今日の横浜北部は雨が降ったり晴れたりと、極めて不安定な様子。
香港のデモについてのインタビュー記事を昨夜完成させて編集者の方に送ったのですが、色々と考えさせられた内容の濃いものでした。
この詳細については後ほどまた。
さて、再び空自の「研修」についての報告の続きを。
小松基地についていきなりスクランブルの見学となったわけですが、まずに案内されたのはスクランブル要員の方々が待機している建物の中。
ご存知の方も多いと思いますが、小松基地というのは防衛省が管理して民間と共用している空港でもありまして、かなり頻繁にスクランブルもかかるとのこと。
パイロットの方々の待機していらっしゃる場所ですが、お世辞にも豪華とは言えない平屋の建物でありまして、入り口を入るとすぐに大きな受付があり、そこで警報が来たときにゴーサインを出すらしいのです。大きさは20畳くらいのゆったりとしたスペースです。
ここで印象的だったのは、マッサージチェアーが数台ならんでいたことでしょうか。
そこからトイレや風呂のそばにある廊下を通って奥に入ると、入り口よりはやや狭い整備員たちが待機する場所がありまして、こちらにも簡素なソファーやマッサージチェアーが並び、さらにその奥には隊員向けの仮眠用のベッドが数脚並んでいるというもの。
当然といえば当然なのですが、施設そのものは無駄を省いた、よく言えば質素で整頓された、悪くいえばボロい(失礼)待機所でした。
一人のタックスペイヤーとしては、命を落とすかもしれない危険な任務の前の待機場所としてはもう少し充実したものを用意してもいいのかと。
中を見せていただいた後には、いよいよ待機所の外に出て、F-15のスクランブル見学です。
私が見学させていただいた時には、たしか一機に一人のパイロット、そして4人の整備員がつくという体制だったように思いますが、このチームが2つ、合計10人ほどのメンバーが、警報を受けて2機のF-15を飛ばすまでをデモンストレーションとして見せてくれるとのこと。
「それでは開始します」
という基地司令(だったか不明)の言葉と共にサイレンが鳴り響くと、チームの人間がダーっとすぐ横の2機分入る掩体壕に駆け寄ると、シャッターを明けてから、すぐさまエンジンをかけます。
このエンジン音がかなり大きいもので、チェックが終わってそろそろと滑走路の方に移動するのを見学していた私たちは、ヘッドフォンのような耳栓を借りなければならなかったほど。
順番に出てきた2機は、そのまま小松空港の滑走路に移動して、そこから一気に爆音を轟かせ、離陸すると一気に上空にものすごい勢いでグングンと上昇しました。
この離陸までかかった時間は、なんとたったの5分だそうです。
私の隣にいらっしゃった海のトップの方は時計で時間を計測しており、しきりに感心しておりました。
ここで私が驚いたことが一つありました。それは、実際にこのデモンストレーションでF−15を飛ばしてくれたことです。
「お前は何を言っているんだ」
と言われても仕方ないのですが、これについては私の想定ミスでした。
たしかに私は「スクランブル訓練」とは聞いておりましたが、私が(勝手に)想像していたのは、
「格納庫からエンジンをかけて出てくるところまで」
であり、まさか本当にそのまま上空へ飛ばすとは思っておりませんでしたので、実際に滑走路に出て爆音を響かせたときには
「あれっ、本当に飛んじゃうの?」
と意表をつかれた無力感を感じつつ、その爆音の大きさと共に、あっけにとられたというのが実情でした。
隊員の方々のキビキビした動きをみながら、
「普段の自分の生活態度にもこれだけの規律があったら・・・」
という変な罪悪感と共に、彼らの過酷な任務環境を見るにつけ、本当に頭の下がる思いでありました。