マッキンダー研究の最新版 |
さて、久しぶりに紹介したい本が。
Geopolitics and Empire: The Legacy of Halford Mackinder
by Gerry Kearns
英国出身の地理学者による最新のマッキンダー研究なんですが、帝国主義との関連を中心に描いた力作です。
既にご存知の方もいらっしゃるように、マッキンダーについては二冊の伝記があるのですが、これはさらに彼の思想面に踏み込んで詳細に分析したものです。
もちろんマッキンダーだけでなく、彼の主張が米英でどのように伝えられていったのか、そしてその伝統がどういう風に現代に生きているのかまで詳しく触れられております。
後半には「保守派地政学」と「進歩派地政学」を分けて考えておりまして、前者の中にはブレジンスキーやミアシャイマー、それにバーネットやカプランまでが含められております。
私もまだざっと読んだばかりなんですが、この分量と資料などの充実度を考えれば、これからの地政学研究では絶対に無視できない必読文献となることは確実です。
さっそくソフトカバーでの出版が待ち遠しくなってきました。
