↑新刊:戦略の格言↑ イギリスでの留学生活を実況生中継。
by masa_the_man
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Jカーブ:中国の場合
今日のイギリス南部はまたキレイに晴れました。気温も上がって冬から秋に少しだけ戻った感じです。

それにしても株の暴落が止まらないですね。

1929年の時はウォール街でもビルから飛び降りる自殺者が続出したとかありましたが、アメリカ国内でもさっそく色々なやばいニュースが出てきてます。

ただしこのブログを見ている方々はみなさん最強の運を持っているばかりだと思うので(笑)このような「一時的」な現象に自分の身を合わせることなく、むしろこんな時代に生まれてこういう経験をできることをワクワクしながら過ごされるものと信じております。

===

そういえば一つ書き忘れていたことがあります。

「横綱」の人はどんな困難(と思えるようなこと)が来ても「困らず」に、「これは学んでいるだ」と考える、ということを以前書きましたが、彼らは困難が発生した時に「学んでいる」ではなくて、もう一つ別の考えをすることもあります。

それはどういうことかというと、実は「困っている」のではなくて、















「これは将来のネタになる!」












というものです(笑

こういう風に考えると、どうやら自分の身に起こったことでもかなり冷静に客観的に見つめることができ、まったくうろたえずに適切な対処をして、良い解決法も考えられるらしいのです。

私も数年前にこのようなことを初めて聞いた時は驚きましたが、冷静に考えてみたらたしかに納得。

今回の世界金融恐慌は「困ったこと」ではなく「将来の話のネタになる!」と考えてみましょう。

そうなると将来、自分の子供や孫なんかに話すのが楽しみで仕方なくなるはずです(笑

そういえば私もすでに冷戦終結、バブル、そしてその後の「失われた十年」を経験しているわけですから、これも将来のネタですね。

===

さて、昨日のJカーブの話の続きを。

たしかに昨日の図式だけではJカーブは本当に使えるのかどうかわからないのですが、このブレマーというやせたオッサンは頭がいいので、ちょっとこのグラフにひねりを加えております。

それはどういうことかというと、↓こういうことなんです。

つまり、国というのは経済状態などによってこの線が上下する、ということを示しております。

ようするにこの上の図は、何か大規模な災害のようなショックが起こったり、経済的に落ち込んだりすると、この線が全体的に下がるということを示しているんですね。

もちろんこの反対にこのように ↓ なる場合もあります。


つまりこの著者のブレマー氏は、この線が常に上下に動いているというんですね。

では現在の中国がどういうことを狙っているかというと、彼らの狙いとしては

1、共産党独裁体制は維持したい
2、経済力を高めたい

の二つがあるわけですね。

ところがこのカーブの概念に従えば、中国は政治的開放が進む中で、どうしてもグラフの底にある「体制が不安定な状態」に直面することになります。

で、彼らはそれをそれをどうやって克服するのかというと、下の図のように

ジャンプして不安定な状態をなるべくさけつつ、政治体制も安定させるということを狙っているということになります。

この「Jカーブ」によれば、これを解決する唯一の方法は中国がどこまで経済力を維持することができるか、いいかえればこの線の底をどこまでアップさせたままでいることができるのか、という部分にかかってくることになるわけです。

これでこのブレマーの本のアイディアのほとんどを説明してしまったわけですが(苦笑)、なかなか思考遊びとしては面白いと思ったので紹介してみました。

ちなみにこのブレマーという人は「ユーラシアグループ」というワシントンの政治コンサルタントグループの所長でして、保険や投資会社などに「地政学的リスク」を調査するコンサルタント会社を率いております。ここにはあのカプチャンの弟(クリフォード)もおりますね。

もっと詳しくお知りになりたい方はこのサイトに著者のインタビューなどがありますので参照してみて下さい。

明日はうちの学校で「反テロ」の戦略を考えるセミナーが開催されるので、その様子を少し書いてみたいと思います。

ゲストにはイギリス陸軍のトップやルパート・スミス、それにジョン・ネーグルが来るみたいです。これはスゴい。

(近所のテムズ川)
by masa_the_man | 2008-10-10 08:30 | 日記 | Comments(20)
Commented by レオ at 2008-10-10 10:41 x
はじめまして。
いつも楽しく拝見しております。
「学んでいる」と思うようにはしていたのですが(私は横綱タイプではないですw)、自分の中でイマイチしっくり来なかったのです。
ただ、
>「これは将来のネタになる!」
これは目から鱗です。
すごいピッタリです。
すてきな言葉ありがとうございました。
Commented by K at 2008-10-10 15:24 x
>「反テロ」の戦略を考えるセミナーが開催

アイスランドも対象ですか。
Commented by アラスカ at 2008-10-10 19:19 x
要するに「開放化してグラフの下の方に行くなら、グラフ自体を上げてしまえばいい」と中国は思っているってことですね。
ところで共産党独裁体制は維持しつつ開放化するというなら両者は明らかに矛盾しますよね。
>>中国は政治的開放が進む中で
中国は現在言論の自由を制限していますよね、なのにどういった所で政治的開放を進めようとしているんでしょうか?私が疎いせいかもしれませんが、中国が政治的開放をするつもりがあると聞いた事がないので。
「中国政府は左に寄せて安定させたまま経済成長によってグラフ自体上げたいが、経済成長すると同時に開放的にならざるを得ないので結局はグラフのY軸の位置は同じになってしまう」というのもあると思うんですよね、あくまでも一つの側面として。
Commented by コウ at 2008-10-11 00:17 x
Jカーブが上下するならこのグラフにZ軸あるとすると理解がしやすいですね。そうすると手前が深く、向こうが浅い溝のようになります。そうするとZ軸方向に現状をいじるかあるいは自然の変動に合わせて安定度を下げずに開放度を上げることも理論上は可能ですね。まあ、実際にはZ軸のちょっとした変動でそれこそビー球が溝の底を転がるように不安定になるんでしょうけど。
Commented by sirimonkon at 2008-10-11 02:13 x
 自分も「人生そのものがネタ」「人生、死ぬまでの間の暇つぶし」と思うようにしています。
Commented by rop at 2008-10-11 02:37 x

アンタ、冗談抜きですげぇ・・・
Commented by masa_the_man at 2008-10-11 06:34
レオさんへ

>自分の中でイマイチしっくり来なかったのです。

たしかに「学ぶ」というのはちょっと硬い印象がありますよね。

>すごいピッタリです。

ああ、そういっていただけるとうれしいですね。やはり自分にしっくり来る言葉じゃないと実感できませんよね。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2008-10-11 06:35
Kさんへ

>アイスランドも対象ですか。

いやいや(苦笑)でもアイルランドのほうは一つの例として何度か出てまいりました。それにしてもイギリス政府とアイスランド政府の関係は一気に悪くなりました(苦笑)コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2008-10-11 06:38
アラスカさんへ

>グラフ自体を上げてしまえばいい」と中国は思っているってことですね。

そうなんです。

>独裁体制は維持しつつ開放化するというなら両者は明らかに矛盾

しかし彼らはできると思っていますからね。

>政治的開放を進めようとしているんでしょうか

進めようとはしてないと思いますよ(苦笑

>結局はグラフのY軸の位置は同じになってしまう」というのもあると思う

ありますね。彼らはできると思っているのでは。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2008-10-11 06:42
コウさんへ

>このグラフにZ軸あるとすると理解がしやすいですね。

なるほど、そうきましたか。

>Z軸方向に現状をいじるかあるいは自然の変動に合わせて安定度を下げずに開放度を上げることも理論上は可能

そうなりますね。中国はこれを狙っているという考えもできますね。

>Z軸のちょっとした変動でそれこそビー球が溝の底を転がるように不安定になるんでしょうけど。

現状のどこまで対応させることができるのかは未知数ですが、一つの指標的な考えとしては面白いですよね。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2008-10-11 06:50
sirimonkonさんへ

>自分も「人生そのものがネタ」

「そのもの」と来ましたか(笑

>「人生、死ぬまでの間の暇つぶし」

うーん、私はここまで達観できてませんが(苦笑)でも横綱レベルの人はしているのかも知れませんねぇ。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2008-10-11 06:51
rop さんへ

>冗談抜きですげぇ

私もちょっと「負けた」という感覚が(笑)コメントありがとうございました
Commented by Oink at 2008-10-11 09:01 x
>「この世界は、創造主が暇つぶしのために作った世界で
飽きたら、神の怒りという形で(ニューゲーム)されるだけ」

気まぐれな神に好かれる行動とか性格があるのかもしれないです。

イギリスの新商務大臣が、中国産牛乳を飲んで腎臓結石なんて
ニュースがあるようですけど。
カビ毒に汚染された米を、永田町で食えばいいのに。

日本は、捕鯨船に水と燃料を補給するためと
中国への進出の前線基地として、米国に開国させられたのが
トラウマになっているんじゃないですかね?

朝鮮半島も、明を侵略するために必要な道路としてとか
ロシアが手に入れたら困るからとか、満州が敵の勢力圏に接するのは
好ましくないとかの大国の都合で右往左往したからひねくれた?
Commented by やましん at 2008-10-11 09:32 x
>「人生、死ぬまでの間の暇つぶし」

ショーペンハウエルの世界観を思い出します。ストア派みたいに「自分の生命は神々から借りているもの」とすれば、ありではないかと。動機は何であれ何をやるにせよ、必ず自分のした事のproとconは出てくるので。

しかし中国は「大国になる事」に執着している事がかえって重荷になっているような気がしますね。自然の摂理に反する動きにはかなりの力技が必要な気が... 

スペインのアルマダの攻撃をなんとか撃退できた小国イギリスも、そのイギリスの植民地だったのを独立できたアメリカも、そのアメリカから中継基地程度にしか見られていなかった日本も最初から大国になるためにがんばってきたわけではなく、「生き残る」ために必死になってきたのと動機が異なっていますね。
Commented by sirimonkon at 2008-10-11 22:40 x
 自分の友人はニーチェとショーペンハウエルが好きで、彼の勧めで僕もその関係の本を読みましたし、、そこら辺からの影響を受けている部分ががあると思います(でもよく覚えていません)。
 「人生、死ぬまでの間の暇つぶし」というのは僕のオリジナルではありません。誰か有名な人が言っていたと思います(が誰か忘れました)。
 自分もそこまで達観しているとは思いませんが、なんか格好いいかなと思いました。
Commented by 寒い国から帰ってきた男 at 2008-10-12 03:30 x
>人生、死ぬまでの間の暇つぶし
山本夏彦?
Commented by masa_the_man at 2008-10-12 06:20
Oinkさんへ

>気まぐれな神に好かれる行動とか性格があるのかもしれない

ああ、私はあると思ってます。

>イギリスの新商務大臣が、中国産牛乳を飲んで腎臓結石なんてニュースが

これは知りませんでした!

>米国に開国させられたのがトラウマになっているんじゃないですかね?

かなりなっていると思いますね。

>大国の都合で右往左往したからひねくれた?

あると思います。かなり悲惨ですからねぇ。誇大妄想的なことを言っておかないとやってられん、という感覚もあるんでしょうね。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2008-10-12 06:23
やましんさんへ

>動機は何であれ何をやるにせよ、必ず自分のした事のproとconは出てくるので。

作用と反作用ですね。

>中国は「大国になる事」に執着している事がかえって重荷になっているような気が

これはありますね。そのために視野が狭くなってしまっている部分があります。

>最初から大国になるためにがんばってきたわけではなく、「生き残る」ために必死になってきたのと動機が異なっていますね

変に歴史を持っていると逆に足かせになるという典型的な例かも知れませんね。コメントありがとうございました


Commented by masa_the_man at 2008-10-12 07:15
sirimonkonさんへ

>「人生、死ぬまでの間の暇つぶし」というのは僕のオリジナルではありません。

私も聞いたことはありますが、誰だか知らないんですよね。

>なんか格好いいかなと思いました。

でもこういう「スタイル」から入るのも重要ですよ。意外とこういうのが一番近道だったりしますから。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2008-10-12 07:29
寒い国からさんへ

>山本夏彦?

そういえば数年前に死ぬ直前まで「諸君!」に連載を書いてられましたねぇ。私はけっこう好きでした。コメントありがとうございました
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