2009年 07月 08日
名著で学ぶ戦争論+10:その2 |
今日の甲州は久しぶりに晴れまして、かなり蒸し暑い一日でした。
まずはお知らせです。
拙訳の新刊『進化する地政学』が来週の13日に大手書籍店の店頭にならぶことが決定しました。私のところには著者献本が今日届くとのこと。楽しみです。
さて、戦略学の名著のリストの続きを。
6、John Baylis et al.eds., Strategy in the Contemporary World: An Introduction to Strategic Studies, OUP, 2007.
戦略研究の教科書としては文句無しの存在。アクセスのしやすさという意味ではフリードマンのWarを越える。戦略研究だけではなく、安全保障学のテキストとしても使える幅の広さを持つ。現在翻訳が進んでいるという噂があるが、抄訳になるという可能性もあるとか。ぜひ完訳をお願いしたいところがだが・・・
7、Jeremy Black, Rethinking Military History, Routledge, 2004.
マイナーだが実に多くの示唆が込められた秀作。「軍事史をどのように考えるか」というテーマを中心に、欧米のいままでの戦略研究がいかに偏ったものであったのかを様々な観点から指摘している。
8、マイケル・I. ハンデル 著、防衛研究所翻訳グループ訳『戦争の達人たち―孫子・クラウゼヴィッツ・ジョミニ 』原書房、1994年
題名そのままに、孫子とクラウゼヴィッツ、そしてジョミニという三人の戦略思想家を比較検討したもの。結論としては戦略には民族と時代を越えた共通性がある、ということ。理路整然と分析しているアプローチの仕方が我々にとってもかなり参考になる。日本語版は読みやすいのだが、残念ながらかなり抄訳されているので、英語が読めるかたは是非とも原著を。
9、Gerard Chaliand ed. , The Art of War in World History: From Antiquity to the Nuclear Age , University of California Press, 1994.
圧倒的な分量とその濃い内容からいきなり古典の扱いを受けた名作。古代から現代までの戦略について書かれた文献の重要箇所を抜き出して紹介。フリードマンのWarのようなリーダーではあるが、なんといっても扱っている文献の幅広さに圧倒される。
10, エリオット・コーエン著、中谷 和男訳『戦争と政治とリーダーシップ』アスペクト、2003年
最後の一つを迷ったが、とりあえずエリオット・コーエンのこの名著を。いわゆる政軍関係について述べたものだが、なぜか日本での注目度はかなり低い(この間の学会でもこの本についての言及無し)。戦略の難しさと個人のリーダーシップとの関連性について示唆に富む指摘が多い。訳にやや問題があるが、短期間で急いで訳したことを考えれば我慢できる範囲か。
まずはお知らせです。
拙訳の新刊『進化する地政学』が来週の13日に大手書籍店の店頭にならぶことが決定しました。私のところには著者献本が今日届くとのこと。楽しみです。
さて、戦略学の名著のリストの続きを。
6、John Baylis et al.eds., Strategy in the Contemporary World: An Introduction to Strategic Studies, OUP, 2007.
戦略研究の教科書としては文句無しの存在。アクセスのしやすさという意味ではフリードマンのWarを越える。戦略研究だけではなく、安全保障学のテキストとしても使える幅の広さを持つ。現在翻訳が進んでいるという噂があるが、抄訳になるという可能性もあるとか。ぜひ完訳をお願いしたいところがだが・・・
7、Jeremy Black, Rethinking Military History, Routledge, 2004.
マイナーだが実に多くの示唆が込められた秀作。「軍事史をどのように考えるか」というテーマを中心に、欧米のいままでの戦略研究がいかに偏ったものであったのかを様々な観点から指摘している。
8、マイケル・I. ハンデル 著、防衛研究所翻訳グループ訳『戦争の達人たち―孫子・クラウゼヴィッツ・ジョミニ 』原書房、1994年
題名そのままに、孫子とクラウゼヴィッツ、そしてジョミニという三人の戦略思想家を比較検討したもの。結論としては戦略には民族と時代を越えた共通性がある、ということ。理路整然と分析しているアプローチの仕方が我々にとってもかなり参考になる。日本語版は読みやすいのだが、残念ながらかなり抄訳されているので、英語が読めるかたは是非とも原著を。
9、Gerard Chaliand ed. , The Art of War in World History: From Antiquity to the Nuclear Age , University of California Press, 1994.
圧倒的な分量とその濃い内容からいきなり古典の扱いを受けた名作。古代から現代までの戦略について書かれた文献の重要箇所を抜き出して紹介。フリードマンのWarのようなリーダーではあるが、なんといっても扱っている文献の幅広さに圧倒される。
10, エリオット・コーエン著、中谷 和男訳『戦争と政治とリーダーシップ』アスペクト、2003年
最後の一つを迷ったが、とりあえずエリオット・コーエンのこの名著を。いわゆる政軍関係について述べたものだが、なぜか日本での注目度はかなり低い(この間の学会でもこの本についての言及無し)。戦略の難しさと個人のリーダーシップとの関連性について示唆に富む指摘が多い。訳にやや問題があるが、短期間で急いで訳したことを考えれば我慢できる範囲か。
by masa_the_man
| 2009-07-08 01:14
| 日記