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2014年 12月 24日

戦争とクリスマス

今日の横浜北部は快晴で、気温もここ数日の中では上がったほうかと。

さて、クリスマス・イブということですが、イギリスの友人から教えてもらったセインズブリーズ(スーパーマーケットのチェーン店)のクリスマス広告の動画がなかなかよく出来ていたのと、それに関する記事がありましたのでその要約を。

これは第一次世界大戦のクリスマス、つまり今からちょうど100年前の話です



クリスマス休戦から百周年
by アダム・ホースチルド

●今年の12月25日は、第一次世界大戦の有名な「クリスマス休戦」の百周年にあたる日だ。五ヶ月間にわたる前例のない工業的な規模の虐殺の後に、西部戦線では自発的に停戦が行われた。

●イギリスとドイツの兵士たちはクリスマスの日に互いにたいする銃撃をやめ、フランスやベルギーにあった泥だらけの両軍の塹壕の間の中間地帯に歩み寄り、食料やタバコ、それに贈り物を交換したりしている。

●この話は近年になってから本や歌詞、映画やオペラなどになっているが、実際に起こった事実である。彼らは賛美歌を共に歌い、豚をバーベキューにしたり、サッカーを楽しみ、一緒に写真収まったりしており、ドイツのビールとイギリスのラム酒を交換したりしている。

●両軍の士官たち(大佐のレベルまで)も相手側を迎えて話しあったりしている。

●ちなみにこのパーティーに参加するのを拒否したのが、当時25歳で部隊に参加していたアドルフ・ヒトラーであった。彼は停戦がショッキングで恥ずべきものであると感じたという。

●この記念日は他の予期せぬ平和の訪れのほとんどと違って、非常な称賛と共に祝福されている。ブリティッシュ・カウンシルはこの停戦の話を含んだ「教育パック」を英国のすべての学校に配布する手助けをしているほどだ。

●フランスのアルマンティエールでは休戦に関する展示会が開催され、この出来事を記念してサッカーの試合も開催されている。

●このクリスマス休戦が王族や市長、それに外交官たちにとって無害な理由の一つは、この出来事は戦争の主権にたいする挑戦ではなかったからだ。

●この停戦を許可したのは現場の士官たちであり、その停戦も長くは続かなかったからだ。大砲の咆哮とマシンガンの銃撃は1日か2日で再開され、しかもその停戦は二度と起こることはなかったからだ。

●つまりこれは何も脅かすものではないため、祝福してもよい性格のものとなったのだ。

===

動画のほうもなかなか感動的ですが、これって、似たような文化(キリスト教、騎士道など)を持った同士だったから実現可能であったということも言えそうです。

それにしても戦争のような過酷な状況の中では、人間の最悪の部分と最も素晴らしい部分の両極端なところが出るというひとつの典型的な例ではないでしょうか。



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by masa_the_man | 2014-12-24 00:55 | 日記 | Comments(0)
2014年 12月 18日

ジョン・ナグルの回顧録の書評

今日の横浜北部はよく晴れてますが、いやはや真冬並みの気温ですね。

さて、ここ数日は訳者「特権」を発動してミアシャイマーに帯同させていただき色々と刺激を受けているわけですが、今回は久々に戦略学に関する話題を一つ。

COINの中心人物だったジョン・ナグルの回顧録が新しく発売されて話題になっておりますが、さっそくその書評が出ておりましたのでその要約を。

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書評:‘Knife Fights: A Memoir of Modern War in Theory and Practice,’ by John A. Nagl

By ローザ・ブルックス

●ファッションの世界と同様に、米軍にもトレンドや流行がある。開始からまだ十年もたっていないが、対反乱作戦のドクトリン(COIN)は軍事関係の識者たちの間では大流行していた。

●ところがイラクとアフガニスタンにおける結果の見えない紛争のおかげで、COIN――これは現地の住民を保護し、正統性のある効率良い政府組織の構築を強調するもの――はまるでベネトンのセーターやゲスのジーンズと同様に、高くてスタイリッシュではなく着てて恥ずかしいようなものになってしまったのだ

●ジョン・ナグルの『ナイフ・ファイト』という回顧録はCOINを必死に擁護しているが、このような状況のために、本書が出版されたタイミングとしてはなかなか厳しいものがある。

●ハーヴァーフォード学院の校長で米陸軍の退役中佐であるナグルは、COINが出てきた当初から熱心に提唱していた人物である。

●一九八〇年代初めに陸軍士官学校(ウェストポイント)に入学した後、彼は二度とベトナム戦争のような複雑で曖昧な紛争は戦わないことを決心していた米陸軍に入隊している。

●ナグルは湾岸戦争では戦車中隊の少尉として従軍しているが、彼は米軍がイラク軍をあまりにもあっさりと片付けてしまったことに驚いており、当時のブッシュ(父)大統領も「われわれはベトナム症候群にとうとう打ち勝った!」と宣言したほどだ。

●ところがナグルにとってその高揚感は長続きしなかった。湾岸戦争の一年後に、彼はカリフォルニア州の米陸軍トレーニングセンターで、アラスカ州兵の歩兵中隊との戦闘のシミュレーションを行っていた。

●ナグルは自分の戦車部隊が方言も強い英語をしゃべる弱小アラスカ州兵に楽勝できると思っていた。ところがナーグルによれば、アラスカ州兵たちは「思いがけぬところか侵入し、われわれの両脇や背後を守っているはずの山を越えてきて、たった一年前に世界四位の規模を持つ陸軍に敵地で圧勝したわれわれのM1A1戦車を、わずかな数のなまりの強い、しかしわれわれの脆弱性をよく知っている兵力によって撃退したのである」と記している。

●この経験によって、ナグルは反乱軍や非通常戦をもっと理解しなければならないと決心した。彼はオックスフォード大学に入学し、彼が九七年に書きあげた博士号論文は『ナイフを使ってスープを飲むのを学習する』(Learning to Eat Soup with a Knife)という本として後に出版された。これはマラヤとベトナムにおける対反乱戦について書いたものだ。

●ところがアメリカでは原稿を本にしてくれる出版社を探すのに苦労した。彼によれば「どの出版社も、陸軍がどのように対反乱を学べばよいのかというトピックについては興味を持っていなかった」という。

●ところがイラク戦争のさなかにこの状況は一変した。米軍はイラク軍を簡単に打破できると思っていたところで思わぬ抵抗にあったために、多くに米陸軍の幹部たちはナグルがアラスカ州兵に負けた後に悟ったことを自分なりに解釈しはじめたのだ。

●対反乱作戦は突如として流行の概念となり、彼の書いた論文はとうとう出版されて、発売開始早々にCOINの「古典」となったのである。

●二〇〇六年にナグルはディヴィッド・ペトレイアス大将に米陸軍初となる対反乱戦マニュアルの作成に協力するよう求められている。本もNYタイムズ紙で綿密な書評が掲載され、ジョン・スチュワートの「デイリーショー」という人気のニュースエンターテイメント番組にも出演した。

●ところがCOINの人気は湾岸戦争後の勝利の高揚感と同じように、長続きはしなかった

●二〇〇八年の金融危機によって米軍の長期介入は財政的にも困難に見えてきたのであり、オバマ大統領もイラクとアフガニスタンにおける自身の目標が米軍の撤退にあり、対反乱作戦を続けて現地でのプレゼンスを永続させるところにはないことを明確にしたのである。

対反乱は、アメリカの敵を迅速で安価、そしてリスク無し(と思える形)で排除できる対テロ無人機攻撃にとって代わられることになった

●2012年にはCOINの流行が完全に終わった。批判的な人々は、その作戦が費用がかかりすぎて効果も出ないものだとしており、COINが強調する「現地住民の保護」と「能率的な統治機構の構築」というものが「敵の撃滅」という軍の本来の任務の危険な妨げになっていると見なしていた。

●2013年には米陸軍大佐のジアン・ジェンティール(Gian Gentile)が「作戦的な手段としても対反乱は・・・惨めな形で失敗した。対反乱作戦は終わったのだ」と結論づけている。

●今回紹介する『ナイフ・ファイト』の中で、ナグルはCOINの中心的なアイディアを擁護しつつ、これを軍の中の単なる流行だけでは終わらせてはいけないと厳しい警告を発している。

●ナグルは「今後の紛争の流れが、反乱や対反乱から通常戦に向かい続けているような兆候はまったくない」と宣言しており、もし軍が対反乱戦のスキルを失ってしまえば自らの首を締めることになると述べている。

●これについてトロツキーが語った戦争についての有名な言葉を借りれば、「あなたが反乱に興味を持っていなくても反乱側はあなたに興味を持っている」ということになる。

●ナグルにとって、イラクとアフガニスタンでの経験というのは「米軍がチャンスを失った、初期に犯した取り返しのつかないミス」であり、COINの失敗はCOINそのものというよりも、米軍の非効率的な文化にあるというのだ。

●アメリカはイラクとアフガニスタンの両方で対反乱的なアプローチを採用しているが、これも戦いを始めた後になってようやく実行し始めたものであり、その後もCOINは訓練や実践の面で表層的なものにとどまっていた

●つまり米軍には対反乱作戦を成功させるために必要となる「文化的な能力、言語スキル、そして組織的な訓練」に本気で投資したわけではないのであり、柔軟性の欠けた頑固な兵員や隊の中での出世システムがあったために、いままでの慣習を打ち破ろうとしたり、新しいアプローチを採用しようとした将校たちは閑職に追いやられることになったと述べている。

●ナグル自身の運命がそれを物語っている。2006年にCOINのマニュアルが発売されようとしている時に、米陸軍は派兵されないケンタッキー州のフォートリレーの戦車部隊の駐屯地に配備されたのだ。

●この派遣は彼の陸軍のキャリアにとって終わりを意味しており、「実戦でカンザス州を離れることはないと悟った」と悔しそうに記している。「実戦で指揮というのはそれまでの3年間での唯一の願いだったのに、それが失われてから私の中での米陸軍への忠誠心は失われてしまったのです」

●2008年に彼は米陸軍の最も創造的な若い将校たちの多くがすることと同じことをした。退役したのである。

●ナグルの警告は明快だ。今よりもさらに自省的で順応的にならなければ、米軍はこれまでの紛争から最も表層的で誤った教訓を得ることになる、ということだ。

●ベトナム戦争を経て米軍は対反乱戦や非通常戦から背を向けており、湾岸戦争は通常戦における能力についての誤った自信を発生させてしまったのだ。

●イラクとアフガニスタンではたしかにCOINや非通常戦のほうに揺れが戻っているが、それも拒否されて現在は主にエアパワーやハイテクのインテリジェンスや監視に頼るような「スタンドオフ・アプローチ」が採用されつつある。

●結局のところ、『ナイフ・ファイト』という本は嘆願書である。米軍は不確実で危険で変化しつづける世界においてその岐路に立っている。米軍は本物の順応的な組織に変わることもできるし、変わらずに一時的な流行にまどわされながらさまようかのどちらかなのだ。

===

うちの学校にもナグルが講演したことは本ブログでもかなり以前に報告させていただきましたが、このような本を読むたびに、私は『戦略の格言』の中でグレイが述べている

今日の流行の戦略コンセプトは明日になると陳腐化するのだが、それもいつかは再発見、再利用されて“新しい真理”として啓示される」(格言15)

という格言を思い起こさずにはいられません。



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by masa_the_man | 2014-12-18 12:02 | 日記 | Comments(2)
2014年 12月 17日

IGIJワークショップ:アメリカの軍事戦略

お知らせです。

明日の12月度IGIJワークショップ開催をご案内申し上げます。

今回のワークショップでは、米国空軍大学において米国陸・海・空軍・海兵隊・予備役・州空軍、そして戦闘機パイロットから医師・看護師、加えて25カ国を超える諸外国空軍の将官候補高級将校を教育するAir War College(政戦略課程)初の日本人Facultyでいらっしゃる片桐先生のご登場、日本側は桜美林大学教授でいらっしゃる加藤先生にご参加頂きました。お二方とも、国際社会が当面する新たな戦争の脅威、非対称戦、非国家主体などのご専門です。


「アメリカの軍事戦略―イラク・アフガン・シリア・ムスリム(国)―」
平成26年12月19日(金)1400-1630 
於:アルカディア市ヶ谷
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1400 開始・挨拶
1405-1435 「非国家暴力との戦い:アフガニスタン、イラク、イスラム国」片桐範之 米空軍大AWC助教授
1435-1505 「新たな脅威をどのように見るのか:非国家主体の挑戦」加藤朗 桜美林大教授
1505-1525 コメント 栁澤協二 IGIJ理事長
1525-1535 休憩
1535-1630  Q & A
1630 終了

パネリスト

Dr. Faculty Nori Katagiri (片桐 範之 米空軍大学高級将校課程助教授)
アメリカ空軍戦争大学・国際安全保障学部・助教授。米空軍の専門誌 Strategic Studies Quarterly の編集委員。AWCでは北東アジア地域学、東アジアの戦争ゲーム・シナリオ、「アジアの世紀」の授業などを担当。サウスカロライナ大学、コロンビア大学大学院(国際安全保障)、ペンシルベニア大学政治学部卒業。政治学博士。コーネル大学東南アジアプログラム、フィリピン大学、韓国アサン研究所、慶應義塾大学、平和安全保障研究所にて客員研究員、そしてランド研究所で夏期研究員を務める。ペンシルベニア大学出版会より Adapting to Win: How Insurgents Fight and Defeat Foreign States in War を出版(2014、http://www.upenn.edu/pennpress/book/15296.html)。他にも Harvard Asia Quarterly、Small Wars and Insurgencies、Comparative Strategy、African Security Review、Air & Space Power Journal などで研究を出版。

加藤 朗 桜美林大学教授
桜美林大学 国際学部教授。国際政治学、安全保障論。桜美林大学リベラルアーツ学群教授・国際学研究所所長、法務省第5次出入国管理政策懇談会メンバー。平和安全保障研究所研究委員・防衛法学会理事を兼務。1975年、早稲田大学(政治経済学部)卒、シカゴ大学社会学大学院国際関係学科留学後、早稲田大学大学院政治研究国際政治修士、防衛研究所入所、ハーバード大/モンタナ大客員研究員を経て1996年、桜美林大学国際学部教授。
著作に『戦争の読みかた―グローバル・テロと帝国の時代に』(2008年)・『入門・リアリズム平和学』(2009年)・『13歳からのテロ問題』(2011年)・柳澤協二らと『抑止力を問う―元政府高官と防衛スペシャリスト達の対話』(2010年)など。


*真に恐れ入りますが、聴講費(会員・法人会員・学生―1000円・非会員―3000円)を頂戴致します。ご出欠は当日1200時まで、hayashi@igij.org または、090-2308-7579までご連絡頂ければ幸いです。
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by masa_the_man | 2014-12-17 23:31 | 日記 | Comments(0)
2014年 12月 14日

来日中のミアシャイマー教授とは何者なのか?

今日の横浜北部は朝から快晴ですが、とにかく寒いです。今年一番の冷え込みでしょうか。

さて、すでにご存知のかたもいらっしゃるとは思いますが、私が著作を2冊翻訳したシカゴ大学のジョン・ミアシャイマーという学者が初来日中です。

大国政治の悲劇:改訂版
なぜリーダーはウソをつくのか

私は訳者という「特権」をフル活用しまして(笑)、来日初日となる11日(木)の夜の夕食会からご一緒させていただき、一昨日(12日)は、彼の来日最初となるイベントに参加してきました。

このシンポジウムのテーマは「中国の台頭とそれが東アジア全般に与える影響」という感じの、まさに日本にとっては重大なものだったのですが、ミアシャイマー自身は単なるコメンテーターの一人であり、最初に15分しゃべって、あとは会場からの質問に答えるだけ。

ところが世界的な学者に向かってこういうのは失礼かもしれませんが、ここでの彼の受けこたえが非常に鋭く、なんというか、彼の頭脳の鋭さがすでにいかんなく発揮されておりました。

その受け答えの様子を説明したいのですが、その前に「そもそもミアシャイマーの国際関係の見方ってどういうものなの?」という方もいらっしゃると思いますので、それを簡単に解説しておきましょう。

まずミアシャイマーの理論は、「攻撃的現実主義」(Offensive Realism)という名前がつけられております。

まず後ろの「現実主義」ですが、これは英語ではリアリズム(Realism)と言いまして、国際関係を対立や紛争をベースにして、パワー争いをする国家の動きを中心に冷酷に分析する理論のことです。

ではなぜ「攻撃的」(Offensive)なのかというと、これは国際政治全体を動かすメジャーなプレイヤーである「大国」(great powers)が常に拡大しようとして攻撃的に振る舞うものだと見ているからです。

そして「大国」が拡大しようとする理由は、国際社会(業界用語では国際システムといいます)の構造が、彼らを自然と拡大へと駆り立てるからです。

これをいいかえると、大国というのは国内的な事情や文化的な要因から拡大するのではなく、あくまでも「システム」という外的な要因から拡大せざるを得なくなる、ということなのです。

そしてこのように大国を拡大させようとする国際社会の構造は、互いを競い合わせることになるので悲劇的です。

だからこそ彼の本の題名は「大国政治の悲劇」なんですね。

これをまとめると、「システム的な理由から拡大しようと攻撃的に振る舞う大国を、冷酷にパワーの観点から分析する」というのがミアシャイマーの理論のキモなわけですね。

歴史的に「大国」たちの様子を見てみると、たしかにナポレオン戦争時代以降の近代のすべての「大国」たちは、一部例外を除いて、すべて攻撃的に拡大しようと行動してきました。

ナポレオンのフランス、ヴィルヘルム皇帝時代のドイツ、帝政ロシア、ソ連、帝国時代の日本など、たしかに歴史を見てみると拡大傾向をもつものばかり。

ただしその「一部の例外」があります。アメリカとイギリスです。

彼らは海に囲まれていた「島大国」であったために、陸の大国とは違って、ライバルとなる大国の土地を奪おうとはしませんでした。

それでも「大国」ですから、外への拡大への動機は残っておりまして、そのチャンスを活かしたのがアメリカです。

アメリカはとくに19世紀に、東部から西部へ一気に領土を拡大しておりますし、その後も(直接領土を獲得したわけではありませんが)南米やフィリピンのほうまで力を拡大していきます。

それが20世紀の前半にぶつかって第二次大戦の太平洋戦線につながったことはみなさんもご存知の通り。

つまり、大国は例外なく拡大しようとするのです。

このような国際政治の見方をするミアシャイマーですが、今回の訪日の際におそらく最もしゃべることを期待されているのが、一昨日のシンポジウムでもあったような「中国の台頭」というテーマ。

そしてミアシャイマー自身は、中国も「大国」であるために、国際的な「システム」の影響を受けて拡大せざるを得ないとみます。

そのために、彼は「中国の台頭は平和的?私の答えはノーです」と明快に答えるわけです。

参考までに、以下は去年末に中国で講演したミアシャイマーの様子。

もちろん一昨日のシンポジウムでもこのようなことを論じていたわけですが、会場の中には当然ながらミアシャイマーの理論をそこまで詳しく知らない人もいるわけです。

たとえば会場から出た質問の中に、

「中国は過去の大国とは違う統治機構(共産主義)や文化(儒教)を持っていますが、これらは彼らの地域覇権を目指した拡大には影響を与えるんじゃないですか?」

というものがありますが、当然ながら「国際システム」という要素だけを分析するミアシャイマーにとっては、政治体制や文化などの性格は関係ないということなるのです。

案の定というか、ミアシャイマーの答えは

「私は国際システムだけ見ますので、基本的にどんな大国でも一緒であり、例外なく拡大しようとします」

とバッサリ。

他にも、これまでミアシャイマーのことを全く知らなそうなご老人の方(もしかすると外務省かどこかのOB?)が、

「ASEANの地域フォーラムのようなマルチな信頼醸成による予防外交で軍事紛争は防げますかねぇ?」

という質問が出たのですが、これもリアリストのミアシャイマーにとっては問答無用の「ノー」のはず。

というか、こういう質問を聞く相手をそもそも間違っているような気が(苦笑

ところがミアシャイマーは相手を見て「過激なことを言ってはいかん」と思ったのかどうか、意外に「まあ効かないと思うんですが、わかりませんねぇ」とちょっとお茶をにごした曖昧な答え。

実際は「ノー」と言いたいところなのかも知れませんが、この場だけはなぜかソフトランディング狙いの答え方をしておりました。

この他にも色々と話はあるのですが、ここでは書ききれません。

とりあえず16日(火)夜の生放送で色々と話しますので楽しみにしていてください。

▼ミアシャイマー教授来日記念特番 生放送▼
http://live.nicovideo.jp/gate/lv202259729
2014/12/16(火)22:00~(番組冒頭は無料試聴可能です)

※21:00〜 通常の生放送もやります。
http://live.nicovideo.jp/gate/lv201953949



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by masa_the_man | 2014-12-14 09:38 | 日記 | Comments(4)
2014年 12月 12日

日米共同方面隊指揮所演習(YS)の見学に行ってきました

今日の横浜北部は曇っておりましたが、それほど寒くはありませんでした。

さて、日米共同方面隊指揮所演習、いわゆる「ヤマサクラ」(YS67)の見学に行ってきましたのでその報告を。

この指揮所演習は、82年から毎年日本の陸自の5個方面隊が持ち回りでアメリカの陸軍と開催している(机上)合同演習なのですが、私はここに有識者の一人として招待していただきまして、本日の午前中にその様子を見学させていただいた後に、午後に講演やパネルディスカッションなどを聞いてきました。

場所は和光市という駅のそばの朝霞駐屯地だったのですが、演習そのものはこの駐屯地の敷地の中の2ヶ月かけて設営されたテントの中で行なわれておりました。

どのようなシナリオで行っていたのかは守秘義務的なところからいえないのですが、基本的には架空の敵に日本が通常兵力によって侵攻され、それをまず自衛隊が押しとどめ、米軍の支援を受けて反撃に入って、最終的には撃退するというものでした。

アメリカの参加者は2000人、日本側は4500人というかなり大規模なもので、私たちが訪れた本日から演習ではちょうど反撃が始まったというところで、なんというか、テントの中はなんとなく熱気に包まれていたような感覚が。

一番印象に残ったのは演習における後方部隊の充実ぶりで、会計部門や法務(大量の弁護士)部門の存在が光っておりました。

とくに今回の目玉としては、陸自も米軍と同じ戦場の部隊配備をリアルタイムで表示するためのシステム(セントリクス)や、国民保護訓練などを新たに導入していた点でしょうか。

また、米軍兵士とまさに机を横にならべて訓練していたのも印象的でした。

ただしその後に会場を移しての識者同士の講演やパネルディスカッションの場では、いざ事態が発生した時に今回の演習のように米軍と机を並べて一緒に作戦行動をできるのかという疑問や、アメリカ側が演習に求めている「戦略の階層」が高すぎて(政治レベル)、自衛隊のほうが扱いきれていないという鋭い指摘も出てきました。

識者として呼ばれたのは主に安全保障分野が専門の財団の研究者や大学の先生、大手メディアの記者、他省の官僚、ジャーナリスト、それに自衛隊のOBの方々などでしたが、休み時間になるととたんに立ち話でワシントンの内容の濃い噂話などが飛び交っておりました。

残念ながら来日したばかりのミアシャイマーとの夕食会がありましたのでその後の懇親会には出られませんでしたが、大変充実した部隊研修となりました。

この部隊研修での裏話やミアシャイマーとの話については後ほどまた。




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by masa_the_man | 2014-12-12 00:52 | 日記 | Comments(2)
2014年 12月 08日

ミアシャイマーの来日講演ケジュール

今日の横浜北部はよく晴れました。やはり朝晩はかなり冷えるようになりましたね。

さて、すでにご存知の方もいらっしゃるとは思いますが、私が著書を2冊翻訳したシカゴ大学の史上最強のリアリスト、ジョン・ミアシャイマー教授が来日します。

もちろん私もいくつかのイベントに「訳者特権」で参加させていただくのですが、一週間ほどの滞在中に彼の講演を聞いてみたいという方もいらっしゃると思いますので、私が知り得る限りのスケジュールをここに公開しておきます。

のちほど新たに情報が判明しましたら、逐次修正しておきます。

11日(木):来日
12日(金):明治大学でシンポジウムに参加:※無料、同時通訳あり
13日(土):同志社大学で講演:※予約不要、同時通訳なし
14日(日):京都観光?
15日(月):首相官邸訪問
16日(火):静岡県立大学で講演(不明)
17日(水):明治大学で講演(公開)、東京財団で講演:※参加費無料、同時通訳あり、要予約
18日(木):某官庁で講演(非公開)
19日(金):某幹部学校で講演(非公開)
20日(土):メディアのインタビュー、帰国

以上です。何か情報ありましたらぜひ教えてください。



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by masa_the_man | 2014-12-08 21:52 | 日記 | Comments(3)
2014年 12月 06日

新刊:『地政学の逆襲』の発売開始

今日の横浜北部は朝からすっかり快晴ですが、本格的に気温が下がっております。寒いです。

さて、昨日のことですが、私が解説を書いた(さらにちょっとだけ監修をした)『地政学の逆襲』が発売されましたのでお知らせします。
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実はこの本の原著は、私が今回翻訳した「南シナ海本」の数年前にアメリカなどではすでに出版(2012年)されておりまして、私も個人的に翻訳をしたいなぁと思っていたのですが、嬉しいことに名訳者であらせられる櫻井祐子さんの訳で出版されました。

ようするに、原著が発売された順番でいえば、「インド洋」→「地政学」→「南シナ海」となるわけですが、日本で発売された順番は、「インド洋」→「南シナ海」→「地政学」となります。

今回の地政学本は分厚かったし、内容があまりにも「地政学」すぎるので、私は日本では出版されないのでは思っていたほど。

詳しい本の内容やその分析については私がこの本の最後に書いているので是非そちらを読んでいただきたいのですが、おそらくカプランにとって「主著」と言っても過言ではないほどの中身の密度の濃さ。

本ブログではおなじみの、マハンハウスホーファーマッキンダースパイクマンモーゲンソーハンチントンベイセヴィッチミアシャイマーなどの名前が頻発してくるだけでなく、マクニールやホジソン、さらにはブローデルまで出てくるという超豪華ラインナップ。

とくに今回はいつもの旅行記的な記述は控えめにして、歴史や地政学の文献を縦横無尽に参照しながら、今後のグローバルな世界の未来像を地理的な面を中心に描き出しております。

本書のハイライトは、前半の地政学の理論の話もさることながら、後半の中国とロシアについての地理・歴史的な面からの分析でしょうか。

正直申しまして、一般書としてはかなり重厚で、もしかしたら読み進めるのに苦労する方もいらっしゃるとは思いますが(400頁オーバー)、知的刺激を受けることは間違いなしのリッチな本です。

古典地政学の「神の視点」から国際政治を俯瞰してみたいという方は、ぜひお読みになってください。オススメです。

↓以下は原著と動画↓
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by masa_the_man | 2014-12-06 19:32 | ためになる情報 | Comments(2)
2014年 12月 04日

イスラム聖戦士はジャンクフードがお好き

今日の横浜北部はどんよりと曇っております。小雨もありましたがそれほど寒くはないですね。

さて、今週の番組(http://live.nicovideo.jp/gate/lv199750503)のほうでも少し触れたトピックですが、FTにISISの戦闘員たちのガキっぽい趣味や嗜好について紹介した記事がありましたので、その要約を。

今回は原文にはない写真による図説を多めに心がけました。

===

「イスラム国」の戦闘員たちは自分たちが軽蔑している西側諸国のお菓子やガジェットが好き
by エリカ・ソロモン

●「イスラム国」の建国のためにシリアに続々と終結している外国の戦闘員たちは過去の復活を目指しているはずなのだが、自分たちが嫌う現代の西側諸国の菓子やガジェットへの好みは維持したままだ。

●シリアの現地の人々はこのような戦闘員たちが、首切りや集団虐殺などを使って支配しようとする恐怖の中で生きなければならないのだが、それでもすでに3年続いている内戦による経済危機を生き抜く方法を探っている。

●そして彼らの多くは、彼らが嫌う戦闘員たちの嗜好にあうものを供給するのが最も良い戦略だと考えている。

●シリアとイラクにまたがっている「イスラム国」は、イスラム教の預言者であるモハンマドのカリフ国を再建することを主張しているが、ここに属する多くの外国からの戦闘員たちの好みは、ポテトチップス、チョコレート、エナジードリンク、そしてノンアルコール・ビールなどである。
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↑欧米で販売されているノンアルコールビール各種↑ちなみにイギリスのパブでは左から2番目Beck'sが主流。

●ISISの宗教的な戒律や外国からの戦闘員たちの好みは、支配されている現地の経済を変革しつつある。アルコールを売っている店は閉鎖され、ジャンクフードや服飾――とくに戦闘服のようなスタイルのものを売る店――関係の店、そして携帯電話の店などは、それなりに利益を上げているのだ。
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↑戦闘服の一例↑

●「ISISが支配している地域の経済は、外国からの戦闘員たちによって活発化してますが、それ以外の分野はサッパリですよ」とはシリアの都市ラッカの中心地で服飾店を営む主人の話。

●シリア東部の田舎の人々の多くは、ISISの外国の戦闘員たちがやってくるまでレッド・ブルのようなエナジードリンクの類を見たことも聞いたこともなかったのであり、シリア東部の町デリゾールの店の主人たちも、まさか自分たちがヨーロッパや湾岸諸国から来た戦闘員たちの好みであるスニッカーズやバウンティーのようなチョコレートバーを売ることになるとは思ってもみなかったという。
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↑レッド・ブル↑
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↑スニッカーズ↑
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↑バウンティー↑

●ある店の主人は、「このようなお菓子というのは、ここではまったく知られていなかったか、知っていたとしても高価で買えないようなものだったんですよ・・・でも戦闘員たちがこれらを要求するわけですから、私も彼らに文句はいえませんよね。問屋に行って注文するしかなかったんですよ」と答えている。

●「ISISの奴らはプリングルスとスニッカーズなどを箱買いして、前線で分けて食べているんですよね」
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↑プリングルス↑

●ラッカのある店の主人によれば、レッド・ブルは250シリアリラ(1.5ドル:170円)、デリゾールではプリングルス一本5.5ドル(600円)するという。もちろんこのような値段は、平均で1日3ドルしか稼げない一般的なシリア人にとっては「高価」なものである。

●現地のビジネスマンたちはポテトチップスやノンアルコール・ビールを支配されている地域で買うのだが、軍のチェックポイントを通過するたびに支払う賄賂をカバーするために価格の10%を加えているという。

●エナジードリンクとチョコレートは、トルコとの国境を越えて運ばれてくるという。

●現地の人々によれば、ISISの外国からの戦闘員の平均月収は215ドル(25000円)であり、そこの一般市民の平均月収の2倍であるという。その上に現地で獲得する戦利品や3ドルの報酬や頻繁に支給されるボーナスなどがあるというのだ。

●「彼らは値札なんかチェックしてませんよね。金については気にかけていないみたいです」

●シリア東部ではいままで現地の店には古いノキアの携帯電話しかなかったのが、最近では最新型のスマホを並べている。デリゾールはシリア軍に包囲されていて1日20回も爆撃されているが、それでも熱心な売人たちが唯一の渡河地点を使ってサムソンのギャラクシーやアップルのiPhoneを求めて売買している状況に変わりはない。
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↑古いタイプのノキア↑
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↑ギャラクシー↑
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↑iPhone6↑

●「デリゾールにはiPhone6もありますよ。ISISの戦闘員の中でもとくに湾岸諸国から来た奴らはスマホに夢中でして、最新型が出るとすぐさま購入するんです。現地の店になかったら30ドルとか40ドル余計に支払ってオーダーするように要請するくらいです」

●もちろん繁盛しはじめた商売の陰で、壊滅してしまった商売がある、それがシリアの町では中心的な存在であったカフェであり、現在は消滅してしまっている。

●「レストランでやることと言えば水タバコを吸うことくらいですが、これも禁じられてますよね。ISISの奴らは常にラッカのカフェを襲撃してますが、それがカフェが反逆分子や恋人たちの集まる場所だからです。この二つはISISにとっては絶対的に許せない存在ですからね」
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↑水タバコ↑

●イスラム教の厳格な戒律では男と女を分けることが言われており、このおかげでレストランは現地の人々にとって人気のない場所になってしまったのだ。

●この店の主人によれば「ラッカのレストランは、一か所を除いてすべて宅配専門になってしまいましたよ。現地の住人たちは戦闘員たちとは一緒に食事したくないですから家に帰って食べるようになったからです。一か所開いているレストランはISISの戦闘員だらけですよ」という。

●店やカフェのオーナーたちはISISが支配する地域でなんとか生きていく道を見つけてほっとしているが、シリア人のほとんどにとっては戦闘員たちの単純なお菓子の好みでさえ自分たちが「下層の市民である」ということを思い起こさせる苦々しいものであるという。

●ある店の主人は、「奴らは宗教の名の下に統治して良い生活してますが、彼らは以外の人々は苦しんでいるわけですよね。お客さんの中には、奴らがジャンクフード食って体壊して死んでくれたらありがてぇのになぁという人もいますよ。でもわれわれには何もできないので悔しいところですが」とコメントしている。

===

こういうことを言っては不謹慎かもしれませんが、なんとなくISISの戦闘員たちに「親近感が湧いた」というか、呆れたというか(笑

ISISの戦闘員というのは現地の人にとっては大災害以外の何ものでもないんでしょうが、彼らとて所詮「現代人」ですから、いくらイスラム教国の復活といういわゆる「復古主義」を掲げているとはいえ、現代の文明の利器のもたらす魅力的な嗜好にはさからえないわけで。

それにしてもこの地域の国境のゆるさというのは、まさに地続きだらけの中東における統治の難しさを表しておりますね。

また、このFTの記事も皮肉で毒が効いてまして、ISISを小バカにしている書き方です。



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by masa_the_man | 2014-12-04 15:23 | 日記 | Comments(3)
2014年 12月 02日

FT紙がおすすめする今年の良書:政治編

今日の横浜北部は朝から雨がシトシトと降っておりました。意外に気温は高めでしたが。

さて、FT紙が年末恒例の「今年の良書」を週末版で紹介しておりましたので、そのリストをご紹介します。

いくつか分野があるのですが、今回紹介するのはコラムニストのギデオン・ラックマンがおすすめする政治分野のものが9冊。

すでに邦訳されているものは訳書の方を紹介しております。今夜の生放送(http://live.nicovideo.jp/gate/lv199750503)でもやります。

===

1, Roy Jenkins: A Well-Rounded Life
by John Campbell
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イギリスの左派の政治家の評伝。よく書けているとのこと。この手の外国の政治家の評伝というのは最も邦訳されにくいものかと。

2,The Contest of the Century: The New Era of Competition with China--and How America Can Win
by Geoff A. Dyer
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FTのワシントン特派員による米中間の競争についての分析。両国の国内問題についての比較が興味深い。

3,Revolt on the Right: Explaining Support for the Radical Right in Britain
by Robert Ford & Matthew J. Goodwin
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最近英国で勢力を伸ばしつつある反EU勢力の英国独立党(UKIP)についての初めての学術的研究。

4,暴露:スノーデンが私に託したファイル
by グレン・グリーンウォルド
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米政府最大のリークを実行したスノーデンについて、彼と近い存在の著者による初めての著作

5,南シナ海 中国海洋覇権の野望
by ロバート.D・カプラン
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世界で最も戦略的な海域である南シナ海についてのルポ。訳者はもちろん本ブログの著者!

6,World Order
by Henry Kissinger
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いまだ影響力の大きい外交家の説く、四つの文明(欧。イスラム、米、中)から見た世界観と、勢力均衡の実現を訴えたもの。

7,日本‐喪失と再起の物語:黒船、敗戦、そして3・11 (上下巻)
by デイヴィッド ピリング
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FTのアジア編集長による日本楽観論。よく取材されているし文章もうまい。

8, Talking to Terrorists: How to End Armed Conflicts
by Jonathan Powell
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ブレア政権のトップの補佐官を務めた人物による、北アイルランド紛争から見た紛争解決法。

9,Age of Ambition: Chasing Fortune, Truth, and Faith in the New China
by Evan Osnos
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ニューヨーカー誌の北京駐在記者による中国国内の個人主義の台頭と一党独裁体制のルポ。全米ノンフィクション賞を受賞。

===

以上です。

キッシンジャーのものは、そのうちに邦訳版が出そうですね。

個人的に興味あるのは3,8,9でしょうか。

そのうちに他の分野のものもアップします。



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by masa_the_man | 2014-12-02 00:54 | おススメの本 | Comments(1)