戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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ブレvsミア:まとめ

 
アメリカが立ちはだかっている――ブレジンスキーの反論

中国はどうすればアメリカを東アジアから追い出すことができるのだろうか?より的確に言えば、中国はどうすればアメリカを日本から追い出すことができるのだろうか?そしてアメリカが日本から追い出されたり、自ら出て行くようなことになれば、日本はどうするのだろうか?日本はかなりの軍事力を持っているし、その気になれば数ヶ月以内に核による抑止力を持つことができるだろう。率直に言えば、私は中国がアメリカをアジアから追い出すことはできないと考えている。また、いくら中国がアメリカをアジアから追い出すことに成功したとしても、その結果として発生する「強力で、ナショナリズムにあふれ、核武装した日本」という現実は、中国にとって耐え難いものであろう。

もちろん台湾をめぐっての緊張関係は、戦略面で最も大きな危険性をはらんでいる。しかし中国政府で軍事計画を練る全ての人々が考えなければならないのは、たとえ中国が台湾を征服することができても、その際にはアメリカが紛争に介入する、ということだ。このような見込みがあるために、中国はアメリカがアジアの地図上に存在し続ける限り、台湾侵攻という軍事作戦を考えることさえできないのだ。そしてアメリカはこれからも相当長い期間にわたってアジアの地図上に残ることになるはずだ。

バラ色の未来はありえない――ミアシャイマーの反論

 もし中国人が利口ならば、今日の彼らは台湾をめぐってアメリカに戦争を仕掛けることはないだろう。なぜなら今はその時期ではないからだ。彼らが現在やらなければならないのは、自国の経済をアメリカより大きくなるまで発展させることに集中することだ。そうすれば彼らは自国の経済力を軍事力に移行させることができるのであり、自分の地域周辺の国々との関係を自由に決定し、アメリカ対して様々な問題を押しつけることができるような状況を作ることができるのだ。

 中国の視点から考えてみれば、自分たちがアジアを支配し、ブラジルやアルゼンチンやメキシコが大国になり、そしてアメリカが地元の地域のことにかかりきりになる、という状態が理想的であろう。現在アメリカにとって非常に有利なのは、西半球においてアメリカの生き残りや国家の安全保障に脅威を与える国がいないことである。だからこそアメリカは他人の裏庭で問題を起こしながら、自由に世界を歩き回ることができるのだ。中国を含むアメリカ以外の国々にとっては、アメリカの裏庭でトラブルを起こし、アメリカがそれにかかりっきりになるのは国益にかなうことなのだ。このように、私が描く世界の未来像は決してバラ色ではない。私はできれば将来についてもっと楽観的な話をしたいところなのだが、とにかく国際政治というのは不快で危険きわまりないビジネスなのだ。どんなにたくさんの善意があろうとも、アジアに野望を持った覇権国が登場することによって行われる激しい安全保障競争を改善することはできないだろう。
Commented by Oink at 2009-12-10 23:55 x
在日米軍が撤退すると日本が核武装して対外的に攻撃的なナショナリストになるというシナリオは、いまだに米国や中国の人々に対して
説得力を持つものなんでしょうか?
10日ほど前に、中国人が脅威に考えることのアンケート結果の
2位に日本の核武装が含まれていたんですが。汗

日本に、米国の抜けた勢力圏を埋めるガッツやパワー、現実的な構想は
ないと思えるのですけど。

「米国を駆逐した結果、日本はほとんど半世紀にわたって朝鮮および台湾方面で米国が直面しかつ担ってきた問題と責任を引き継いだ」とは
ならずに、米中ビルの谷間のラーメン屋あたりで生き延びるのかと
思いますけど。
Commented by aliquis at 2009-12-10 23:58 x
結局のところ、日本っていろいろ誤解されてるんだなぁってのがよく解りますね…。
政治指導者に能力があるなら、そういう誤解すらも利用して外交を上手に進められるんでしょうけど。
Commented by at 2009-12-11 02:22 x
誤解というより、敵というのは自分にとって必ず勝てる相手で、
なおかつ強そうに感じる相手の方が都合が良いのではないですか?
中国がアメリカと戦争すれば確実に負けますので、敵対せずにうまく付き合う。
ロシアも同じく。
しかし日本は軍事的に脅威ではない、対地攻撃力もなく、核兵器もなく、空母も無い、弾道ミサイルも巡航ミサイルもありません。
しかし日本を叩くことである種の国粋主義的高揚感を得られます。
実際には弱いやつを、悪者に仕立てて叩く、それが国際政治じゃないでしょうか?
本当に強い相手とは戦わないでしょ?たとえば核武装している国とは。
Commented by nanashi at 2009-12-11 06:51 x
日米戦争が間違いのもとであり、結局、米国はアジアから撤退するだろう。
さらに悪いことには日本をスポイルしてしまったことで、アジアの勢力均衡すら維持できないだろう。
日本が気をつけなければならないのは、日米同盟の逆は、東アジア共同体や日中同盟ではなく、武装中立だということだ。米中露の力の均衡の中にすっぽりと嵌り込むことだ。
ロシアと米国は遠方からアジアにちょっかいをだしている国で、一貫性がないということ。日米同盟に亀裂が入ったときにロシアの誘いや恫喝が必ずある。核武装をするには、その機会を利用することだ。
状態が遷移するときに様々なことが起きる。その力を利用して、目指す場所に一気に進むべきだ。
Commented by masa_the_man at 2009-12-11 08:53
Oink さんへ

>いまだに米国や中国の人々に対して説得力を持つものなんでしょうか?

持つものですね、いや、ホント(笑

>2位に日本の核武装が含まれていたんですが。汗

あー、それです。

>ガッツやパワー、現実的な構想はないと思えるのですけど。

ただし「いざとなったらわからない」ということなんでしょうね。私もイザとなったらわからないと薄々考えてますが(笑

>米中ビルの谷間のラーメン屋あたりで生き延びるのかと思いますけど。

こればっかりはどうなるかわかりません。私はもっと浸透が進んで大変なことになると思っておりますが・・・コメントありがとうござました
Commented by masa_the_man at 2009-12-11 08:54
aliquisさんへ

>結局のところ、日本っていろいろ誤解されてるんだなぁってのがよく解りますね…。

たしかに(笑

>政治指導者に能力があるなら、そういう誤解すらも利用して外交を上手に進められるんでしょうけど。

逆にそれを利用している、と誤解されている部分もあると思いますよ。先日の防衛大臣の発言なんかがその良い例です。もちろんこれも誤解されているわけですが(苦笑)コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2009-12-11 08:56
派 さんへ

>強そうに感じる相手の方が都合が良い

これはありますね。

>日本を叩くことである種の国粋主義的高揚感を得られます。

残念ですが、まさにその通り。

>実際には弱いやつを、悪者に仕立てて叩く、それが国際政治じゃないでしょうか?

反撃してこないやつを叩く、と言ったほうがいいですね。

>本当に強い相手とは戦わないでしょ?たとえば核武装している国とは。

そういう意味ではイランは良い方向に行っているかも?!コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2009-12-11 08:59
nanashi さんへ

>日米戦争が間違いのもとであり、結局、米国はアジアから撤退するだろう。

nanashiさん節ですね(笑

>日米同盟の逆は、東アジア共同体や日中同盟ではなく、武装中立

しかし確実に中国の衛星国化を狙っている人々もおりますね。

>米中露の力の均衡の中にすっぽりと嵌り込むことだ。

これは韓国のコースメイトと同じような意見ですなぁ。

>日米同盟に亀裂が入ったときにロシアの誘いや恫喝が必ずある。核武装をするには、その機会を利用することだ。

北朝鮮と似たようなロジックです。

>状態が遷移するときに様々なことが起きる。その力を利用して、目指す場所に一気に進むべきだ。

これ事態は悪いアイディアではないですね。ただし一気に進むことが別の影響も及ぼすということも考えなければ。コメントありがとうございました
Commented by 愚人 at 2009-12-13 21:20 x
ひ弱ゆえ米国に対して従順な日本が、冷戦中でさえ親近感を覚えていた中国に何故牙を向くと考えるのでしょうか?(ブレジンスキー氏は以前から日本を「ひ弱な花」と表現していましたよね?)
覇権が米国から中国へ移れば、日本は中国に従順となるでしょう・・・というか、既になりつつありますよね?
中国の覇権と米国の衰退が明らかになれば、日本は躊躇なく米軍を日本から追い出し、中国に軍港を提供することになりそうです。
個人的には大変残念ですが・・・現状を観察するに、そのような流れのようです。

ブレジンスキー氏も高齢ゆえにボケたのか、中国のトラップに嵌って擁護せざるを得ないのか、何らかの利害関係があるのか・・・
Commented by もするさ at 2009-12-13 21:38 x
愚人さんへ
自分が思うに小泉政権時代の「防衛力の質的変化による強化」「国防意識の高まり」の傾向が続き、そのまま不可逆な傾向であるとブレジンスキーが勘違いされているという可能性があります。

あれが(本当はそうも思いたくないのが私の本心ですが)「世界的極右ブームに便乗したほんの一瞬のあだ花」であったことは今や隠すまでも無い事実ですが、現実認識の更新が何らかの理由で遅れて居るんだと思います。
Commented by 愚人 at 2009-12-14 00:28 x
もするさ さんへ
解説有難うございます。

>そのまま不可逆な傾向であるとブレジンスキーが勘違い
なるほど・・・だとすると、ボケたのでしょうか?(笑)

小泉政権の時も防衛予算は減少していますからねぇ。
Commented by at 2009-12-14 02:18 x
防衛力強化=右翼的とイデオロギー論で考えてしまうのは古臭い気がしますね。
ブレジンスキーにとって日本は強かろうと弱かろうと気に食わない国であり、悪玉として利用した方がしっくりくるのではないでしょうか?
諸外国が爆発的な軍拡をしているのに、日本はどんどん減少させているわけですから。
正直防衛費をGDPの2-3%ぐらいにしても問題ないと思いますが、
財政的に厳しいので減少もやむなしというのなら理解できますが。
防衛というのは国にかける保険のようなものです。
事が起こってから保険をかけるという事はありえません。
健康な時から保険金をかけ、いざという時に保険金を使うわけです。
軍事力=攻撃ではなく、防衛には未然に紛争や戦争を防ぐという効果もある事を忘れないでください。
繰り返し言いますが、日本以外の周辺国は未曽有の大軍拡です。
しかも日本はスタンドオフ兵器や巡航ミサイルなど対地攻撃能力を保有していません。
日本の防衛力はガチガチの鎧を着ているが、持ってる武器は小さなペーパーナイフというバランスの悪い防衛力です。
攻撃をアメリカに委ねるという政策ですが、そのアメリカも日本から兵力の削減を今後すすめていくわけですから。
Commented by masa_the_man at 2009-12-14 06:45
愚人さんへ

>覇権が米国から中国へ移れば、日本は中国に従順となるでしょう・・・というか、既になりつつありますよね?

ありますねぇ。それに便乗している知識人もけっこうおりますが。

>中国の覇権と米国の衰退が明らかになれば、日本は躊躇なく米軍を日本から追い出し、中国に軍港を提供することになりそうです。

パキスタン化ですか。でもその前にまず韓国がそうなるかも知れませんね。

>ブレジンスキー氏も高齢ゆえにボケたのか、中国のトラップに嵌って擁護せざるを得ないのか、何らかの利害関係があるのか・・・

これ三つとも正解だと思います(笑)彼もけっこう北京参りしているみたいですね。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2009-12-14 06:49
もするささんへ

>そのまま不可逆な傾向であるとブレジンスキーが勘違いされているという可能性があります。

この記事が書かれたのは2004年の末ですね。

>「世界的極右ブームに便乗したほんの一瞬のあだ花」

ブッシュの保守化ブームでしょうかねぇ。

>現実認識の更新が何らかの理由で遅れて居るんだと思います。

現在の彼の意見を聞いてみたいところですが、最近はアフガニスタンの話しかしないんですよね。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2009-12-14 06:57
愚人さんへ

>小泉政権の時も防衛予算は減少していますからねぇ。

基本的にはまだ吉田ドクトリンが生きていることになりますな。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2009-12-14 07:01
派 さんへ

>ブレジンスキーにとって日本は強かろうと弱かろうと気に食わない国

事実ですね。この姿勢は昔から一貫してます

>健康な時から保険金をかけ、いざという時に保険金を使うわけです。

いまの日本にそういう思想は全くないですね。むしろ西洋よりも対処療法的になってます。

>繰り返し言いますが、日本以外の周辺国は未曽有の大軍拡

いえますね。

>ガチガチの鎧を着ているが、持ってる武器は小さなペーパーナイフというバランスの悪い防衛力

恐怖を感じていない、というのもあるかも知れませんね。

>攻撃をアメリカに委ねるという政策ですが、そのアメリカも日本から兵力の削減を今後すすめていくわけですから。

するとある日突然気付くことになるわけですね。やはりナイの言った「安全保障は酸素のようなものである」という言葉はなかなか含蓄のあるものだと言えそうです。コメントありがとうございました
Commented by at 2009-12-14 07:44 x
連投で申し訳ないですが、WPとNYTに鳩山、普天間に関する似たような記事が出てました。
ttp://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/12/10/AR2009121003162.html

ttp://www.nytimes.com/2009/12/11/opinion/11iht-edcohen.html
Commented by もするさ at 2009-12-14 09:52 x
>ブ氏の発言は2004年
何という赤っ恥。今現在の発言かと思った。

2004年と言えば、「ネトウヨ黄金期」の前夜ではありませんか。今より意識の高かった当時でさえそう思われていたとは知りませんでした。
Commented by masa_the_man at 2009-12-15 04:36
派 さんへ

>連投で申し訳ないですが、WPとNYTに鳩山、普天間に関する似たような記事が出てました。

そういえばこの辺はけっこうしっかりと記事になってますよね。まあ将来の東アジアのバランスを決定する動きなので注目されるのは当たり前ですが。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2009-12-15 04:37
もするさ さんへ

>何という赤っ恥。今現在の発言かと思った。

私もこの翻訳を載せるがちょっと遅かったですね(苦笑

>今より意識の高かった当時でさえそう思われていたとは知りませんでした。

「黄金期」があったんですか(笑)それにしても最近のブレジンスキーが東アジア情勢についてどう考えているのか気になりますね。コメントありがとうございました
Commented by elmoiy at 2009-12-15 20:04 x
>それにしても最近のブレジンスキーが東アジア情勢についてどう考えているのか気になりますね。

大西洋共同体(NATO)に日本を組み込む ブレジンスキー
ttp://eigokiji.justblog.jp/blog/2009/02/post-ca78.html
逆にいえば、いくら日中関係が改善されても、日本は東アジア共同体―中国によって支配され、アメリカがほぼ排除された組織---の重視には傾かないであろう。中国の取りこみ、日本の同盟、日中関係の安定化。この三つは相互補完の関係にあるのだ。

※こんなことを書いていますが、少し見通しが甘いかも?
Commented by Oink at 2009-12-15 21:52 x
ttp://www.honoluluadvertiser.com/article/20091213/NEWS08/912130350/How+Japan+could+achieve+an+equal+alliance+with+U.S.
Posted on: Sunday, December 13, 2009
How Japan could achieve an equal alliance with U.S. By Richard Halloran

日米同盟、日本独立とくればあとは日中同盟のシナリオが必要ですので
少し考えてみました。

1、台湾の主権が北京にあることを認める。
2、沖縄の米軍基地の無力化と日米同盟の解消。
3、東アジア諸国との歴史問題の解決。
4、歴史の共有と平和教育の重視。
5、欧米の価値観から脱却しアジアの価値観を尊重する。人権等。
6、領土問題(尖閣、北方領土、竹島)の対立解消。
7、中国に海軍基地を提供する。(佐世保、横須賀、八丈島あたり?)
8、中国軍にも、日米同盟に準ずる待遇を与える。
9、非核三原則のもちこませずを撤回する。
10、政治家、メディア、ネットでの反中国的な言動を禁止、監視する。
Commented by at 2009-12-16 03:04 x
>Oinkさんへ

Once the equality that Hatoyama seeks has been reached, he says Japan could be a bridge between what he sees as a rising China and a tottering America. That may be presumptuous as neither President Hu Jintao in Beijing nor President Obama in Washington has given any sign that he feels a need for a bridge to the other.

これが全てですよね。
米中が協力体制を敷きはじめてるのに、日本が橋渡しをする必要なんて全くないですからね。
誰も通らない橋作って、米中に素通りされるだけだと思うんですけど・・
個人的には米中の橋渡しじゃなくて、自国で出来る防衛力強化はすべきだと思っています。
Commented by masa_the_man at 2009-12-16 11:07
elmoiyさんへ

>中国の取りこみ、日本の同盟、日中関係の安定化。この三つは相互補完の関係にあるのだ。

たしかに甘い(笑)十年くらい前のほうが鋭かったですなぁ。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2009-12-16 11:09
Oink さんへ

>日中同盟のシナリオが必要ですので少し考えてみました。

なるほど。

>7、中国に海軍基地を提供する。(佐世保、横須賀、八丈島あたり?)

おおっ(笑

>10、政治家、メディア、ネットでの反中国的な言動を禁止、監視する。

これはあるでしょうな。それと天皇という称号をやめさせて「日王」にしろとか。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2009-12-16 11:10
派さんへ

>誰も通らない橋作って、米中に素通りされるだけだと思うんですけど・・

わははは、たしかに(苦笑

>個人的には米中の橋渡しじゃなくて、自国で出来る防衛力強化はすべきだと思っています。

まずここは基本ですね。しかし国はどうも中国にすり寄る方向に行ってますな。コメントありがとうございました
by masa_the_man | 2009-12-10 09:28 | 日記 | Comments(26)