戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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大佐の体験:その5 まとめ

今日のイギリス南部は曇り時々晴れの気持ちよい天候でした。そろそろ気温が下がりはじるようで、明日あたりから気温二ケタに届くかどうかという状態になるみたいです。

さて、今日もまた大佐の話のつづきです。

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●これまでの話をまとめるが、とにかくここで重要なのは戦略から任務(task)までの流れだ。

●これを別の言葉で言うと、政策の「目的」からこれを実際に行うための「手段」までのことだ。

●しかし現在の戦争では莫大な量の官僚システムが関与してくるレベルが沢山あるのであり、馬の背にまたがったナポレオンのような皇帝と将軍が直接戦場に来て師団を同時に動かすことはできない。

●もちろん私が経験したようなビデオ会議や、クラーク将軍の使っていたモニターなどでは、その名残を少しだけ見ることができる。

●もちろん我々も自分たちのレベルでコンポーネンツを見ることができるモニターを管理している。

●そしてグデーリアンも自分なりのオペレーショナル・レベルで軍隊の行動を管理していたのだ。

●しかし問題なのは、戦略や作戦のプランが完成しても、いざ実戦がはじまると両方のレベルで必ず混乱が始まるという事実だ。

●まずオペレーショナル・レベルの作業は、ジョミニの言う「大戦術的」(grand tactical)になってくる。こうなると重要になってくるのは「アート」(術)なのだ。

●ここで忘れてはならないのは、必死に戦術を行っている間にも、戦争が終わった後の「平和」の状態についても考えなければならない、という点だ。

●そうなると戦略から戦術レベルまでを「圧縮」して考える必要がますます重要になってくる。

●私が経験していた戦争では毎朝九時に「ストラテジー・セル」(strategy cell)に集まるということは既に述べた通りだが、ここでは大統領から我々のような者が一同に顔を合わせており、実質的にはそのような「圧縮」が行われていたと言えるかも知れない。

●時間がきたので私の結論を言うが、結局のところオペレーショナル・レベルは、この大戦術のレベルを管理するために必要だ。

●そしてテクノロジーをうまく活用すれば、戦略から戦術の任務までを融合させて、昔の将軍や皇帝が行っていたような戻すことができるかも知れないのだ。

●とりあえず私はテクノロジーによってこのレベルの差を圧縮できることを願っている。なぜならそれに絡んでくる人間の数が増えれば増えるほど、「摩擦」が増えてくるからだ。


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ということです。

結局のところ、彼が言いたかったことの一つとしては「人間とテクノロジーの関係」というものがあるのかも知れません。

具体的には拙訳『戦略の格言』の中の「格言22」に言われていることを参照にしていただければ幸いです(笑
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Commented by 山田洋行 at 2009-11-06 09:27 x
>しかし問題なのは、戦略や作戦のプランが完成しても、いざ実戦がはじまると両方のレベルで必ず混乱が始まるという事実だ。
不確実な領域に属する、摩擦ですね。

>テクノロジーによってこのレベルの差を圧縮できることを願っている。なぜならそれに絡んでくる人間の数が増えれば増えるほど、「摩擦」が増えてくるからだ。

これは大佐の願望ですよね。テクノロジーが摩擦の減少に貢献しても、テクノロジーによって新たな摩擦が発生しているのではないでしょうか。
Commented by masa_the_man at 2009-11-06 09:54
山田さんへ

>不確実な領域に属する、摩擦ですね。

その通りです。これはラムズフェルドが「unknown」という言葉で有名にしましたが(笑

>これは大佐の願望ですよね。テクノロジーが摩擦の減少に貢献しても、テクノロジーによって新たな摩擦が発生しているのではないでしょうか。

しかしテクノロジーというのは因果なもので、使う人間側に「全ての摩擦を減少させてくれる」という錯覚を引き起こしやすいわけで。コメントありがとうございました
by masa_the_man | 2009-11-03 07:41 | 日記 | Comments(2)