質問に対する答え:その2 |
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【外信コラム】ガンジスのほとりで プレゼンテーション
2009.8.3 02:35
先日、ニューデリー市内で、ある業界の日印関係者が集まったセミナーが開かれた。その業界についての知識がほとんどないズブの素人なので後学のためにと思い、午前の部だけ出席した。しかし、どうしても講演の中身が頭に入らない。それも日本側の内容が。
当該分野の基礎知識がないから理解できないんだろ、と言われれば否定しない。だが、インド側の説明はポイントが明確だったからわかった。インド人らしく自国の強みをうまくアピールするのだ。もっとも、これもインド的だが、インド人は自国の欠点にはほとんど触れない。
セミナーの趣旨は、相手国の規制やシステムの相互理解を深めるというもの。だた、お互い、相手の状況は大体理解している。それならば、セミナーのポイントは、両国間の相違点と、その相違点の対応方法に力点が置かれるべきだろう。
ところが、日本側の説明は、情報が詰まりすぎて総花的だった。確かにシステムの説明は退屈だ。また、すべてを英語でやるというハンディはあるが、どうもいただけなかった。
この業界関係者に限らず、日本人のプレゼンテーションには閉口する場面が少なくない。プレゼンテーションは国際社会では欠かせない。言われて久しいが、日本の存在感を高めるためにも、政府や企業はプレゼンテーション能力を磨くことに本腰を入れるべきではないか。自戒をこめながら改めてそう思った。(田北真樹子)
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実は私もこれと似たような経験をイギリスで何度かしたことがあります(例:日本の学者vsイギリスの学者のカンファレンス)。だからこの人の言いたいことは痛いほどわかるんです。
だからと言って私のプレゼンが他の日本人よりもマシだとは決して言えませんが(苦笑)、少なくとも他の日本人よりは長年海外の人々のプレゼンを見て来ているので、「ああいう風にやりたい」と意識している部分はかなりあります。
ということで、やはりプレゼンでも「八百屋じゃなくて料理人をめざすべき」ということは言えるのかも知れません。
ちなみに私が今まで見た知識人の中で一番プレゼンが上手いと思ったのは、スティーヴン・ウォルト(ハーヴァード大教授)とイアン・ブレマー(ユーラシアグループ代表)。
とくに用意した原稿の内容とそれを読む上手さではウォルト、質問の受け答えの素晴らしさでは圧倒的にブレマーという感じでしょうか。
もしこの二人のプレゼンを見れるようなチャンスがありましたら、迷わずぜひ見て下さい。