戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28

中国絶賛論:その2

今日の甲州は朝から曇り空でして、ぼけぼけしていたら日食があることをすっかり忘れて見逃してしまいました(苦笑

午後から群馬県太田市のかたにお招きいただきまして、講演会でお話させていただきました。

顔を見てみると運の良さそうな方々ばかりだったので、ちょっとびっくりしました。あれだけの数の運の良さそうな方々が一同に会しているのを見るのはなかなか壮観なものであります。

実は明日から某A省の主宰するあるセミナーに参加することになりまして、数日間東京で泊まり込みです。

その間にブログを更新できるのかどうかわかりませんが、けっこうネタはたまっているので、夜にネットカフェなどに繰り出してできるだけ更新したいと考えております(PC持ち込みは禁止みたいです)。

カナダの「エコノミスト誌」という位置づけのマクレーン誌が、例の中国絶賛論(When China Rules the World: The Rise of the Middle Kingdom and the End of the Western World)を書いた人物(Martin Jacques)のインタビューを載せておりました。これがなかなか興味深かったのでここにポイントフォームで要約を載せておきます。

===

●中国の勃興をなめるな。インパクトはデカイ。

●中国の行動の仕方は将来もそれほど変化するわけではない。

●2050年にアメリカの二倍のGDPになっても一人当たりでみると中国人はまだまだ貧乏。

●西側諸国は今までとは価値観の違う世界に生きることになることを覚悟せよ。

●中国は国民国家じゃなくて文明国家だ。中国という国家は中華文明を守るための存在にすぎない。

●中国を理解するには東アジアでのソフトパワーの広まりよ見よ。ここにあるのは人口数をはじめとする不均衡な状態だ。

●冊封体制が復活する。

●東南アジアに広がる華僑も重要。

●世界の中心としての中華思想は、世界を階層的に見る(つまり自分たちが一番上)。

●中国のもつ人種差別と文化優越主義を重視せよ。ウイグルもチベットも「我々が文化を教育してやる」という文脈で見ている

●私の妻(インド・マレーシア系)は中国人の人種差別の犠牲になって香港の病院で亡くなった。

●白人は中国の人種差別的なところをあまりみない。なぜなら人種差別の見方になれていないから。

●西側の学者は白人なのでそこがみえないが、黒人の学者は中国の人種差別に注目している。

●国際関係論の理論は人種について何も語らない。

●グアンタナモやイラクで起こった事件でも、人種差別が背景にあったことは否定できない。

====

長くなったので続きはまた明日。
Commented by N4 at 2009-07-23 12:29 x
はじめましてN4と申します。
近代の終わりというか、前近代への退行ですね。
中共の振る舞いからすれば、さもありなんと思いますけど。
これが実現化する過程で、
西側vs支那のアイデンティティをかけた戦争は必至なのでは、と思いました。
Commented by masa_the_man at 2009-07-23 15:42
N4 さんへ

>近代の終わりというか、前近代への退行ですね。

「退行」かどうかは見る人によっても違うかも知れませんが・・・でも一面ではそういう風に見えるかも知れませんね。

>中共の振る舞いからすれば、さもありなんと

たしかにそうですね。

>西側vs支那のアイデンティティをかけた戦争は必至なのでは、と思いました。

その通りだと思います。倫理戦というか、世界観をかけた(ソフト&ハード両方を含む)闘いですね。コメントありがとうございました
Commented by elmoiy at 2009-07-23 17:56 x
>中国のもつ人種差別と文化優越主義を重視せよ。ウイグルもチベットも「我々が文化を教育してやる」という文脈で見ている

これは「中国」を「欧米」に置き換えても成り立つような(苦笑)

>西側の学者は白人なのでそこがみえないが、黒人の学者は中国の人種差別に注目している。

でもアフリカでは逆に黄色人種が差別されるんですよね(笑)

>世界の中心としての中華思想は、世界を階層的に見る(つまり自分たちが一番上)。

でも欧米諸国でも、歴史の必然として進歩した欧米モデルは「善」であり、それに逆らう国や民族は悪であり「野蛮」という考え方ですから。双方が自らの文明を最高のものとみなして妥協しないなら、「文明の衝突」が現実のものになりそうです。
Commented by sdi at 2009-07-23 18:58 x
>これから中国は平和的に発展し、中国が世界に同化するというよりも、世界が中国に同化していく
続きがあるということですが、上記の以前の紹介文の内容と今回のインタビューの論調がえらくチグハグな印象を受けます。「中国は平和的に発展」というのは経済支配や歴史教育や文化、倫理面での間接侵略という意味で言ったのでしょうか?
ローマ帝国は敗者(敵対していたの異民族)に対してローマ文明の一員として迎え入れる同化政策をとっていました。それと今の中共の行動がこの人には重なって見えるのかもしれませんが、私は同一レベルで語れるとは思いません。前にも言いましたが、彼らが目論んでいるのは「消化」だと思っています。
Commented by うぃすてりあ at 2009-07-23 22:16 x
>セミナー
これはもしかするとCGSですか?
Commented by sdi at 2009-07-23 22:17 x
あくまで、参考数値。
中国の2009年上半期GDPは139,862億元
中国の2008年の年間GDPは300,670億元
(以上国家統計局発表)
中共党中央の「8%成長」という計画が達成には
中国の2009年の年間GDPは324,724億元
そうなると、2009年下半期で184,862億元
これは2009年下半期は、上半期の3割増し成長しなくてはならないということになる。ただし、これらは全て名目GDPであることに注意。日米欧は物価変動を加味した実質GDPを四半期単位で発表して経済指標にしている。
ちなみに
2008年上半期のGDPは134,726億元
2008年の通年のGDPが300,670億元
そうなると下半期のGDPが165,944億元
ということになってしまうから、この数値がどこまで信頼できるか疑問ありだなあ。
Commented by k-kun at 2009-07-23 22:50 x
jim rogersの"a bull in china" を読んで圧倒されてしまったのですが、これから中国の発展がすごいことになりそうです。10年前はデフォルト寸前まで行ったのが、今では外貨準備高世界一ですからね。
中国人の友達に聞いてみると、内陸部では経済危機の影響を全く受けていないそうです。
overseas chineseの人たちは、欧米で教育受けて、しかも、3ヶ国語ぐらい平気で話すから、こんな人たち相手に競争することになったら、日本はかなわないんじゃないか。
上海株価指数のETFが大証に上場してるから、買っておいたほうがいいと思うよ。2倍や3倍くらいにはなるかもしれん。
世界経済は中国バブルで一息ついて、その後で中国バブルが破裂したときが本当に資本主義が終わるときだろうね。
最近、中国の資本主義化と米国の社会主義化が顕著だが、弁証法的に社会が発展していくというマルクスのモデルを見ているようだな。
Commented by masa_the_man at 2009-07-24 07:55
elmoiyさんへ

>これは「中国」を「欧米」に置き換えても成り立つような(苦笑)

たしかに(苦笑

>でもアフリカでは逆に黄色人種が差別される

逆差別ということで(苦笑

>欧米モデルは「善」であり、それに逆らう国や民族は悪であり「野蛮」という考え方

そうなんですよね。「ミラーイメージ」というか。

>双方が自らの文明を最高のものとみなして妥協しないなら、「文明の衝突」が現実のものになりそうです。

そうなるとフクヤマよりもハンチントンの正したが証明されてしまうわけで、コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2009-07-24 07:58
sdiさんへ

>上記の以前の紹介文の内容と今回のインタビューの論調がえらくチグハグな印象を受けます

そうなんです。エコノミスト誌の書評と著者本人のインタビューではけっこう違いが。

>「中国は平和的に発展」というのは経済支配や歴史教育や文化、倫理面での間接侵略という意味で言ったのでしょうか?

おそらく「戦争を起こさない」という意味だけで「平和」ということみたいです。

>彼らが目論んでいるのは「消化」だと思っています。

同化vs消化ですか。たしかにこの視点は面白いですなぁ。できればこの本をはやく読んでみたいところです。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2009-07-24 07:59
うぃすてりあ さんへ

>これはもしかするとCGSですか?

そうらしいです。今から出かけます。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2009-07-24 08:02
sdiさんへ

>ただし、これらは全て名目GDPであることに注意。

うーむ、なるほど(笑

>この数値がどこまで信頼できるか疑問ありだなあ。

私も昔、台湾の人に「中国のデーターはでたらめだから気をつけたほうがいいよ」と言われたことがありますが、まあ怪しさは残りますよね。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2009-07-24 08:06
k-kun さんへ

>これから中国の発展がすごいことになりそう

なるんでしょうな、さまざまな意味で。

>内陸部では経済危機の影響を全く受けていないそうです。

そうですか。

>こんな人たち相手に競争することになったら、日本はかなわないんじゃないか。

たしかにそこは心配なところなんですよね。

>その後で中国バブルが破裂したときが本当に資本主義が終わるときだろうね。

世界経済も終わってしまったらまずいことになりそうですが(苦笑

>最近、中国の資本主義化と米国の社会主義化が顕著だが、弁証法的に社会が発展していくというマルクスのモデルを見ているよう

しかも西と中国で入れ替わっているところがミソですね。コメントありがとうございました
Commented by カカ at 2009-07-24 19:41 x
k-kun さん
>中国人の友達に聞いてみると、内陸部では経済危機の影響を全く受けていないそうです。

そりゃ、そうでしょう(笑) 中国経済は地域格差が激しく、内陸部は沿海部に比べたら、まだまだ市場経済の浸透が凄く遅れている。このことが、内陸部が今回の世界経済危機の影響を受けにくかった要因です。
こういうふうに考えると、経済格差があることが中国の強みも言える(笑) 平等主義の日本人は、経済格差がある国は駄目なように考えてしまうが、むしろ、経済格差がない国のほうが、その国の経済・人口ピラミッドが歪でもろく、国家の奥行きが浅い国家とも言える。中国でも沿海部では経済発展の代わりに先進国病が起こっているが、でも、経済発展は遅れているが先進国病にかかっていない内陸部が控えているから、余裕があるとも言える。ある意味、リスク分散しているとも言える(笑)
Commented by k-kun at 2009-07-24 20:35 x
なるほどねえ。経済格差がリスクヘッジになってたとは、面白い考えですね。もっと大きく考えると、中国が遅れて自由市場に参加してきて需要を生み出しているから世界経済の危機がヘッジされているともいえそうですね。
Commented by カカ at 2009-07-24 22:20 x
つまり、どんな国家でも、ある程度の階層、階級が必要なんだよ。現在の日本は、階層、階級の違いが小さい国家。国民みんなが都市住民になりたがっている国家。そんな国家ほど脆く、バランスの悪いものはない。

ちょうど、李氏朝鮮が、科挙制度によって、一般庶民の多くが儒教の官僚になろうとして、農村が疲弊し、国家が衰退して崩壊したように。
Commented by Oink at 2009-07-24 23:31 x
ansan's楽しい中国新聞(中国ニュース)
ttp://ansan01.blog121.fc2.com/

中国人のネット世論?と意識は面白いですね。

「日本軍は処刑しようとしてた」麻生首相の謝罪求める

 首相には無視されたが、民主党の鳩山由紀夫代表と会えた。
代表は元捕虜問題に理解を示し「個人的な意見」としながら、
日本人として申し訳ないとも語った。

ttp://www.zakzak.co.jp/top/200907/t2009072324_all.html

ttp://www.asahi.com/english/weekly/0705/02.html

Australian POW's return to Japan brings mixed relief for his sufferingBy Hiroshi Matsubara, Asahi Weekly

During his meeting with Coombs and McAnulty at the Diet building on June 19, Minshuto leader Yukio Hatoyama said he
"believes that the government should properly apologize and compensate to the enormous suffering of you or your family members."
Commented by k-kun at 2009-07-24 23:59 x
中国は、共産党が資本主義やってるから、カントリーリスクが大きいみたいだね。
ttp://blog.goo.ne.jp/kitanotakeshi55
Commented by 愚人 at 2009-07-25 01:50 x
他は割合納得できるのですが、

>●中国は国民国家じゃなくて文明国家だ。中国という国家は中華文明を守るための存在にすぎない。

中共は寧ろ中華文明の破壊者ですよね。
西洋の人たちは文化大革命を何だと思っているのでしょうか?
Commented by masa_the_man at 2009-07-25 22:21
カカさんへ

>内陸部は沿海部に比べたら、まだまだ市場経済の浸透が凄く遅れている。このことが、内陸部が今回の世界経済危機の影響を受けにくかった要因

格差があるためにヘッジできている、と(笑

>経済格差があることが中国の強み

逆説的ですが、たしかにいえますね。

>ある意味、リスク分散しているとも言える(笑)

面白い視点です。たしかにこういう見方はできるところがありますねぇ。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2009-07-25 22:22
k-kunさんへ

>中国が遅れて自由市場に参加してきて需要を生み出しているから世界経済の危機がヘッジされているともいえそう

遅れてきたおかげでいまになってフィーバーと。あるかもしれませんねぇ。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2009-07-25 22:25
カカさんへ

>どんな国家でも、ある程度の階層、階級

それと「地理の奥行」、ということもある程度言えそうですね。

>そんな国家ほど脆く、バランスの悪いものはない。

これって現在の韓国やシンガポールなんかにも言える部分が。

>科挙制度によって、一般庶民の多くが儒教の官僚になろうとして、農村が疲弊し、国家が衰退して崩壊したように

国家にもある程度の多様性が必要だと。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2009-07-25 22:35
Oinkさんへ

>中国人のネット世論?と意識は面白いですね。

ああ、これは私が向こうで聞いた発言と似ているところがあります(苦笑

>首相には無視されたが、民主党の鳩山由紀夫代表と会えた。

なるほど、やっぱりそうくるんでしょうなぁ。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2009-07-25 22:40
k-kun さんへ

>私は中国の成長に100%確信を持っていますし、自分でもビジネスを展開しています。ただし、上記の理由で中国の株式に投資することは致しません。

冷静ですなぁ。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2009-07-25 22:43
愚人さんへ

>中共は寧ろ中華文明の破壊者ですよね。

うーん、たしかにそうなんですが、今の彼らはそういうことは考えてもいないし、中国の「国民」(というものがあれば、ですが)もそういう風には感じていないような。

>西洋の人たちは文化大革命を何だと思っているのでしょうか?

そうなんですが、要は中国人自身が方針転換したことを忘れている、ということもありそうなんですよね。コメントありがとうございました
Commented by ks at 2009-07-30 03:46 x
国民国家→国民=国家
文明国家→文明=国家
歴代中華帝国は異なる文化をもった複数の民族が王朝を築いている。
その共通点は、かの地域が世界の中心であり(中華思想)、そこを支配する者が世界の支配権を有する(華夷秩序)という思想(中華文明の精髄)を受け入れていること。
この思想が中華帝国を国家として成立させているとみれば、国民国家ではなく
文明国家といえるのではないでしょうか。(文明的国家でも文化的国家でもない)
Commented by masa_the_man at 2009-07-31 22:25
ks さんへ

>共通点は、かの地域が世界の中心であり(中華思想)、そこを支配する者が世界の支配権を有する(華夷秩序)という思想(中華文明の精髄)を受け入れている

なるほど。

>この思想が中華帝国を国家として成立させているとみれば、国民国家ではなく文明国家

そうなんでしょうな。この著者の見解はまあ正しいわけで。コメントありがとうございました
by masa_the_man | 2009-07-23 02:19 | 日記 | Comments(26)