戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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中国をもち上げ過ぎなんじゃないの?

今日の甲州は曇ったり晴れたりの微妙な天気でしたが、いよいよ8月ですねぇ。はやいもんです。

ノートPCの熱ダレ対策として、先ほど近くのドラッグストアから氷枕を買ってきました。気温が高いと熱ダレを起こしてしまうので、これでパソコンの熱対策をしてみます。果たしてどこまで効果があるものやら。

そういえばいよいよ来週末に迫った講演会なのですが、『戦略の格言』の発売とちょうど重なるので会場で即売を行います。もちろん多少の値引きありですし、本屋やアマゾンなどよりも早めに出るのでちょっとお得です(笑

講演会のほうもまだまだ参加者を募集しておりますのでぜひ。

さて、中国ネタをまたひとつ。

といっても最近のG-2騒ぎについて、「ちょっと騒ぎすぎなんじゃないの?」というFT誌のコラムニストによる批判的な意見です。これもポイントフォームで。

====

Washington risks taking China too seriously
By David Pilling

●米中関係(G-2)は、経済だけでなく安全保障関係でも対話を行うようになってきた。

●米中関係は発展しているが、前政権からの路線としてまったくオバマ政権でも変化がないのは中国関与の政策である。

●アメリカ側としては、変化がないというよりも、それ以外の選択肢がないからだ。

●たしかに中国はかなり力をつけてきているようにみえる。

●ところが中国をここまで重視してしまうのは逆に問題だろう。以下の三つの事実を確認しよう。

1、中国はアメリカに対して経済的にそこまで発言権があるわけではない。経済的には輸出に頼り過ぎだ。貿易黒字は人民元の不当な安さにあり、しかもこれは中国人の安い労働力という犠牲の上になりたっているものだ。中国は米国債を売れない。

2、中国はまだ貧乏な国だ。軍事的にもまだまだ弱い。米国に挑戦する力はまだ備えていない。

3、中国は国内的に大きな問題を抱えていて不安定要素が多すぎる。ウィグル問題でサミットの途中で帰国したのはその一例。

●もちろんこれらが米中の関係強化を批判するポイントにはならない。しかしアメリカは中国の力を過大視することによってむしろ自分を安く売ってしまっているのでは?中国の影響力はまだそこまで大きくなってない。

====

という感じです。基本的に問題点を三つ指摘して「考え直せ」ということですね。

そういえば「中国絶賛論」の本を書いたイギリス人の著者がインディペンデント紙にコラムを書いておりました。

私としてはむしろこちらの記事のほうがいままでのものよりも要点が絞られていてわかりやすかったですね。

「中国を我々西洋のスタンダードにあてはめて見ることはやめとけ」という、ケン・ブースの言った、いわゆる「エスノセントリズム」(ethnocentrism)の問題を指摘しております。
b0015356_0113494.jpg
(ラザウォークのポスター)
Commented by 宇下人言 at 2009-08-02 06:34 x
掲載されている写真を見て笑ってしまいました。
「新星堂」って良い会社ですよね。
何の会社か知らないけど。
Commented by カカ at 2009-08-02 09:22 x
「2、中国はまだ貧乏な国だ。軍事的にもまだまだ弱い。米国に挑戦する力はまだ備えていない。」
これは中国にとっては無問題です。中国に必要なのは、アメリカに自国を占領されないだけの軍事力だけで、これは広大な国土と広大な人口を武器に、中国は既に達成している。ここが、日本と中国の決定的な違いです。中国は武力ではなく、別の方法でアメリカを包囲していくでしょう。

「3、中国は国内的に大きな問題を抱えていて不安定要素が多すぎる。ウィグル問題でサミットの途中で帰国したのはその一例。」
私は中国のウイグルなどに対する民族浄化には怒りを覚えますが、中国の場合、圧倒的な人口という武器があるので、ウイグルの件も言われているほど不安定要素にはならないと思います。

「1、中国はアメリカに対して経済的にそこまで発言権があるわけではない。」
これだけは今のところ正解でしょう。米国と中国は、抱き合い心中の関係になっていますから(笑) でも、中国は内心は、この関係を嫌がっているから、中国は内需を拡大させようと(米国市場への依存度は下げようと)、やっきになっていると思います。
Commented by 愚人 at 2009-08-02 18:31 x
ここまで同意できる中国論は初めてです。

米国が中国を持ち上げ過ぎているように感じる昨今、さも世界で米国から中国へ覇権が既に移行しているか今にも移行しそうな印象を持たせ、米国自身で自らの威信を急速に低下させているように見えます。
貿易赤字、経常赤字、財政赤字の米国がやっていけるのは、その威信によって金を集めて、その金を使ってあらゆる分野で圧倒的な力を維持しているからで、威信が低下すれば、瞬く間に米国は崩壊するように思えるのですが。
日本とて、米国の威信に平伏している(長いものに巻かれている)だけで、中国の威信が上回れば中国に平伏すでしょうし。

ただでさえ中東政策の失敗で威信が低下しているのに、この辺を米国の政治家はどう思っているのかが気になるところです。無闇に自信があるのか、国債を握られている手前なのか。
Commented by nanashi at 2009-08-02 22:18 x
間接戦略で、やむおえず直接介入した時の作戦計画の終了のさせ方は、負けて撤退したイメージを残すことでしょう。
相手に勝利感を覚えさせて作戦を終了するのが間接戦略でしょう。
米国は強大になったので、そこまで演出しなければならないと思います。
今回の金融危機だって、意図的に起こしたと考えていますよ。私は。
Commented by 寝太郎 at 2009-08-02 23:10 x
PC冷却の件、拙案を早速お試し下さり光栄です。
私の氷枕は2000円程の価格でした。通販でも3000円程度が相場のようで、500円の氷枕とはどのような形状なのか心配です。
冷却効果はPCとの接触面積、温度差、枕の熱容量で決まります。市販の冷却パッドは熱容量が少なく「パッド内の熱伝導性=パッド温度の不均一性」に不満があり、氷枕の応用に思い至りました。しかし複数の冷却パッドを短時間に交換しながら利用すればそれでもOKでしょう。
ファンの回転数(最近の機種では3段階)や排気温度に御留意頂ければ効果の有無がわかります。私は冷房が苦手なのですが、上記の最善設定でも改善されない場合(熱帯夜等)は一時休憩か、冷房の効いた所への避難して下さい。冷却を無視して旧式の高熱ノートPCを熱暴走させ、HDD+基板を破壊した苦い経験から。

Commented by masa_the_man at 2009-08-03 21:26
宇下人言さんへ

>「新星堂」って良い会社ですよね。何の会社か知らないけど。

うまいですなぁ(笑)コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2009-08-03 21:30
カカ さんへ

>中国に必要なのは、アメリカに自国を占領されないだけの軍事力だけで、これは広大な国土と広大な人口を武器に、中国は既に達成している

なるほど。たしかに決定的な違いですな

>別の方法でアメリカを包囲していくでしょう。

包囲できるかどうかはわかりませんが、すくなくともパワーを落とそうとはするでしょうね。

>圧倒的な人口という武器があるので、ウイグルの件も言われているほど不安定要素にはならない

問題は「彼らがどう思うか」という部分なんですよね。そう感じたら問題は問題になるわけですし。

>米国と中国は、抱き合い心中の関係

というか、アメリカ的にいえば相互確証破壊(MAD)でしょうか。

>内需を拡大させようと(米国市場への依存度は下げようと)、やっきになっている

アメリカ側はそれが自分たちの利益(つまり中国国内でモノを売れる)になると考えているわけで、ここに感覚のギャップが。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2009-08-03 21:34
愚人さんへ

>米国自身で自らの威信を急速に低下させているように見えます。

先取りしすぎて自分の足下を、ということですな。

>威信が低下すれば、瞬く間に米国は崩壊するように思えるのですが。

ただここで問題になるのが「軍事力」なんですよね。これがその「威信」にどこまで影響しているのか誰にもわからないところがミソなわけで。

>長いものに巻かれている)だけで、中国の威信が上回れば中国に平伏すでしょうし。

これが私としても気がかりなんですよね。過去五百年のパターンからはつねにこれが見えます。

>この辺を米国の政治家はどう思っているのかが気になるところです。

3パターンあると思います。気に食わない人間と、それを利用しようという人間、そしてその現実を見ようとしない人間ですな(笑)コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2009-08-03 21:36
nanashi さんへ

>相手に勝利感を覚えさせて作戦を終了するのが間接戦略でしょう。

問題はその後なんですよね。

>今回の金融危機だって、意図的に起こしたと考えていますよ。私は。

そうなると、その後の秘策はあるんでしょうか。私としてはその後が非常に気になります。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2009-08-03 21:38
寝太郎 さんへ

>500円の氷枕とはどのような形状なのか心配です。

けっこうソフトな枕タイプですね。

>「パッド内の熱伝導性=パッド温度の不均一性」に不満があり、氷枕の応用に思い至りました。

なるほど、合理的に考えられたわけですな。

>ファンの回転数(最近の機種では3段階)や排気温度に御留意頂ければ効果の有無がわかります。

実はこれを書き込みながら試しております。冷却ファンもいいかなと考えてますが。

>冷却を無視して旧式の高熱ノートPCを熱暴走させ、HDD+基板を破壊した苦い経験から。

そんなことが・・・・やはり熱対策はちょっと気をつけないといかんですな。コメントありがとうございました
Commented by カカ at 2009-08-03 22:37 x
上で、中国が内需を拡大させて、アメリカ市場からの依存度を下げようとやっきになっていると書きましたが、たしかに奥山さんの言うとおりで、アメリカはむしろ、それを望んでいるんですよね...

>「アメリカ的にいえば相互確証破壊(MAD)でしょうか。」

もし、米中が抱き合い心中したら、どちらの国家のほうがダメージが大きいのかな?と考えたんですが、どちらもダメージが大きいですが、あえて言うなら、独裁体制の中国ですかね。民主主義国家の場合は、選挙が民衆の不満のはけ口になっていますが、独裁体制の中国の場合は、そうはいかない。まあ、アメリカのほうも、世界覇権を失い、連邦制の危機が来るという見方がありますが。 しかし、一番、笑うのは、米中という国家ではなく、世界を股に駆けている国際金融資本勢力かもしれません。彼らにとっては、国家は金儲けの玩具、米国が崩壊すれば新しい宿を探すだけ。しかも、米国が中国を抱き合い心中という形で崩壊させてくれたら、その後、国際金融資本勢力が中国をより儲け易い国家体制に作り変えやすくなる。
Commented by アラスカ at 2009-08-04 01:26 x
このエントリーで書かれているような事を一番良くわかっているのが、実は中国自身だったら面白いですね。

>>長いものに巻かれている)だけで、中国の威信が上回れば中国に平伏すでしょう

一方、中国は「日本を寝返らせたら、アメリカとの差をかなり埋められる」とか考えているのかも知れませんね。
Commented by masa_the_man at 2009-08-04 11:01
カカ さんへ

>どちらもダメージが大きいですが、あえて言うなら、独裁体制の中国

そうなんですよね。とりあえず表面的に大丈夫なような顔してますが・・・

>米国が中国を抱き合い心中という形で崩壊させてくれたら、その後、国際金融資本勢力が中国をより儲け易い国家体制に作り変えやすくなる。

それをどういう形にするのかが興味あるところです。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2009-08-04 11:02
アラスカ さんへ

>一番良くわかっているのが、実は中国自身だったら面白いですね

実際そういうところはあるんじゃないでしょうか。彼らも完全なアホではないですからね。

>「日本を寝返らせたら、アメリカとの差をかなり埋められる」とか考えている

考えているでしょう。国際関係はパワーですから。コメントありがとうございました
Commented by Rogue Monk at 2009-08-04 20:51 x
>新星堂
たしか書店とか楽器店をチェーン展開している会社ですね。
高田純次には是非、「次期在駐中日本大使」をやって欲しいものです。
だって、中国を振り回せそうなのは、あの人か小泉くらいなんだものw

で「ムダヅモなき改革」第二巻です(適当にググってください)。
Commented by masa_the_man at 2009-08-04 21:04
Rogue Monk さんへ

>高田純次には是非、「次期在駐中日本大使」をやって欲しいものです。

わははは、たしかにこれは面白いかも(苦笑

>「ムダヅモなき改革」第二巻

これは本ブログでもけっこう話題になっておりますね。私自身がまだ読んだことないのが情けないですが(苦笑)コメントありがとうございました
Commented by Oink at 2009-08-05 00:02 x
民主・鳩山代表、集団的自衛権行使の憲法解釈見直しを否定
ttp://sankei.jp.msn.com/politics/election/090804/elc0908041959008-n1.htm

民主、公約の「日米FTA締結」から農畜産物除外
ttp://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin2009/news1/20090804-OYT1T00821.htm?from=main3

米国債中心の外貨準備、政権奪取後慎重に判断すること=民主党代表
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090804-00000834-reu-bus_all

民主党・岡田幹事長「政権奪取で日中関係はさらに前進」
ttp://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0803&f=politics_0803_011.shtml

民主党幹事長、政権交代後は「首相の靖国参拝と内政干渉は行わない」―中国紙
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090804-00000017-rcdc-cn

「台湾」「尖閣諸島」「沖ノ鳥島」「琉球」とかも
そのうち、中国の内政干渉になるんですかね?

日本の民主党政権が誕生して怖いのは、現在の日本が持つ
パワーを軽視しすぎているのではと感じられるところです。

それにしても鳩左ブレのAAは上手いな。
Commented by Oink at 2009-08-05 00:10 x
アメリカが中国を持ち上げすぎると、ロシア(安全保障)と日本(経済)の地位が脅かされると感じて、へそを曲げて変なことをしませんかね?

未来のある時点で中国が発展し、インドが失敗していたら
非欧米地域で民主主義に対する期待が薄れていくんじゃないですか?
Commented by nanashi at 2009-08-05 15:41 x
鳩山は、基本的に韓国のノムヒョン政権と同じ性質のものだと思います。
台湾の親中攻勢と同じで、白人の中国攻略の一環だと思います。
民主党が政権をとっても、アジアにとって何も良いことはありません。
Commented by masa_the_man at 2009-08-06 10:10
Oink さんへ

>ロシア(安全保障)と日本(経済)の地位が脅かされると感じて、へそを曲げて変なことをしませんかね?

あるかも知れませんねぇ。それをアメリカ側がどう感じるか、というところも興味あります。

>インドが失敗していたら非欧米地域で民主主義に対する期待が薄れていくんじゃないですか?

あると思います(笑)ここで紹介していた本が一つの先駆けになるかも知れません。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2009-08-06 10:13
nanashi さんへ

>鳩山は・・・白人の中国攻略の一環だと思います。

きましたねぇ。

>民主党が政権をとっても、アジアにとって何も良いことはありません。

この「アジア」というのは「(日本を含む)アジア全体」ということですよね。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2009-08-06 10:15
Oinkさんへ

>「台湾」「尖閣諸島」「沖ノ鳥島」「琉球」とかもそのうち、中国の内政干渉になるんですかね?

「内政」になるでしょうなぁ。

>日本の民主党政権が誕生して怖いのは、現在の日本が持つ
パワーを軽視しすぎているのではと感じられるところです。

自分たちにどれだけパワーがあるのか知らないという意味ではたしかに言えるかも知れません。

>鳩左ブレ

ハトサブレですか(笑)コメントありがとうございました
Commented by takahisa at 2009-08-08 02:39 x
最近知りました;
米中戦略対話に関する日本での報道は誤訳だとかどうとか。

「The relationship between the United States and China will shape the 21st century, which makes it as important as any bilateral relationship in the world」
⇒「米中関係は最も重要な関係である」

メディアのパワーは凄いですね。

リンク先は外務省報道官談話です。
Commented by masa_the_man at 2009-08-09 22:29
takahisa さんへ

>メディアのパワーは凄いですね。

たしかに(苦笑

>私共で在京の米国大使館に仮訳を確認しましたところ、「米中関係は、世界の他のどの二国間関係にも劣らないほど重要なのです。」との仮訳を得ました。在京米大使館によれば、「米中関係が世界のどの二国間関係より重要だ」との訳は不正確であると、是非今申し上げた仮訳を正確なものとして使用して欲しいということ

メディア側の過剰反応ですな。しかしこういう訳は致命的ですな。コメントありがとうございました。
by masa_the_man | 2009-08-02 00:12 | 日記 | Comments(24)