戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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首切り戦略の反対の概念

今日の甲州は梅雨の真っただ中だというのにほとんど雨が降らず、日中は少し日も射しておりました。

近所の桃の出荷がそろそろ本格的になってきたみたいで、原付で塩山方面に走っておりますと、桃畑からの甘い香りがプ〜ンと漂ってきます。あー、たまらん。

さて、今日は簡単に昨日のエントリーで紹介した記事について。

その記事のタイトルは

South to Boost Surgical Strike Capability Against North

というものだったのですが、私が以前から気になっていたのがこの太字の「サージカル・ストライク・ケーパビリティ」という部分。

これを直訳すると「外科手術的攻撃能力」ということになるんですが、この「外科手術的」という部分が西洋、とくにアメリカの戦略文化の典型的な概念だなぁと私は以前からつくづく感じておりました。

私はカナダ時代に西洋哲学史のクラスを集中的にとっていた時期に、なんというか、「西洋の(戦略)文化」というものに対して異様に敏感になっていたことがありまして、毎日が西洋の概念との格闘の繰り返しの中だった時に、逆にノドの渇きを覚えて、その反発で東洋哲学を読みふけったことがあります。

その時に実感したのがこの「西洋vs東洋」という概念の違いなんですが、今回のような韓国の新しい軍事戦略(or 戦術)の概念として出てきた「外科手術的攻撃能力」というのは、完全に「西洋(医学)」の概念が混じってますよね。

ところが我々日本人というのは基本的に東洋人ですから、このような「外科手術的〜」という言葉を聞いても何か違和感みたいなものを感じてしまう人が多いような。

私はこれは西洋の戦略文化が生み出した概念であることをわざわざ学校で習った人間ですから「ああ、またか」という感じなんですが、自分の中での「西洋vs東洋」という対立の歴史(?)があるものですから、こういう概念を見ると、

「じゃあ外科手術の反対として、内科的診察型攻撃、もしくは漢方薬的攻撃というものはないんかい!

と突っ込みを入れたくなってしまうんですね(苦笑

ある意味でキルカレンやペトレイアスなどが提唱しているのはこの「東洋的な手段」なのかも知れませんが、逆に韓国のような東洋の国が「外科手術的攻撃」と言っているのを聞くと、どうも不思議な感覚を感じざるを得ません(苦笑
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(先生の自宅の書斎:その3)
Commented by k-kun at 2009-07-01 09:27 x
漢方薬的攻撃は、3S(sex,sports,screen)政策のような陰の攻撃じゃないですかね。
Commented by とおる at 2009-07-01 09:34 x
> 「じゃあ外科手術の反対として、内科的診察型攻撃、もしくは漢方薬的攻撃というものはないんかい!」

「内科的診察型攻撃、もしくは漢方薬的攻撃」は、中国共産党が得意のようで、直接的に武力衝突せず、内部から自分に都合の良いように変える方法ですね。(笑)
元は、「孫子の兵法」なのでしょうが。

> 韓国のような東洋の国が「外科手術的攻撃」と言っているのを聞くと、

韓国は「切れる」のが得意なので、その「切れ」を用いた外科手術には、うってつけ?
煽てたり、煽れば、「切れ」て突っ走りそうな感じです。
Commented by nanashi at 2009-07-01 12:50 x
内科的戦略というのは、日本のやり方ですね。
とにかく身の回りの資源でなんとかやりくりする方法を教えて、相手国を変える戦略です。
日本の内科的植民地であった韓国は、70年代に漢字を捨てたから、エリート層が「欧米では」出羽守の頭なんですよ。
元欧米植民地の戦後独立国に典型的な構造に変わってしまっている。
大日本帝国の遺産が消えて、まったく別の国になっているんです。
Commented by 通りすがりの野良猫 at 2009-07-01 14:02 x
外科手術的攻撃が対比する物というと、荒っぽい殲滅戦、スターリンのオルガン、東京大空襲のような絨毯爆撃、といった範囲攻撃を想起するのですが。

「外科手術的」に匹敵する東洋医学的用語というと経絡を心得た「鍼灸治療的」とか。う~む、微妙ですが仕掛人 藤枝梅安的な?
Commented by からすみ at 2009-07-01 20:31 x
からすみです。私のわるぐちをいってたのしむひとのことがにくいです。こころのそこからうらみます。運が低下してもいいです。のろいます。このブログはあたしにとって、難しすぎてよくわからないのです。それのなにがわるいんですか。わからないなりに読んでいるとなんとなくおちつくのです。頭のいい人たちはせいかくわるい人も多いんですね><いらいらして、てぃらみすをいっきにたべちゃいました^^;;;
Commented by masa_the_man at 2009-07-01 20:34
k-kun さんへ

>漢方薬的攻撃は、3S(sex,sports,screen)政策のような陰の攻撃じゃ

いや、これはこれでけっこう過激で「漢方薬的」とはいえないような。うーん、自分の中でもまだ何が漢方薬的なのか結論が出ていないんですよね。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2009-07-01 20:37
とおるさんへ

>直接的に武力衝突せず、内部から自分に都合の良いように変える方法

そうですね。間接的アプローチなんですが、リデルハートの概念よりもさらに間接的で、まさに孫子的かもしれません。

>その「切れ」を用いた外科手術には、うってつけ?

そういう意味では非常に相性がいいのかも知れませんな(苦笑)コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2009-07-01 20:39
nanashiさんへ

>とにかく身の回りの資源でなんとかやりくりする方法を教えて、相手国を変える戦略です。

というか、自分もうまく変える、という面もあるかも知れませんな。

>大日本帝国の遺産が消えて、まったく別の国になっているんです。

こういう面から考えると台湾との差が目立ちますよね。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2009-07-01 20:41
通りすがりの野良猫さんへ

>東京大空襲のような絨毯爆撃、といった範囲攻撃を想起するのですが。

これもまあ大規模な外科手術でしょうなぁ。

>東洋医学的用語というと経絡を心得た「鍼灸治療的」とか。う~む、微妙ですが仕掛人 藤枝梅安的な?

池波正太郎できましたか(笑)そういう意味で考えると、必殺仕事人なんかも近いか??コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2009-07-01 20:42
からすみ さんへ

>てぃらみすをいっきにたべちゃいました^^;;;

うーん、からすみさんは本当に女性なんですかねぇ?どうも男性のような気がするんですが気のせいでしょうか?コメントありがとうございました
Commented by HDK at 2009-07-01 20:51 x
医者を自認することが「上から目線」という気がします。
そういった意味ではきわめて西洋的であるといえるかもしれません。
「遅れた国の病巣(指導者)を進んだ我が国が取り除いて進ぜよう」
というような。
Commented by 待兼右大臣 at 2009-07-01 21:28 x
東洋的概念で言えば
Surgical Strike=湯武放伐VS(Soft Power?=)内面指導
あるいは、通俗的に
武断政治vs徳治政治
というところでしょうか
Commented by elmoiy at 2009-07-01 21:41 x
>医者を自認することが「上から目線」という気がします。

カール・マルクスも「イギリスのインド支配」の中で、
「イギリス人はヒンドゥー文明が初めて迎えた自分より優越した、したがって影響を及ぼしがたい征服者であった。彼らは、その土着の共同体を解体し、土着の産業を絶滅し、土着の社会の偉大で高潔なものをすべて平均化することによって、ヒンドゥー文明を破壊した。インドにおけるイギリス人の支配に関する英雄的な記録はあの破壊にほとんどつきている。再生の仕事は、残骸の山の中に埋もれて、まだ表面に現れることはほとんどない。それにもかかわらず、それは始まっている」
と書いていますね。
Commented by elmoiy at 2009-07-01 21:48 x
>韓国のような東洋の国が「外科手術的攻撃」と言っているのを聞くと、どうも不思議な感覚を感じざるを得ません

トルコのケマル・アタテュルクによる改革、ロシア革命、中国の文化大革命、ポル・ポトの民主カンプチアもある意味同類ですね。

こういうやり方は度を越すと、土着の社会に再起不可能なほどのダメージを与えるので注意が必要なのですが。

外科手術は効果が高いけれど、失敗すれば一生残るほどの傷が残るのです。
Commented by sdi at 2009-07-02 00:26 x
>外科手術的攻撃
ざっくり刃物を入れて患部切除=軍事力で直接攻撃して目標を殲滅
投薬等でじわじわ治療して治癒=宣伝・工作等で浸透し目標を抹消
とすると、なんか癌治療に対して「癌は切る」「癌は切るな」論争に似ていますね。
前者は短期間でかつ「治療した」という検証がしやすい。ただ、患者に後々までダメージが尾を引く。さらに切除した患部以外に病根があった場合完治にならない。
後者は時間が掛かる上、治療側も患者側も効果の判定がしにくい上完治する保障がない。単なる時間稼ぎに堕ちてしまうケースもあり。結局ケースバイケースなってしまうのでしょうが、北の核対策としては発射命令権者と発射指令システムをもろとも吹き飛ばすというのなら、それこそ癌の切除と同じで手術後は「完治」したように見えるでしょう。その後、制癌剤等の内科治療でアフータケアすれば再発は防げるかもしれません。
Commented by masa_the_man at 2009-07-02 00:38
HDKさんへ

>医者を自認することが「上から目線」という気がします。

鋭い指摘ですねぇ。たしかにその通りだと思います。

>「遅れた国の病巣(指導者)を進んだ我が国が取り除いて進ぜよう」

ありますね、こういう意識が。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2009-07-02 00:39
待兼さんへ

>武断政治vs徳治政治

そうですね、これかも知れません。もうすでにアメリカの「徳知」はかなり難しくなってはいると思うんですが・・・。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2009-07-02 00:42
elmoiyさんへ

>彼らは、その土着の共同体を解体し、土着の産業を絶滅し、土着の社会の偉大で高潔なものをすべて平均化することによって、ヒンドゥー文明を破壊した

いえますねぇ。ただし完全には破壊できなかったところがミソですが。いまは逆にインドに侵攻されてますから(苦笑

>トルコのケマル・アタテュルクによる改革、ロシア革命、中国の文化大革命、ポル・ポトの民主カンプチアもある意味同類

あー、そうですね。

>外科手術は効果が高いけれど、失敗すれば一生残るほどの傷が残る

いえますね。言い得て妙です。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2009-07-02 00:45
sdiさんへ

>癌治療に対して「癌は切る」「癌は切るな」論争に似ていますね。

おおっ、これはたしかに(笑

>患者に後々までダメージが尾を引く。さらに切除した患部以外に病根があった場合完治にならない。

ですね。

>単なる時間稼ぎに堕ちてしまうケースもあり。

これは「北」がガンであるという前提なんですよね(笑)たしかにあの国は他の国とあまり交流せず、自分だけでがんばっているところはガンに似てますなぁ。

>発射命令権者と発射指令システムをもろとも吹き飛ばすというのなら、それこそ癌の切除と同じで手術後は「完治」したように見える

一時的にはそうですよね。

>その後、制癌剤等の内科治療でアフータケアすれば再発は防げるかもしれません。

ただしこの制癌剤というのが毒力が強そうで(苦笑)このたとえは面白いですなぁ。コメントありがとうございました
Commented at 2009-07-02 10:42 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by masa_the_man at 2009-07-03 00:16
waterlooさんへ

>目に見える物理的な病変のみを外科手術などで取り除く治療法を「姑息的療法」

あの番組はあいかわらずマニアックで(笑

>「姑息的療法」って原語では何と言うんでしょうね? 

さっぱり見当がつきません(苦笑)コメントありがとうございました
by masa_the_man | 2009-06-30 22:46 | 日記 | Comments(21)