戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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判断力のつけかた:補足&修正版

今日のイギリス南部はけっこうスッキリ晴れまして、気温も久しぶりに2ケタにあがり、とても過ごしやすい一日でした。

来週から日本ですので、ちょっとひさしぶりにイギリスっぽいものを食べておこうかと思いまして、町のパイ屋さん(しかも名前がスウィーニー&ドット)でステーキ&マッシュルーム入りのパイを買ってきました。これをあとで夕食に食べてみるつもりです

さて、判断力のつけかたについての「学派」なんですが、コメント欄でshahilさんにいただいたご意見がなかなかよかったので、ここに提案しておきます。

個人的にはこの「形式知」とか「個人知」いう言葉をもうちょっとわかりやすいもので表現できればいいと思っているんですが・・・・どなたか良い案ないですかね?


1:「経験至上主義学派」=「形式知」+「個人知」
2:「経験則/伝承学派」=「暗黙知」+「集団知」
3:「歴史学派」=「形式知」+「集団知」
4:「精神学派」=「暗黙知」+「個人知」

これをまた簡単に解説しますと、1の学派の人は「最高の判断をするには、自分の身体で会得した経験的な知識を使えばいい」というアドバイスをする人たちです。その経験も原因と結果がわかるようなものが多いですな。

サッカーなどでたとえると、「彼は国際試合の経験が豊富ですから、その経験を活かせると思います」みたいな解説者の発言にみられますね。もちろん大舞台の経験が多いからと言って、必ずしもいいプレーができるとは限らないというツッコミも忘れてはいけませんが(笑

2の学派は「ことわざ」とか「格言」になりまして、これは「原因と結果はわかりにくいが、とにかくそうするといいらしい」という風に、ある文化や民族、国家の中に伝統的に共有されているものかと。

わかりやすいのは、「ハチに刺されたらしょんべんひっかけろ」みたいなものですか(笑

3の学派は本などに書かれた歴史の知識から判断力を獲得しようというもので、基本的に原因と結果がハッキリしていて、情報も公開されたものばかりで一般的に共有されているものであります。

いわゆる「歴史に学べ」系はほとんどがこれで、学者というのもだいたいこれです。科学的な判断というのもここに入りますね。

4の学派は完全にスピリチャルな学派でして、巫女さんかチャネラーのような「神」または「宇宙人」のような存在を介して最高の判断をあおごうという考えをもちます。

しかし最大の問題は、その判断が本当に正しいのかどうか誰にもわからないということでありまして、それが権力をもっている特定の人間に信じられてしまうと、なかなかやっかいなことにもつながりかねない危険性がある、ということですね。
Commented by sussman at 2010-02-28 15:03 x
4の精神学派について、個人知+暗黙知という事ならば意味付けを少し変えて職人的勘のようなものまで含めても良いんじゃないでしょうか(例えば以前お書きになっていた長嶋茂雄氏のスイング論の類)。この派の託宣は相当咀嚼しないと意味を成さないと周りのほうが弁えていれば、また当の個人が知の蓄積の仕方を間違えなければ強力なツールにもなりうる気がします。(これらを間違えた人達がカルトと呼ばれるのかも?
Commented by ぱんだ at 2010-02-28 22:43 x
ステーキとマッシュルームのパイって、どんな感じでしたか。うまそうですね。さて、新刊早速読みました。わかりやすく、面白い本に仕上げるのは、奥山さんの得意技ですね。地政学の基本について、再確認しました。私もリアリズムを勉強している身として、奥山さんの本を読んで、リアリズムっていうのは、国家にとって、とっても重大なんだなって、改めて思いました。
Commented by ぱんだ at 2010-02-28 22:54 x
ところで、今、戦略文化について、勉強しているんですけど、最近の文献で、軍事オリエンタリズム以外にもおすすめあったら、おしえてもらえませんか。
Commented by 中川信博 at 2010-03-01 14:14 x
マイケル・ポランニーの「Tacit Knowing」の訳語として野中郁次郎先生が一般に認知させた「暗黙知」。これを何度プレゼンで使ったことか。JSOX法施行における会社業務の見える化とか暗黙知の形式知化による情報共有と伝達、継承とかです。売り込むためには意思決定者が知っている議論や用語を使うだけ使う詐欺師みたいなものです私たちは…。

経営学者の石井淳蔵氏は「野中教授等がTacit knowingとTacit knowledgeを混同させている」としています。つまり暗黒知(Tacit knowledge)と知の暗黙の次元(Tacit knowing)の明確に使い分けしていないと。

また松岡正剛の千夜千冊のマイケル・ポランニーの「暗黙知の次元」の書評で暗に野中教授等「経緯学者の誤謬」を指摘しています。暗黙知は職人技のような経験則で意識下にある知識ではなく、科学的な発見や創造的な仕事に作用した知のことで、ある時点で創発された知であるとしています。

そこからかんがえますと2.の暗黙知+集団知というのが若干ニアンスが異なるのではないでしょうか。経験則とか伝承は科学的創造に作用したとはいえないでしょうから。
Commented by masa_the_man at 2010-03-02 05:22
sussman さんへ

>職人的勘のようなものまで含めても良いんじゃないでしょうか

ああ、なるほど。

>当の個人が知の蓄積の仕方を間違えなければ強力なツールにもなりうる

イチローは少なくともインタビューなんかでこの感覚を口で説明しようとしてますよね。長嶋は完全にできませんでしたが(苦笑

>これらを間違えた人達がカルトと呼ばれるのかも?

あるでしょうなぁ。「口下手」という意外な共通項が(笑)コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2010-03-02 05:25
ぱんださんへ

>ステーキとマッシュルームのパイって、どんな感じでしたか。

うまかったです。こんど写真を載せておきます。

>地政学の基本について、再確認しました

ありがとうございます。

>今、戦略文化について、勉強しているんですけど、

なんと、ネオリアリズムの天敵である戦略文化を?!

>最近の文献で、軍事オリエンタリズム以外にもおすすめあったら、おしえてもらえませんか。

あります。一番良いのは私のコースメイトの論文なんですがまだ出版されていないので(苦笑)とりあえずおすすめはNeorealism Versus Strategic Cultureというやつです。ちょっと高いのが難点ですが。他にもありますので今度会った時にお教えします。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2010-03-02 05:28
中川さんへ

>つまり暗黒知(Tacit knowledge)と知の暗黙の次元(Tacit knowing)の明確に使い分けしていないと。

これは知りませんでした。

>暗黙知は職人技のような経験則で意識下にある知識ではなく、科学的な発見や創造的な仕事に作用した知のこと

インスピレーション的なものですな。

>そこからかんがえますと2.の暗黙知+集団知というのが若干ニアンスが異なる

ああ、なるほど。

>経験則とか伝承は科学的創造に作用したとはいえないでしょうから。

そうなるとまた修正が必要になってきますねぇ。コメントありがとうございました
Commented by sirimonkon at 2010-03-02 08:47 x
>Neorealism Versus Strategic Culture

この本で、日本はどのように議論されていましたか?お教えいただけると幸いです。
Commented by nanashi at 2010-03-02 08:57 x
リアリズムというのは、力の均衡を探る物理学的発想で、戦略文化論は生態学生物学的発想のように見えます。
両者の違いは、時間と構造の扱いに相違があるのだと思います。
リアリズムの最後は、均衡と構造破壊と熱的な死。戦略文化の最後は、繰り返される構造の遷移とそれに掛かる時間の緩急。
もしそうだとすると、私は戦略文化論者ですね。しかし、生態学的に現在はアングロサクソンが主要な戦略文化の国ですから、リアリズムが優勢だと思います。
Commented by nanashi at 2010-03-02 11:00 x
現在2chで起きている障害は、
以前に、民主党への批判が高まると無意味な連投が繰り返されて、特定のプロバイダーが巻き添えの規制を受けるという現象を指摘しましたが、
それと同じ攻撃を受けていると思います。
サーバは防御機能を持っていて、攻撃を受けると相手を規制しますが、もし、日本の主要なプロバイダー全てから攻撃を受けると、2chのサーバーは全てのプロバイダーを拒否します。
これを自動プログラムで行っているとIPアドレスの特定もできませんから
サーバー側の対応は難しいと思います。
今回の件は、韓国側に主催者がいるそうですから、訴訟等を起こして、攻撃のコストを引き上げるしか対応はないと思います
Commented by ぱんだ at 2010-03-02 14:28 x
奥山さまへ
 ぜひ、よろしくお願いします!Neorealism versus strateagic Culutureは、読みましたが、事例が、メインでした。理論は、要約的な感じでした。奥山さんのご友人の本早く発売されてほしいです。
Commented by 園太暦 at 2010-03-02 20:11 x
nanashiさん>
詳細なコメント感謝いたします。
地政学という観点からの研究は、日本の大戦略を策定して行く上で極めて重要、今後ともmas the manさん、皆さまとともに勉学して参りたいと思います。一方、このような、サイバー攻撃、21世紀の新型武器についても日本人として十分な理解を深めて参りたいと存じます。今、日露戦争について改めて読書中であり、別宮暖朗著 「「坂の上の雲」では分からない日露戦争陸戦」を通じて、日本人の大和魂について想いを新たにしております。
Commented by 園太暦 at 2010-03-02 20:15 x
別途レポートしたいと思いますが、同著の別宮氏のあとがき226頁から、「日本軍兵士は、世界のどの列強の軍隊と比較しても長距離の行軍に耐え、いかなる粗食にも甘んじ、数倍する敵に直面しても後ろを見せなかった。戦場にいた指揮官も、参謀本部あるいは総司令部の実際を見ない、独りよがりの作戦計画を、現場の実情に合わせて修正、また独断専行し、自ら戦機をつかみ、全軍を勝利に導いた」と。
Commented by 園太暦 at 2010-03-02 20:20 x
現代日本人は、偉大な先人の足跡を詳細に研究することもなく、東京裁判の検察側主張、判決をうのみにし、自力で独立を勝ち取ったわけでもなくそれにタダのりしている朝鮮人、相変わらずの中華思想のシナ人、という明治維新来、日清・日露・日支・大東亜の大戦を通じて、日本を悩ませ続けてきた二つの「アジアの迷惑」と今も直面しています。サイバー攻撃と言えば、Google問題で仕掛けてきたシナを思い出しますが、それをそのまま使ってきた韓国、相変わらずの事大主義、シナの属国ですな。
Commented by 園太暦 at 2010-03-02 23:52 x
nanashiさん案の通りに動いてるみたいです、2ちゃんねるに対する韓国のサイバー攻撃に対して。なるほど、サーバーには2ちゃんねるだけでなく他サイトのもある。よりによってこれが米系。がつんと損害賠償訴訟に出ると。こう言う時には日本、2ちゃんねるだとやや公共性低い気はしますが、猛攻に出ないといけません。やられたらやりかえす、しかも法・国際法にのっとって粛々と。無法者はお宅ですよ、韓国さんと。これが平時も有事も一番後々効きます、悪の論理の世界でも。ソ連の旧日本兵シベリア抑留は、厳密に言うと国際法違反でないと、詳細な分析を加えていたのは色摩力夫氏でした。
by masa_the_man | 2010-02-28 03:45 | 日記 | Comments(15)