戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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地政学の「変化」

昨日の甲州はだいぶ秋らしくなっておりまして、とくに夕焼け雲は完全に秋のもの。夕方以降はバイクで外走るのがためらわれたほど涼しくなっております。

そろそろ帰英準備が忙しくなっておりまして、昨日は昼すぎから荷物の整理などに追われておりました。

「ネオコンの父」として有名なアーヴィング・クリストルが死んだみたいですね。こうなると第一世代の大物はパイプスとポドーレツ(ポッドホーレツ)くらいでしょうか。

さて、時間もないので昨日のエントリーを少し整理してみようと思います。

地政学というのは色々と学問的な面で勘違いされやすいものなのですが、とくに誤解されているのは、それが「地理決定論である」という批判です。

これは「地理によって全てが決定される」という狭い見方しかできない「エセ学問」であるということですが(そして実際にそういう風に議論をしてしまう人々もいるのですが)、実はそうではありません。

その反論として、古典地政学系の学者からも「地政学はダイナミックに変化を取り入れている!」という議論はなされるわけですが、具体的にどの「変化」を取り入れているのかはあまり詳しく論じられておりません。

しかしマッキンダーはこれを「テクノロジー」という要素がそれだと指摘しており、実際にテクノロジーによって「コロンブス以前の時代」→「コロンブス時代」→「コロンブス後の時代」と世界の歴史が変化してきていることを主張しております。

これを「地政学の三位一体」(テクノロジー、地理、世界観、の関係)であらわすと、従来の地政学の「変化」では以下のような流れになっておりました。

テクノロジーに変化が起こる

地理は変わらない

しかしいままでの「地理」の意味は変わる

人々の「世界観」が変わる

国際政治の戦略的状況も変わる

ところが今回の北極海の事件がなぜ重要なのかというと、上記のような流れが根本的に変化してしてしまったからです。

どういうことかというと、

人間の使うテクノロジーが温暖化を起こす

温暖化によって地理が変化する

その地理の意味も変わる

人々の「世界観」が変わる

国際政治の戦略的状況も変わる

となるわけです。

つまりいままでほとんど変わることの無いと思われていた「地理」が本当に変化した(と思われた)ために、地政学的にも革命的な変化が起こったわけです。

そうなると、「首相や大臣は入れ替わっても、山や川は変化しない。地理は普遍的な要素である」という言葉を記したスピークマンは真剣に考え直さなければいけないかも知れませんね(笑
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by masa_the_man | 2009-09-20 01:29 | 日記 | Comments(0)