戦略についてのある論文:その10 |
戦略というのは起こった後にはいくらでも評価することができるが、それが選ばれる時には将来を見据えて判断されなければならないものだ。どのような戦略でも実行前に「戦略的に理にかなっている」と考えることができたり、もしくは後になってから「理にかなっていない」と判断されるものならば、そもそもはじめから戦略を考える意味がないとも言える。
批判①:運vs天才
戦略は幻想である。なぜならどのリスクが合理的であり、どの戦略が他のものと比べて正当化しにくいのかということをあらかじめ判断するのは現実的に不可能だからだ。それでも幻想が無くならないのは、人々が「過去の戦略の選択について知っていること」と、「戦略家が実践段階で戦略を試す前に知っておくべきもの」を混同してしまうからだ。あらゆる戦略というものは正当化できるし、戦略を決定しなければならない瞬間ではどのような理由付けの誤りも証明できないのだ。