戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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大佐の体験:その3

今日のイギリス南部はまたしても曇り時々晴れでして、朝方にはかなり強い雨が降っておりました。午後遅くになってから晴れまして、それほど寒さを感じません。

今夜はハロウィーンなんですが、この日はやたらと花火が打ち上げられたり変装をしている奴らが大量にうろつくおかげでこっちで最も治安の悪くなりやすい日なので、とりあえず早めに帰って来て部屋でおとなしくしております。

さて、今日もまた大佐の話のつづきを。

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●各階層でみんながすぐ上の階層の人のために働くという状態が出てくるわけだが、こうなると戦場全体で何が起こっているのかという視点がどうしても欠けてくる。

●そうなると、空軍だったら「空軍だけのプラン」のために、それぞれの軍が各自で積極的な計画を練り始めるのだ。

●ここでイギリス人のコースメイト(おそらく50代)から「こりゃ本当に官僚組織の話じゃないか」と驚きのコメント。

●大佐は、「まさにその通り、完全に普通の、人間のとる行動なのだ」と答えて話を進める。

●今度は2001年の話。この時わたしはフロリダ州のタンパでトミー・フランクス将軍の下で働いていた。

●この時もまた「ストラテジー・セル」で働いていたのだが、この時のメンバーは常に12人であり、必ず他の国のエアマンも混じっていた。

●とくによく一緒に働いたのがイギリスの空軍将校たちである

●作戦を練る時にこの12人でかなり議論を行ったが、2001年のアフガニスタン侵攻の時にも大議論になった。

●空軍としては、当初は特殊部隊と情報部隊を使った作戦を進言しようとしており、大規模に陸上戦力を展開するような案には反対だった。

●ところがこの時の将軍のトミー・フランクスは陸上戦力を大規模に展開する案を採用した。

●彼はほとんど我々に議論をさせずに、とにかく大規模に戦力と火力を使ってタリバンを倒せばアルカイダを差し出してくる、という考えだったのだ。

●まあ彼も大統領になる気配がないのであえて言わせてもらうが(笑)、その時に私はこの戦略は大失敗だと考えていた。

●そして例のごとくビデオ会議が行われた。

●ある会議では、フランクス将軍や安全保障アドバイザーだったコンドリーザ・ライス、そしてブッシュ大統領とチェイニー副大統領が参加していたが、トニー・ブレア首相は少し遅れて参加するという状況のものがあった。

●この時にフランクス将軍はブッシュ大統領に「陸上戦力を大規模に使ってタリバンをたたく」というアイディアを直接進言した。もちろんこれは我々の提言したアイディアではない。

●私がこのプロセスを見ていてフラストレーションを感じたのは、ブッシュ大統領やライスのような人々があまり戦略について選別するという訓練を受けていないことだったが(これはまあ仕方ないのだが)、それ以上に不満だったのは、それ以外の戦略のオプションについて長い時間をかけて議論をしなかったことだ。

●ここで「当時のラムズフェルドの軍隊の軽量化ということについてはどうか?」という質問が参加者の中から出た。それに対して大佐は、

●私の個人的な意見では、ラムズフェルドの「トランスフォーメーション」の理論はかなり大げさに誇張されたものであり、実は悪いのは軍側だと思っている。

●どういうことかというと、あれは米軍側が彼にいいアドバイスを与えなかった、というのが事実だからだ。

●ラムズフェルドは一人で非難を受けすぎている。実はラムズフェルド自身はそれほどこのトランスフォーメーションのプロセスに関わっていなかったからだ。

●イラクに大規模侵攻をしようという意見を持っていたのはウォルフォウィッツ国防副長官だったが、彼の意見はすぐに却下され影響力を無くしている。

●アメリカがテロ攻撃を受けたのは9月11日だが、その二日後の9月13日に、ウォルフォウィッツは空軍のある将軍と一緒に、テロ攻撃にイラクが関与していた場合の計画を練り始めたが、これは結局日の目をみることはなかったのだ。

●この計画を練った時に私も参加していて、陸軍などとかなり色々なプランを練った。この時に目立った発言をしてきたのが、ダグラス・マクレガーという人物である。

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ここまで書いて時間切れです。続きはまた明日。
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(cbs.comより)
Commented by 待兼右大臣 at 2009-11-02 23:12 x
大佐と来ると、「赤」や「三倍」や「専用」という言葉がちらついて仕方のない今日この頃(「優しい大佐さん」と間違えられると、ロリコン方面)ですが、

>>「こりゃ本当に官僚組織の話じゃないか」

それが、アイゼンハワーが米国の参戦後、一介の大佐から元帥(Five-star General)にまで、異例の昇進を遂げた理由だったのでしょう。
(アイゼンハワーは、大統領になっても、何かと対立しがちの大統領補佐官と各省の長官を何とか上手く使いこなしていたらしい)

で、フリードマンの「100年予測」を読了しましたが、中身は
The coming war with Japan(この「with」は相手という意味です)

地政学を全世界的への模範的な適用例
という意味で、特に後者の意味において、このブログの読者には面白い内容だと思います。
 これ以上は「ネタバレ」になりますので、本をお読みください。

どなたかがおっしゃっていましたが、「パンツが空を乱舞」したり、「パンツじゃないから恥ずかしくないもん!!」と『戦闘機乗り』の少女が主張しても、それはそれで・・・
Commented by masa_the_man at 2009-11-03 05:33
待兼さんへ

>「赤」や「三倍」や「専用」という言葉がちらついて仕方のない今日この頃

アズナブル氏ですな(笑

>「優しい大佐さん」

これはわからんです。ちょっとリサーチが必要かも(苦笑

>アイゼンハワーが米国の参戦後、一介の大佐から元帥(Five-star General)にまで、異例の昇進を遂げた理由

そうですね。彼はそういう調整がうまかったというもっぱらの噂で。

>フリードマンの「100年予測」を読了

おおっ、もう読破されましたか。

>地政学を全世界的への模範的な適用例

いいですなぁ。私も注文しておいて来年に帰国したら読みます。コメントありがとうございました
by masa_the_man | 2009-11-01 10:46 | 日記 | Comments(2)