戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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おススメの「格言」:その1

今日の東京は昼過ぎから少し晴れました。突然「台風一過」という感じでしたね。

数日間におよぶ東京ツアーから帰ってきまして、講演会をはじめ、さまざまなイベントをこなしてからまた山梨に帰ってきました。

最近はこのように田舎と都会を行き来する生活をしているわけですが、個人的にこのような生活スタイルをかなり気に入ってます。田舎はいいもんです。

さて、おそらく今日あたりから大型書店にならぶはずの『戦略の格言』ですが、その中から私のおススメの格言をいくつか紹介します。

実は講演会では時間がなくてほとんど触れなかったのですが、私が訳していて特に面白いと感じた格言がいくつかあります。

その中でも一番面白いと感じたのは、なんといっても格言35の、

「軍備はコントロールできるかもしれないが、“軍備管理”ではコントロールできない」

というものです。これは原文のほうがより面白さが伝わりやすいもので、

Arms Can Be Controlled, but Not by Arms Control

となります。これをはじめて読んだときは「うまいなぁ」と感じました(笑

これは著者自身の最初の出世作となった論文から受け継いでいる古いアイディアであるためかどうか、なかなか鋭いものがあります。

具体的な議論としては、実はテクニカルに見える軍備管理も政治的な文脈によってはじめて可能になるわけであり、クラウゼヴィッツのような「政治が戦争(軍備)を支配する(べき)」という解釈が正しい、というわけです。

軍備としての兵器というのは、むしろ国家間にある政治状態によってうまれる「症状」であり、険悪な政治状態を生む「原因」そのものではない、という指摘は考えさせられるものであります。

もちろんこれはアメリカの銃規制などの問題に敷衍して考えれば異論は色々と出てきそうですが、とりあえず現在のオバマ政権とメドベージェフ政権が核軍縮をしようとする方向に動き出している状況を考えてみれば、「軍備ではなく政治が優先する」という意味はよくご理解いただけると思います。
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Commented by 柴崎力栄 at 2009-08-12 00:42 x
この写真は、笛吹川でしょうか。甲府盆地の盛夏の風景かな。
Commented by sdi at 2009-08-12 01:26 x
軍備は「症状」であって「原因」ではない。「核兵器全廃」とか「●●禁止条約」とかに感じていたモヤモヤを言いぬいてくれたように感じました。
確かに、国家間の政治状況なんかガチ無視で兵器の保有・開発を制限すれば平和が来る(もしくは近づく)、というのは「歯が痛いからバッファリを飲む」程度の行為にすぎない。
そういう点から考えると、戦間期の列強の外交関係まで踏み込んだワシントン条約と建艦競争制限しかできなかったロンドン条約は似て非なるものですね。
Commented by masa_the_man at 2009-08-12 22:27
柴崎さんへ

>笛吹川でしょうか。甲府盆地の盛夏の風景かな。

たしかにうちの側には笛吹川は流れておりますが、この写真は違います。群馬のほうの川なんですが、名前は忘れました(苦笑)コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2009-08-12 22:30
sdi さんへ

>「核兵器全廃」とか「●●禁止条約」とかに感じていたモヤモヤを言いぬいてくれたように感じました。

私もはじめて読んだ時は痛快に感じました。しかし考えてみればクラウゼヴィッツが言っていたことなんですよね。

>列強の外交関係まで踏み込んだワシントン条約と建艦競争制限しかできなかったロンドン条約は似て非なるもの

そういうことですね。いかに政治レベルが大切かということがよくわかります。コメントありがとうございました
by masa_the_man | 2009-08-11 22:30 | 日記 | Comments(4)