戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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戦略の階層についての但し書き

今日の甲州はさわやかな秋の一日。昼間の暑さも適度にやわらいで、素晴らしい秋空が広がっておりました。

さて、以前ここに書いた戦略の階層について補足説明を。

実はコメント欄にwaterlooさんから別バージョンの戦略の階層のアイディアをいただいているんですが、彼(彼女?)のご意見を聞くうちに、私も色々と考えることがありました。

まず彼は、私が示した戦略の階層(の修正版)の上と下に、さらに別のレベルが考えられのでは?ということで、以下のようなアイディアを出してくれました。

性(サガ)など

宇宙観

↓(中略) 

技術

資源など

というものです。

これを見ていて私が思ったのは、私が「戦略の階層」といったとき、そこには「前提」(アサンプション)として、

「それぞれの階層は、それを使う側の人間や組織が、意識的に選択できるものである」

ということがあったみたいだ、ということです。

たとえば「宇宙観」ですが、これもある程度は教育や社会環境などによって(特に個人の場合は)意識的に選べるのであり、一般的にも後天的なところがあります。

しかしwaterlooさんのアイディアだと、どうしても組織や人などにある「先天的なもの=環境」という意味合いが出てくるので、真ん中にある「戦略の階層」の部分だけが浮いてしまう感じになってしまうのですね。

これをいいかえれば、「戦略の階層」の部分は、人間や組織がある程度「コントロールできる」ところであり、サガや資源などは「コントロールできない」と考えていただければよいかと。

ちなみに以下のwaterlooさんの「修正版」はなかなか壮観です(若干わたしが手を加えてます)。

環境

性(さが)、本性 ー 思考以前 ー 無意識 ー ↓ [精神]

ーーーーーーーーー
宗教的世界観=宇宙観(死生観、宗教観、哲学)ー ↓ [個的思考?]
ーーーーーーーーー
唯物論者においては、宗教的世界観が物理的世界観に近接し、宗教論者においては物理的世界観が宗教的世界観に近接する。
ーーーーーーーーー

物理的世界観(人生観、歴史観、地理感覚)

政策(生き方、政治方針、意志、ポリシー)ー ↓ [対外的思考?]

大戦略(人間関係、兵站・資源配分、身体、グランドストラテジー)

軍事戦略(仕事の種類、戦争の勝ち方、ミリタリーストラテジー)

作戦(仕事の仕方、会戦の勝ち方、オペレーション)

戦術(ツールやテクの使い方、戦闘の勝ち方、タクティクス)

技術(ツールやテクの獲得、敵兵の殺し方、テクニック&テクノロジー) ー ↓ [個的思考?]

資源、食物?

道具、資源の利用

環境

これだとジョン・ボイドの「OODAループ」みたいに環境から環境へ一回りしているわけですね。

個人的にはとりあえず「環境」は含まずに、例のごとく「宇宙観」〜「技術」のレベルで割り切ったほうがスッキリしててよいのかな、と思っております。

「宗教的世界観」というのは、むしろやや中立的な意味合いのある「形而上的世界観」としてもいいかも知れませんね。

これについてまた皆さんのご意見をよろしくお願いします。
Commented at 2009-09-11 10:33 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by elmoiy at 2009-09-11 14:21 x
>これだとジョン・ボイドの「OODAループ」みたいに環境から環境へ一回りしているわけですね。

歴史にも「循環史観」というのがありますね。

中国の場合だと、まず中国大陸という「環境」があって、そこで諸子百家が生まれ、最初は孔子が「仁」を説き、それに孟子が、荀子や墨子との論争のために「義・礼・智」を付け加え、さらに漢代に「信」が加わって「仁・義・礼・智・信」になった。時代が下って宋代になると、朱熹が『論語』『孟子』の二書に『礼記』から「大学」「中庸」の二編を取り出して「四書」にしました。儒教自体が「五経」として一大体系になったのは漢代以降で、朱熹が「四書」を説いてそういう傾向を強化してしまったわけです。儒家というのは、漢代以前はフランスのモラリスト(現実の人間・社会を観察し、人間性や風俗・習慣に様々な視点から考察を加える人々)に近い人々でした。

つまり、発展途上の時代には手探りで進んでいったのが、最盛期には「古典」として持ち上げられ、さらに衰退期になると単なる「訓古の学」と化す、という現象が起こります。
Commented by 柴崎力栄 at 2009-09-11 17:30 x
物質界・精神界の間にある人間にとって操作可能な細い領域ですね。地表におけるLOCsを、多次元世界に拡張したような姿をしているのでしょうか。
Commented by ナリ at 2009-09-13 08:22 x
昨日はホスト、お疲れ様でした。
この件、人が何かを始める時に突き詰めていくと、「何となく好き」というものがスタートになっているケースが多く、それが「性」だと思います。ただ、この「性」はその人が生きてきた「環境」から五感全てで得たのもので、極めて言語化しづらいもののような気がします。
学問としてある程度客観性を持たせるには、「宇宙観」までが限度であり、それ以上は宗教的な、理屈ではない世界に入ります。
意識は「宇宙観」までで、それ以降は「自分ではどうにもできない」と受け入れるところなのかもしれません。
個人的にこれを意識することで、「変えられないものを受け入れる心の静けさと変えられるものを変える勇気」が獲得できると考えております。
Commented by masa_the_man at 2009-09-15 01:39
waterloo さんへ

>あんまり拡大し過ぎても、現状に合わないかなと。

拡大しすぎることの弊害は、収拾がつかなくことにありますよね。これは「安全保障」という概念の広さにも言えることですな。

>科学技術次第でコントロール可能になってくるかもしれません。その暗黒面の発露がロボトミー手術

まさにフクヤマが問題視していたのもその辺ですね。米軍なんかでは人間側を変えようということもしてます。

>「形而上的世界観」だと中立っぽくていいですね。

ご理解いただけてうれしいです。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2009-09-15 01:41
elmoiy さんへ

>歴史にも「循環史観」というのがありますね。

そういえばビジネス系でも「成長のS字カーブ」みたいなことが。

>つまり、発展途上の時代には手探りで進んでいったのが、最盛期には「古典」として持ち上げられ、さらに衰退期になると単なる「訓古の学」と化す、という現象が

戦略のアイディアにも同じようなことが言えますね。基本的に人間の性質はそれほど変わらないので、2000年以上前の本の内容が通用するわけで(笑)コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2009-09-15 01:44
柴崎さんへ

>物質界・精神界の間にある人間にとって操作可能な細い領域

たしかにそうですなぁ。宇宙観や世界観は恣意的に選択できますが、サガとか環境というのはそういうわけにはいかないわけで。

>地表におけるLOCsを、多次元世界に拡張したような姿をしているのでしょうか。

かも知れませんが、自分にはモデル化しきれませんね。うまいことで説明して感覚的にわかってもらうしかないかも知れません。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2009-09-15 01:47
ナリ さんへ

>昨日はホスト、お疲れ様でした。

今回はしゃべりがなかったので気楽でした(笑

>「何となく好き」というものがスタートになっているケースが多く、それが「性」

かも知れませんなぁ。

>その人が生きてきた「環境」から五感全てで得たのもので、極めて言語化しづらい

そうなんですよね。あえて言語化しようとするとつまらなく聞こえてしまうかも知れないコワさもありますし。

>それ以上は宗教的な、理屈ではない世界に入ります。

それを説明しようとして昔から戦略家たちは苦労しているわけですな(苦笑)

>「自分ではどうにもできない」と受け入れるところなのかもしれません。

受け入れた人間というのは最強です。

>「変えられないものを受け入れる心の静けさと変えられるものを変える勇気」が獲得できると考えております。

これはうまい言い方ですねぇ。ちょっとネタで使わせて下さい(笑)コメントありがとうございました
Commented at 2009-09-15 13:36 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by masa_the_man at 2009-09-15 23:52
waterloo さんへ

>この辺は、漫画「兎-野生の闘牌」でもやってます

全く知らない世界です(苦笑

>絵の上手さと台詞の格好良さはすばらしい

こういうのもありなんですねぇ。

>私も、この辺考えているのですが、まだしばらく行動できそうにない

「行動」する必要はないのかも知れません。

>所詮人生など酔生夢死だなどと考えています。

これでいいのかも知れません。ただ私は自分のどこかで、一人の人間というのは宇宙が138億年かけてつくった存在であることのかけがえのなさも信じていたいところなんですが。

>複数の視点を同時に持ちたいんですよね。なかなか解ってもらえませんが

まあこれで良いんじゃないでしょうか。「悩む力」という本がベストセラーになっている御時世ですし(笑)コメントありがとうございました
by masa_the_man | 2009-09-10 23:57 | 日記 | Comments(10)