手するには、図書館か古書店を当たるしかない本です。
PHP研究所 近代日本と戦争
著者:長谷川慶太郎 近代戦史研究会
1巻 情報戦の敗北
2巻 国家戦略の分裂と錯誤 上 日露戦争-第一次大戦
3巻 国家戦略の分裂と錯誤 中 軍縮時代~支那事変
4巻 国家戦略の分裂と錯誤 下 支那事変-太平洋戦争
5巻 日本的組織原理の功罪
6巻 軍事技術の立遅れと不均衡
7巻 これからの世界と日本(この巻のみ、私は未読)
体系的に日本の国家戦略、軍政を背後の当時の社会情勢と絡めて分析したシリーズです。最近、学研の歴史群像からでている「決定版 太平洋戦争」シリーズもこれに近いかもしれませんが学術書扱いされていません。私としてはこのシリーズの5巻と6巻が特に貴重だと思っています。
一次資料としてなら戦史叢書の「大本営陸軍部 大東亜戦争開戦経緯(1)~(4)」が該当するかもしれません。
Commented by 待兼右大臣 at 2010-07-04 02:02 x
>>学研の歴史群像

そうなんですよねぇ~
学術書という縛りがなければ、その手の本が一番使い勝手が良いのですが。軍事戦略を扱った学術書となれば、戦後の日本社会の制約から数が限られますから。思わず

いかに学術書の体裁をとっていても、
それは形骸に過ぎない
あえて言おう「カス」であると

と某総帥閣下の言葉を借りたくなる気分です。
Commented by 柴崎力栄 at 2010-07-04 14:08 x
ジョージ・秋田さんが大山梓編『山県有朋意見書』(原書房、1966年)を抄訳していたと思ったのですが、本としてはこれであるようです。
George Akita,
Evaluating Evidence: A Positivist Approach to Reading Sources on Modern Japan,
University of Hawaii Press, May 2008,
ISBN 978-0824825607

ゴードン・M・バーガーさんが、陸奥宗光『蹇蹇録』を英訳し、東京大学出版会から上梓されています。
KENKENROKU: A DIPLOMATIC RECORD OF THE SINO-JAPANESE WAR, 1894-95,
Gordon Mark Berger, University of Tokyo Press, 1982

英訳された史料から引用することで、英語圏の読者に対して検証可能性を提供することができそうです。


Commented by 柴崎力栄 at 2010-07-04 14:46 x
英語圏のアカデミックな軍事史家が集まっているのは、H-War, Military History Network(↑)です。

同様に、日本研究者が集まっているのは、H-Japanです。2000人ほど参加者がいますので、奥山さんの質問に反応する人がいるかも知れません。
www.h-net.org/~japan/
Commented by nanashi at 2010-07-04 16:50 x
外務省革新派 (中公新書) [新書]
戸部 良一 (著)

今日本屋で見つけた

ミツバチの減少 携帯電話が影響?
http://www.cnn.co.jp/science/AIC201007010018.html

Commented by 柴崎力栄 at 2010-07-05 16:21 x
伊藤博文編『秘書類纂 兵政関係資料』(原書房、1978年復刻)収録「明治24年4月11日/有地海軍中将/海防意見書」は、日清戦争前に欧米の一国との戦争を想定し、必要な海軍戦力を見積もっている。石炭を自給できている時代の強みがわかります。日清戦争前に想定した戦争とそれに必要な海軍軍備、その背後の戦略環境(スエズ運河は戦艦が通れない、東アジアでの石炭産地は日本、中央アメリカの運河開通による通商路の変化の予想)。現代語訳 (↑)を自分のブログにアップしました。
Commented by その筋の人 at 2010-07-06 00:29 x
出来ましたら、もう少し具体的な人名を挙げていただけると助かります。
日本語の学術書となりますとすぐに思い浮かぶのは、海では「戦略論大系〈9〉佐藤鐵太郎」陸では「戦略論大系〈10〉石原莞爾」ぐらいですか。(いずれも芙蓉書房出版)
正直なところ防衛研究所に行くのが最もよい手段と思われます。
Commented by その筋の人 at 2010-07-06 00:40 x
日露戦争で追加の資料です。
沼田 多稼蔵 (著) 日露陸戦新史 (芙蓉軍事記録リバイバル)
この本は、お役に立つかどうか判りませんが・・・。
Commented by 柴崎力栄 at 2010-07-06 11:05 x
奥山さん:
エアパワーの時代となり、ウラジオストックから東京が爆撃できるようになって、日本の戦略環境が劇的に変化した云々を、どこかで兵頭二十八さんが語っていたか、書いていたと記憶しているのですが、出典を探し出せませんでした。あの方ならば、その手のことは整理されて頭に入っているはずなので、直接メールでお尋ねになったら如何でしょうか。
Commented by ぱんだ at 2010-07-08 22:45 x
太平洋戦争で、私が欧米で読まれている学術書として、つかえそうだとして、購入したのが、入江昭「太平洋戦争の起源」と、家永三朗「太平洋戦争」です。(タイトルは、うるおぼえです)。両方、ミアシャイマーの「大国政治の悲劇」の参考文献からです。ただ、奥山さんのもとめていらっしゃる地政学的関心にこたえられるかは、ちょっとわかりません。
Commented by ぱんだ at 2010-07-08 23:09 x
すいません。家永と入江は、英語で書かれたものでしたね。あれなんかどうでしょう。太平洋戦争と日露戦争に特化したものではありませんが。伊藤政乃助の「戦争史」は、日本語で書かれた、優秀な戦争史についての学術書です。
Commented by 待兼右大臣 at 2010-07-08 23:22 x
もしよろしければ、日本に帰られた際に、神田の古本屋街(オプションで秋葉原)を案内してもいいです。
Commented by 柴崎力栄 at 2010-07-09 10:24 x
靖国偕行文庫には、そっと行ってみる価値ありでしょう。

補遺。上で紹介したジョージ秋田さんの本は、現物を確認したら、奥山さんの目的とは筋が違いました。ここに紹介する内容ではなかった。取り消します。
Commented by masa_the_man at 2010-07-13 01:16
待兼さんへ

>もしよろしければ、日本に帰られた際に、神田の古本屋街(オプションで秋葉原)を案内してもいいです。

ああ、それはありがたいです。八月に入ってからぜひお願いしようかと。オフ会の時にぜひご相談させてください。コメントありがとうございました
by masa_the_man | 2010-07-03 09:42 | 日記 | Comments(26)