戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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中国に起こりうるシナリオ(改訂版)

今日の甲州は朝から晴れていて、すでに気温もかなり高め。空気はそれほどスッキリしていない様子ですが。

さて、アメリカのある戦略家の書いた「将来に備えるべきシナリオ」のような本を読んでおりまして、そこで指摘された、「中国に起こりうる問題とその危機要素」のようなものをメモ代わりに記しておきます。

=====

●中国専門家には、中国そのものをタカ派としてみる「ドラゴン派」と、ハト派として見る「パンダ派」がある。

●北京政府にレジティマシーを与えているのは急速な経済成長だけ。毛沢東が尊敬されているのはとりあえず中国を統一性を保ったから。

●中国経済の拡大を止めてしまう要素は、「エネルギー」、「高齢化」、「経済成長の鈍化」

●人口の動態から見ると、中国の経済成長は2015年くらいから止まり始める

●「一人っ子政策」の影響はかなり大きい。人口の構成ではアメリカのほうがはるかにマシ。

●中国は十分にリッチになる前に経済成長が止まる。

●中国には年金システムがなく、老人が働きやすいサービス産業がまだ少なすぎる

●「一人っ子政策」のおかげで男性が増えすぎており、北京政府は彼らの不満を解消するために対外戦争などを起す可能性がある

●水問題はかなり深刻。とくに北部の干ばつはひどい。これによって経済成長もとまる。

●現在の中国軍の「学べき教訓」となっているのは、アメリカが戦った二つ湾岸戦争だ。

●具体的には、アメリカの精密爆撃の精度と衛星による情報網に驚かされている。しかし直接対峙する「対称戦」は無謀であることをよく理解している。

●これによって生まれたのが、「西洋のテクノロジーと東洋の智慧の混合」である。

●それには「奇襲」が大切で、そこで西側の情報ネットワークをまず破壊し、手出しできないように(もしくは手出しするコストが高いと見積もられるように)するのだ。

●これは「暗殺者の鎚矛」(Assassin's Mace)という言葉に集約される中国の「戦略文化」だ。この概念は1990年代後半から中国の軍事研究の文献でよく触れられるようになったもの。

●長年にわたる中国の軍事発展は二つの柱によって成り立っている。A2/ADと呼ばれる、「アクセス拒否戦略」である。

●具体的にいうと、中国は米軍の前線基地、とりわけ沖縄の嘉手納飛行場のような基地にアメリカのアクセスの拒否を狙っており、これを多数の弾道ミサイルや攻撃機などを配備することにより実現しようとしている。

●また、中国は二つのタイプの潜水艦(無音ディーゼル/攻撃型原潜)を配備することによってこの実現を狙っている。

●また、大きく見れば中国が「グローバル・コモンズ」に対して弱者の戦略である「拒否戦略」を使うことも懸念される。

●たとえばコモンズである「海」では、彼らは潜水艦の増強で「見えない脅威」を強調する傾向があり、孫子のように「戦わずにして勝つ」を上策としているようだ。また、真珠湾攻撃を相当研究しているようにも見える。

●また、宇宙でも「拒否戦略」は対衛星兵器や対衛星弾道ミサイル、それに衛星電波妨害システムなどの開発を急いでいる。

●そしてサイバースペースで上で行われている「戦争」がある。ハッカーなどによる攻撃は北京から来ていることはわかっているが、北京政府はもちろんこれに対する関与をかたくなに否定している。

●中国は内陸に重要な施設を移しており、戦略の懐(strategic depth)が深いことも懸念材料の一つだ。

●それでは想定される具体的なシナリオを見てみよう。

●まず第一段階で経済的な面で問題が起こり、そこで噴出してくる国民の怒りを、政府はとくに日米政府をはじめとする「周辺の対外勢力の浸透工作によるもの」と断定する。これが2017年である。

●その理由は、不公平な貿易均衡や、原油の高騰、台湾への中国本土への投資の禁止などを対外勢力がけしかけている、ということだ。

●ところが日米をはじめとする周辺国のリーダーたちは、このような工作を行っていることを必死に否定する。

●また実際のところ、中国の経済低下はアメリカ経済の鈍化による部分も大きいのだ。

●とにかく北京政府はさまざまな「強制措置」を発動することになり、この中でも特に「台湾に対する経済面での優遇」、「中国周辺の外国勢力の基地の閉鎖」、「(アメリカに対して)中東諸国の石油生産を上げる要求」をすることになる。

●そして台湾に対する要求が高まることをきっかけに、中国が色々な方面で軍事演習などを行って威嚇的な行動をとることになり、軍事関連施設も内陸のほうに移されることになる。

●そしてとうとう北京政府は台湾海峡に潜水艦を大量に航行させて、キューバ危機のような「海上封鎖」に乗り出すことになり、台湾側も驚くべきことに中国に組み込まれることを拒否するために、大規模な紛争へと発展する。

●そして日米は中国側の戦争も辞さない強力なネゴシエーションに太刀打ちできずに、海上封鎖を仕返すか、それとも戦争を行うのかで悩むことになる

======

ということでシナリオは終わりです。

この著者も言っておりますが、これを読む上で大事なのは、このようなシナリオを考えることでどこに問題点が出てきそうなのかを認識すること、ということです。

つまり予測の正確さよりも、そこであぶり出される問題点に注視せよ、ということですね
Commented by Maneko at 2010-05-06 11:49 x
>水問題はかなり深刻。とくに北部の干ばつはひどい。これによって経済成長もとまる。

工業化によって農業人口が減少する一方、増えた富により海外から食糧を調達することで人口増大を賄うのが近代国家の常道と邱永漢さんが述べておられました。その上で、ン十億人の食糧を外国から手当てできる見込みなどないため、中国では大規模農業化、治水、淡水化・浄水化事業および汚物処理に注力しているとのことでしたが、戦略家先生は否応なく破綻する、と見ているのでしょうかね?
Commented by Maneko at 2010-05-06 14:31 x
すみません、邱永漢さんの発言は、日本(および旧属領)を引き合いに出したもので、近代国家すべてというのは私の勘違いです。(米や仏など農産物輸出国があります)
Commented at 2010-05-06 15:34 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by oohira at 2010-05-06 18:14 x
中国は老人を大切にする事は無く、金をかけずにどんどん見殺しにして行くので困らないのでは?先進国側の常識は常に誤算の基と思います。文化大革命や天安門事件を思えば自国民にどうするか解るでしょう。
Commented by WIZARD03 at 2010-05-06 19:28 x
価値を決める基準は需給バランスであり、これは人命とて例外ではありません。
その意味で中国ほど人口の需給バランスが供給過多になっている国はありません。
要するに中国ほど人命が軽んじられる国はほかにないということです。
それにくらべ飲める水が極度に不足している以上、それで血の雨が降ることは確実です。
もし中国が分裂するとしたら「水」で分裂すると思います。
沿岸部が金の力で買い占めた水を内陸部が何人犠牲になろうとも力で奪い取ろうとする、という構図です。
日米ともに弱体化し北京の勢いは今は旺盛ですが、米から海洋覇権を奪い取れる前に水を巡って内戦が起こるかもしれないと私は思っています。
いや、起こって欲しいという私の希望的観測に過ぎないかもしれませんが。
Commented by YS at 2010-05-06 20:38 x
この戦略家の言っていることは既に常識となっているレベルのことでしかないのだけれど、
広く語られているゆえに、疑義を呈したい気にもなる
まず、人口ボーナス
この終焉が経済発展を阻害する、というのだけれど、
それは普通の統一国家には当てはまるにしても、シナに当てはまるかどうか
他の先進国が高齢化している中でアメが人口増加を続けることが出来るのは
周辺の低開発国からの移民によるのであるならば、
おなじ構図がシナにも当てはまるのではないか
シナという低開発世界の中にいくつかの高度成長国家群があるという構図
一人っ子政策は都市部では厳格であっても、農村部ではそうではないという
13億という人口も実は16億との話も聞く
シナ当局ですら正確には把握していない人口動態を元に人口ボーナスの終焉を論じるのは楽観的に過ぎないか
都市部の高齢化が進んでも、周辺未開世界から若年労働力を吸い寄せ、
不要となった高齢者を都市部から排出すれば、経済成長力を維持することは可能であるように思える
Commented by YS at 2010-05-06 20:38 x
地域格差は増大しても、不満、怨念を暴力に転化できる層は都市労働力として取り込めば良い
高齢者はただ消え去るのみ
彼らに反乱を起こして体制転覆を成す力など無い
若者が高齢者である親を支えようとすれば、ひたすらがむしゃらに働くしかない

水不足
これも長江の水を華北に引く南水北調プロジェクトが成功すれば緩和される

こう見ると、中期的には予想外に経済成長を続ける可能性も小さくないように思える
長期的には経済格差は阻害要因だろうが中期的には成長の原動力となるかもしれない
短期的にはバブル崩壊への対処如何か
シナが 紆余曲折はあれ、今後ン十年、持続的に成長するという、
日本にとっては最悪のシナリオも想定してそれに備えるべきだと思う
あるいは最良のシナリオ実現に向けて尽力するかだが、
日本政府は最悪のシナリオ実現に尽力しているように思える
Commented by waterloo at 2010-05-06 21:30 x
ミャンマー北部で女性誘拐急増 嫁不足の中国で売買 「産業化」懸念
ttp://sankei.jp.msn.com/world/china/100203/chn1002030834000-n1.htm

中国「嫁売り」ビジネス横行 ミャンマー北部で誘拐急増
ttp://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/china/353577/
Commented by at 2010-05-06 21:35 x
中国はバブルですぐに破綻すると言い続けて20年、
いっこうに破綻する気配は無く、むしろ日本の方が危ない。
そんな状況を考えると、中国破綻論を信じようという気にはあまりなれません。

ただ理由は破綻が原因ではないかもしれませんが、これはあると思います。
>北京政府は彼らの不満を解消するために対外戦争などを起す可能性がある
Commented by 大陸浪人 at 2010-05-06 21:38 x
中国水問題の本当の恐ろしさは、利用可能な水が激減していることです。たとえば江蘇省の淮河は全域が汚染されていると国内報道されています。旱魃でなくても、見える水が毒になっています。

たとえば長江の三峡ダムの上流には四川省と重慶市の人口をあわせて1億人以上が住んでおり、生活排水および工業排水が沈殿しています。中国政府は隠していますが、すでに死水になっています。日本とちがい集水域のひろい中国では、広大な下流域の土壌が汚水灌漑で全滅の危険があります。さらに地下水位の低下した華北に導水したら。。。おそろしいですね。中国政府の報道発表は基本的に穴だらけです。超強気ですが。海外では報道されてませんし、報道管制がかかっていますが、ことしの中国南部の旱魃は本当にひどく、北部の問題よりもむしろ深刻かとおもいます。

ところで、奥山さんどうやってくっておられますか?私は某所で記事をすこし書いておりますが、みんなが読んでくれる生の中国ネタでも原稿料は酒代にもならない感じです。生業のため執筆時間もままなりません。兵藤先生はネット乞食に開眼されました。ぜひがんばってください。
Commented by masa_the_man at 2010-05-06 22:27
Risako さんへ

>南の人たち(たとえば広東省)を抑えておくことができるのですか?

いや、それはむしろ抑えないようにさせる、というのも一つの手かも知れません(笑)コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2010-05-06 22:28
Manekoさんへ

>戦略家先生は否応なく破綻する、と見ているのでしょうかね?

とりあえずこの著者はそう見ているみたいですね。ただしこれは「予測」ではなくて、あくまでも「心の準備」的な部分はあるかと。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2010-05-06 22:30
Risako さんへ

>強く戦えるのかな?

それはそうなんですが、そこを強引にやるかも知れない、ということを想定しておけということなんでしょうね。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2010-05-06 22:30
oohiraさんへ

>先進国側の常識は常に誤算の基と思います。文化大革命や天安門事件を思えば自国民にどうするか解るでしょう。

これですね。そこで「戦略文化」の研究が大切になってくるわけです。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2010-05-06 22:33
WIZARD03さんへ

>要するに中国ほど人命が軽んじられる国はほかにないということです

激しく同意。

>もし中国が分裂するとしたら「水」で分裂すると思います。

というか、これをクラウゼヴィッツ的にいうと、水争いに端を発した政治で分裂する、ということでしょうか。

>米から海洋覇権を奪い取れる前に水を巡って内戦が起こるかもしれないと私は思っています。

内戦の確率は大きいですね。いずれにせよ、このままだとどこかで一気に問題が出てきます。そのタイミングが恐ろしい。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2010-05-06 22:37
YS さんへ

>おなじ構図がシナにも当てはまるのではないか

なるほど。

>不要となった高齢者を都市部から排出すれば、経済成長力を維持することは可能

その代わりに社会問題は大きくなりそうですが・・・

>華北に引く南水北調プロジェクトが成功すれば緩和

これはどうなんですかねぇ。そもそも水の絶対量が不足しているような。

>日本にとっては最悪のシナリオも想定してそれに備えるべき

それはまったくその通りですね。

>日本政府は最悪のシナリオ実現に尽力しているように思える

それを無意識にやっているというところがマズいわけで。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2010-05-06 22:37
waterloo さんへ

>ミャンマー北部で女性誘拐急増 嫁不足の中国で売買

なんでもビジネスですなぁ(苦笑)コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2010-05-06 22:39
派 さんへ

>そんな状況を考えると、中国破綻論を信じようという気にはあまりなれません。

ただし本当に破裂したときはとことんスゴそうですが(苦笑

>対外戦争などを起す可能性がある

まあ衝突するでしょうね。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2010-05-06 22:42
大陸浪人 さんへ

>中国水問題の本当の恐ろしさは、利用可能な水が激減していること

なるほど

>江蘇省の淮河は全域が汚染されていると国内報道されています。旱魃でなくても、見える水が毒になっています。

キツイですなぁ〜。

>集水域のひろい中国では、広大な下流域の土壌が汚水灌漑で全滅の危険

というか、もうほとんどそんな状況ですよね?

>超強気ですが。海外では報道されてません

ここがコワいんですよね。実態がバレた時には手が付けられない状況になっている、と。

>ことしの中国南部の旱魃は本当にひどく、北部の問題よりもむしろ深刻かと

これは知りませんでした。

>どうやってくっておられますか?

おかげさまでけっこう小さな講演を頼まれておりまして、それでけっこうしのいでおります。地政学だけでなくて戦略論や横綱論もありますので、そっちが大きいですね。コメントありがとうございました
Commented by Oink at 2010-05-06 22:48 x
>中国専門家には、中国そのものをタカ派としてみる「ドラゴン派」と、ハト派として見る「パンダ派」がある。

あまりこういう分類の仕方に意味があるようには思えないのです。日本の「ハト山」総理みたいに、生まれが良く、お金があっても、空想的で理想主義的な政治家が生き残れるとは思えない。
徹底的にリアリストでテクノラートでないと逆に怖すぎます。

>「一人っ子政策」のおかげで男性が増えすぎており、
3000万人から4000万人。これも怖いんですけど、農業が致命的な問題(水・環境・生産性・食生活の西欧化・農村の高齢化や限界集落化)漁獲資源の減少や家畜を介した未知の病気等も。

新聞で、次の総理大臣になって欲しい政治家トップの
舛添要一議員が「いや共産主義じゃなくとも、100万人ぐらい殺せる大政治家じゃないとどこの国でもダメだってこと」

自国民を100万人、殺せる大政治家でも、国内、対外的に
得られるものが無いと大変まずい状況になるのは、
古今東西変わらないと思うのですけどね。
2位が前原大臣って、本当にどうなっているんでしょうね。orz

中国政府も、下手にメディアとか大衆に引きずられると危なくなりそう。
Commented by Oink at 2010-05-06 22:53 x
>●たとえばコモンズである「海」では、彼らは潜水艦の増強で「見えない脅威」を強調する傾向があり、孫子のように「戦わずにして勝つ」を上策としているようだ。また、真珠湾攻撃を相当研究しているようにも見える。

近衛内閣の時、作られた日本の「総力戦研究所」って知名度が
無いんですね。

>●また、宇宙でも「拒否戦略」は対衛星兵器や対衛星弾道ミサイル、それに衛星電波妨害システムなどの開発を急いでいる。

北朝鮮に核を持たせても、日本に持たせないのはやっぱり
歴史的な恐怖とか教訓からでしょうか?
戦略論的には、中国は、日本をアメリカに対する防壁として使いたいだろうな。
Commented by sdi at 2010-05-07 01:25 x
今後の中共経済で問題と思われるのが淡水です。
・長江は三峡ダムができて水量が減ったためか汚染物質の濃度があがっている。
・取水してフィルターを3重にしても工業用水としての基準を満たさなくなってきている。(藤井厳喜氏談)
近代工業には大量の水が必須です。工業地帯の多くが河川もしくは淡水湖の近辺にあります。冷却だけなら海水でも可能ですが、洗浄等には大量の淡水が必須です。
ちなみに、中共のバブルなら既に一度崩壊しています。上海の株式市場ですが2007年10月16日の6124ポイントから、2008年9月2日に2300ポイントと60%以上も下げています。このときの急降下ぶりは日本のバブル崩壊を上回る角度です。同時期にや福田首相の辞任とか色々あったため日本のマスコミはそんなに報道しなかったかもしれません。北京政府が実施した巨額の公共投資と「指導下」の金融機関への融資ノルマ達成指令により、不動産と株式市場に再び膨大な投機資金が流入しました。再度のバブル崩壊という危険と背中合わせですが、これはこれで正しい対策かもしれません。
Commented by sdi at 2010-05-07 02:03 x
短期的にはバブル崩壊リスクと格差社会、長期的には人口の年齢別構成の歪みが中共にとって経済上の問題でしょう。ただ、後者については新興諸国がいずれ直面する問題ですが。ロシアは既に人口が下り坂です。韓国は10年以内に、中国は30年そこそこで高齢化社会に突入します。台湾も韓国より多少ましなくらいです。
国内の行き詰まりと矛盾からの逃避として対外強硬策に出る、というのは確かに十分ありえるシナリオです。イラクもクウェート侵攻もイラン・イラク戦争による国内の疲弊と敗戦責任からの逃避が原因の一つです。
問題はそれが何時起きるか、その時日米なにより台湾が対決しようとする意思を持っているかですね。
Commented by elmoiy at 2010-05-07 09:50 x
>また実際のところ、中国の経済低下はアメリカ経済の鈍化による部分も大きいのだ。

中国も日本同様、「内需の拡大が必要だ」とかなり以前からいわれているのですが、問題は一般の中国人が政府や役人を信用しておらず、さらに社会補償制度が整備されていないので、将来への不安から貯蓄に走っていることです。

1930年代、世界恐慌の余波を受けて中国の投資ブームは破綻し、1940年代のハイパーインフレはワイマール共和国並みになりましたが、かつてのように軍閥と内乱で分裂するのか、それとも強力な独裁者が出現して民衆の不満を外へ向けるのか。

>中国水問題の本当の恐ろしさは、利用可能な水が激減していること

経済問題・環境問題の悪化に絶望して、妙な終末思想がかった新興宗教が出てくるかも。日本でもバブル崩壊に、オウム真理教のようなカルト集団が出現したくらいですから。
Commented by hugh at 2010-05-07 15:41 x
ところでこの方は普天間を閉鎖しても中国は日本を攻撃しないだろうし、もし攻撃すれば中国にとって悲劇的な結果をもたらすだろうと言っています。北朝鮮もそんな自殺行為はしないと。基地を維持したいのもアメリカ軍部の派閥争いと軍需産業への利益があるからだと。奥山さんはどう思われますか?

元CIA顧問の大物政治学者が緊急提言 「米軍に普天間基地の代替施設は必要ない! 日本は結束して無条件の閉鎖を求めよ」 独占インタビュー チャルマーズ・ジョンソン 日本政策研究所(JPRI)所長|DOL特別レポート|ダイヤモンド・オンライン
ttp://diamond.jp/articles/-/8060
Commented by ks at 2010-05-07 18:42 x
チャルマーズ・ジョンソンは、
2004年時点(帝国アメリカと日本)で、
「中国は、アメリカがそうすべきだと唱えてきた資本の自由という考え方の、まさにその通りの形に変身しつつある。
現在の中国の外交政策の焦点は経済の発展である―米軍は余計な手出しをせず、ただ中国がそこに専念できるようにしさえすればいい。」と書いてましたが、
2010年時点でこの分析はあたってるのですかね。

このブログの中国関連取り上げられている戦略家達なら、分析は外れてるし、ジョンソンは非現実的(リアリストでない)と、言いそう。

あと、独占インタビュー読んでも、中国の累積戦略が効いてるな、と解釈しそう。
Commented by masa_the_man at 2010-05-08 18:45
Oink さんへ

>こういう分類の仕方に意味があるようには思えないのです

しかしアメリカ人向けにはけっこう重要かと。

>徹底的にリアリストでテクノラートでないと逆に怖すぎます。

地獄への道は善意で敷き詰められている、ですからね。

>共産主義じゃなくとも、100万人ぐらい殺せる大政治家じゃないとどこの国でもダメだってこと

一理ありますね。あまり公的には賛成したくないですが(苦笑

>中国政府も、下手にメディアとか大衆に引きずられると危なくなりそう

ここが一番弱いのかもしれません。

>北朝鮮に核を持たせても、日本に持たせないのはやっぱり歴史的な恐怖とか教訓からでしょうか?

基本的に「コントロールができない」というのが一番大きいかと。

>戦略論的には、中国は、日本をアメリカに対する防壁として使いたい

これが「バック・パッシング」ですね。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2010-05-08 18:48
sdi さんへ

>今後の中共経済で問題と思われるのが淡水です。

なるほど。

>近代工業には大量の水が必須です。工業地帯の多くが河川もしくは淡水湖の近辺

たしかに。

>中共のバブルなら既に一度崩壊しています

ああ、そういえばそうですな。

>再度のバブル崩壊という危険と背中合わせですが、これはこれで正しい対策

大胆であることは重要ですな。

>問題はそれが何時起きるか、その時日米なにより台湾が対決しようとする意思を持っているかですね。

この一点ですね。彼らが彼ら自身をコントロールできないというのが一番コワいわけで。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2010-05-08 18:50
elmoiyさんへ

>かつてのように軍閥と内乱で分裂するのか

わたしはどちらかといえばこっちの可能性が高いように思います。

>妙な終末思想がかった新興宗教が出てくるかも

そういえば中国の歴史でも帝国末期には同じ現象が(苦笑

>日本でもバブル崩壊に、オウム真理教のようなカルト集団

たしかにそうですなぁ。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2010-05-08 18:52
hugh さんへ

>ところでこの方は普天間を閉鎖しても中国は日本を攻撃しないだろうし、もし攻撃すれば中国にとって悲劇的な結果をもたらすだろう

なるほど。これについては私も最新刊で少し触れました。

>基地を維持したいのもアメリカ軍部の派閥争いと軍需産業への利益があるから

一部あると思います。ただし「それが全てだ」とは言えないと思いますが。

>チャルマーズ・ジョンソン

でましたね(苦笑)コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2010-05-08 18:54
ks さんへ

>2010年時点でこの分析はあたってるのですかね。

どうなんでしょうかねぇ。経済発展をしていることは当たってますが。

>戦略家達なら、分析は外れてるし、ジョンソンは非現実的(リアリストでない)と、言いそう。

それでも「パワー」というところに注目しているところは似てそうな。

>中国の累積戦略が効いてるな、と解釈しそう。

累積戦略ですね。これからかなり注目される概念かと。コメントありがとうございました
Commented by nanashi at 2010-05-08 22:44 x
欧米諸国から見れば、理想の中国は、海沿いに数カ国と内陸に2~3カ国に分かれて、エチオピアとその周辺国やサウジアラビアと湾岸諸国のような国境割りになっている状態でしょう。
何百年か掛けて粘り強くそういう状態に持っていくと思います
オランダ語とドイツ語は非常に近くて低地ドイツ語の分類だそうです。
ポルトガル語もスペイン語と近くて、日本にいるブラジル人とペルー人は意思疎通ができる。
中国人だって分裂する可能性は十分にある。
歴史的に見ても、中国人は簡単に分裂しやすい民族性がある。
広州と上海は潜在的な湾岸諸国です。
Commented by masa_the_man at 2010-05-10 21:54
nanashi さんへ

>欧米諸国から見れば、理想の中国は、海沿いに数カ国と内陸に2~3カ国に分かれて、エチオピアとその周辺国やサウジアラビアと湾岸諸国のような国境割りになっている状態

でしょうなぁ

>歴史的に見ても、中国人は簡単に分裂しやすい民族性がある。

ありますね。コメントありがとうございました。
by masa_the_man | 2010-05-06 09:44 | 日記 | Comments(33)