アメリカ対外政策の国内要因 |
まずは簡単にお知らせです。
実はあと数日以内に論文の合間に細々と進めていた翻訳がとりあえず一段落しそうな様子でありまして、来週のはじめあたりにこのブログをご覧の皆さんからまたタイトル候補の募集をはじめようと考えております。
今回もまた当選者枠を五人分用意しましたのでふるってご応募下さい。お願いします。
さて、ストローン氏の話の続きをしようと思ったのですが、時間もないので図書館で見つけた興味深い本の紹介を。

The Domestic Sources of American Foreign Policy: Insights and Evidence
eds by Eugene R. Wittkopf & James M. McCormick (5th ed)
これは題名そのままズバリ直訳で「アメリカ対外政策の国内要因:洞察と証拠」という感じになります。
具体的には学校で使われるリーダー(副読本)という形をとっておりまして、この二人の編集者がアメリカの対外政策における国内的要因について分析した論文24本を三つの分野にわけ、それぞれに対して最初に解説を書いております。
このような「国内要因」というのは、本ブログをご覧のみなさまならすでにご存知のウォルツの「セカンド・イメージ」による分析なのですが、とくに一番最後にはブッシュ前大統領の心理学分析などもあり、ちょっと「ファースト・イメージ」も絡んでいる、いままであるようで無かった分析を集めた論文集です。
第五版まで出版されているわけですからクオリティーの高さは証明されているようなもので、特徴としてはあのミアシャイマーとウォルトによる「イスラエル・ロビー論文」も掲載されているところでしょうか。
その他にもナイの「ソフトパワー論文」からはじまって、マックス・ブート、コリン・パウエル、スタンレー・ホフマン、マイケル・マンデルバウム、そしてニューヨーカー誌のハーシュなど、学者だけでなくジャーナリストや政治家などの論文までバランスよく混ぜております。
また、本書の「前提」としてあるのは「グローバル化が国際政治を国内政治化した」というものです。
ちょっと長い文章なんですが、本編よりもこの編著者たちが書いている各章のイントロ解説はなかなか行けるものでして、私としてはむしろこれを読むだけでもかなり価値があると思っております。