戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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チャイメリカ(ファーガソンvsファローズ)

NYタイムズの(元ネオコン)コラムニストであるデヴィッド・ブルックスが、アスペンで行われたニアル・ファーガソンとジェームス・ファローズの対談をレポートしております。

この対談の様子は動画にもなっていて、一番重要な場面だけがハイライトされているみたいですね。ブルックスもこの場面を以下の記事の中で紹介しております。

ここで面白かったのは、現在は中国に三年間住んでいて、80年代に日本に滞在して反日的な記事を書いていたファローズの「今の中国と昔の日本の態度の違い」という部分です。

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Chinese Fireworks Display

By DAVID BROOKS
Published: July 2, 2009

(中略)

During the first few years of the 21st century, Chimerica worked great. This unit accounted for about a quarter of the world’s G.D.P. and for about half of global growth. But a marriage in which one partner does all the saving and the other partner does all the spending is not going to last.

The frictions are building and will lead to divorce, conflict and potential catastrophe. China, Ferguson argued, is now decoupling from the United States. Chinese business leaders assume that American consumers will never again go on a spending binge. The Chinese are developing an economy that relies more on internal consumption.

Chinese officials are also aware that the U.S. will never get its fiscal house in order. There may be theoretical plans to reduce the federal deficit and the national debt, but there is no politically practical way to get there. Depreciation is inevitable and the Chinese are working to end the dollar’s role as the world’s reserve currency.

Chinese nationalism is also on the rise. The Internet has made young Chinese more nationalistic. The Chinese are acquiring resources all around the world and with them, willy-nilly, an overseas empire that threatens U.S. interests. The Chinese are building their Navy, a historic precursor to expanded ambitions and global conflict.

Think of China, Ferguson concluded, as Kaiser Wilhelm’s Germany in the years before World War I: a growing, aggressive, nationalistic power whose ambitions will tear through pre-existing commercial ties and historic friendships.

James Fallows of The Atlantic has lived in China for the past three years. He agreed with parts of Ferguson’s take on the economic fundamentals, but seemed to regard Ferguson’s analysis of the Chinese psychology as airy-fairy academic theorizing. At one point, while Fallows was defending Chinese intentions, Ferguson shot back: “You’ve been in China too long.” Fallows responded that there must be a happy medium between being in China too long and being in China too little.

Fallows pointed out that there is no one thing called “China” or “the Chinese,” and that many of the most anti-American statements from Chinese officials are made to blunt domestic anxiety and make further integration possible. That integration, Fallows continued, is deep and will get deeper. Many, many Chinese leaders were educated in the U.S. and admire or at least respect it. If you go to cities like Xian, you find American and European aviation firms fully integrated into the commercial fabric there.

Fallows’s main argument, though, was psychological. When he lived in Japan in the 1980s, he said, he sometimes felt that the Japanese had a chip-on-their-shoulder attitude in which their success was bound to U.S. decline. He says he rarely got that feeling in China. Instead, he has described officials who are thrilled to be integrated in the world. Their mothers had bound feet. They themselves plowed the fields in the Cultural Revolution. Now they get to join the world.

Some of the officials interviewed by Fallows believe the U.S. is following unsustainable fiscal policies that will lead to decline, but they view this with frustration, not joy. Fallows doesn’t know what the future will hold, but he believes that Chinese officials still see the dollar as their least risky investment. Domestically, China will not turn democratic, but individual liberties will expand. He agreed that China and the U.S. will dominate the 21st century, but he painted the picture of a more benign cooperation.

I came to the debate agreeing more with Fallows and left the same way, but I was impressed by how powerfully Ferguson made his case.

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これを読むと、ファローズはたしかに日本のほうが「アメリカに負けないぞ」という態度を示していたのに対して、今の中国の要人たちは「アメリカさん、しっかりしてもらわないとまずいんですよ〜」と心配しているとか。

ファーガソンは「中国はもっと自信を持っているよ」という態度ですが、現場にいるファローズはそういう風に見ていないみたいですね。

この見解の違いについて、動画の中にも出ているように、ファーガソンは「ファローズさん、あんたは中国に滞在しすぎだからだよ」と言っておりますが、ファローズのほうは「あなたは逆に全然中国滞在の経験がないじゃないですか(苦笑)」と応酬しておりますね(笑
Commented by t at 2009-07-05 08:44 x
中国の政府関係者の、ジャーナリスト向けの態度というかサービストークを鵜呑みにするわけにはいかないような。中国政府はそうとうしたたかな印象があるので、「今」はアメリカから悪の枢軸認定されないように頑張っているという解釈の方がしっくりきますね。彼らの本音がどこにあるかは、実際にやっている軍事費増加と、空母保有論の方が語っていると思います。この辺、下手に中国にいて政府関係者にたらしこまれてる人よりは外野の方が信用出来そうですが。

記事中で the China, the Chineseなどないと言っていますが、これ命題としては正しいけど印象操作の感がぬぐえませんね。中国人みんながアメリカを陥れる陰謀の加担者なわけないのはその通りですが、中南海が描く将来プランとは関係ないですからね(民主化してない中国では特に)。
Commented by Oink at 2009-07-05 09:52 x
今の中国と日本を比べるとしたら、80年代の日本じゃなくて
30年代から40年代の日本と比べるのが適当なんじゃないですかね?
一人当たりのGDPと国のGDPの関係が違いますけど。

一応、1940年に東京オリンピックを開く予定でしたし。
Commented by とおる at 2009-07-05 18:05 x
> 「ファローズさん、あんたは中国に滞在しすぎだからだよ」

「中国の工作に、まんまと嵌ったからだよ」と言いたかったのかも。
Commented by elmoiy at 2009-07-05 19:57 x
>今の中国の要人たちは「アメリカさん、しっかりしてもらわないとまずいんですよ〜」と心配しているとか。

中国は自国のことを「超大国になり損ねた国」だと考えていますが、その一方、自信のなさやコンプレックスも抱えているというアンビバレントな状態にあるのだと思います。そのどちらの面をみるかによって中国の印象はかなり変わってくるでしょう。

問題は指導者層が自らの権力の正統性、党体制の存続に異常なほどの不安と恐怖を抱いていること、そのために軍依存を強め、また世論による非理性的なナショナリズムを阻止できないでいることです。

開発独裁国家によくあることですが、経済発展が失速すると、権力者の正当性にとって致命的な痛手になるので、少なくとも現時点ではアメリカに踏ん張ってもらいたいと考えているのではないでしょうか。
Commented by masa_the_man at 2009-07-05 23:35
tさんへ

>中国の政府関係者の、ジャーナリスト向けの態度というかサービストークを鵜呑みにするわけにはいかないような。

そうなんですよ。ファローズの怪しさはそこらへんにあるわけで(苦笑

>「今」はアメリカから悪の枢軸認定されないように頑張っているという解釈の方がしっくりきます

ですね。

>下手に中国にいて政府関係者にたらしこまれてる人よりは外野の方が信用出来そう

たしかに。

>中南海が描く将来プランとは関係ないですからね(民主化してない中国では特に)。

政治の意志が民衆と切り離されているというところがミソですよね。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2009-07-05 23:37
Oink さんへ

>80年代の日本じゃなくて30年代から40年代の日本と比べるのが適当

かも知れませんな。ファーガソンは1900年代のドイツと比べてますが。

>一応、1940年に東京オリンピックを開く予定でしたし。

そういえばドイツではベルリンがありましたな。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2009-07-05 23:38
とおる さんへ

>「中国の工作に、まんまと嵌ったからだよ」と言いたかったのかも。

まあ半分はそういう意味が含まれているのかも知れませんな(苦笑)コメントありがとうござました
Commented by masa_the_man at 2009-07-05 23:41
elmoiy さんへ

>自信のなさやコンプレックスも抱えているというアンビバレントな状態にある

これはそうですね。激しく同意。

>自らの権力の正統性、党体制の存続に異常なほどの不安と恐怖を抱いていること、そのために軍依存を強め、また世論による非理性的なナショナリズムを阻止できないでいる

しかしこればっかりは彼らもコントロールできないですからねぇ。

>経済発展が失速すると、権力者の正当性にとって致命的な痛手になるので、少なくとも現時点ではアメリカに踏ん張ってもらいたい

そういう意味ではファローズのほうが内部から見ている視点に近いところがあるのかも。あいかわらずelmoyさんの分析は鋭いですなぁ。コメントありがとうござました
by masa_the_man | 2009-07-05 00:01 | 日記 | Comments(8)