今日の横浜北部は、朝曇っておりましたが、いまは梅雨が明けたように晴れております。
さて、新刊の著者の一人、グリギエルに対してワシントンで行ったインタビューの内容について少し。
今回インタビューを行って意外だったのが、
「トランプ政権の政策・方向性は良い」
という指摘でした。
といいますのも、私がこの本を監訳する上でじっくり読んでいて実感していたのは、著者のグリギエルとウェイスがあらゆるところで
「同盟を大切にしなければならない」
ということを常に強調していたからでして、トランプ政権はそれとは正反対の、「反同盟」的なことをしているように見えていたからです。
ところがつい半年ほど前までトランプ政権の国務省のアドバイザーとして働いていたグリギエルは、インタビューで開口一番、
「トランプが反同盟だとは思いませんよ」
と言ったのです。
これを受けて、私は「いや、トランプ個人は反同盟でしょ」と問いただすと、
「たしかに彼は口では色々なことを言うし、その言動は首尾一貫していないところはありますが、実際の彼の政策は反同盟とは言えません」
と言い切るのです。
これはやはり最近までの勤め先の悪口を言わないという慣例に従っているからかなと思ったわけですが、彼自身のロジックでは、
「トランプは同盟国にしっかりしてもらいたい」
という意志を強く持っており、そのために
「同盟国よ、アメリカ率いる同盟関係に貢献してくれ!」
という要求になっているだけで、決して「反同盟」ではない、ということだというのです。
詳しくは
新刊か、来月発売の
中央公論をお読みいただければと思うのですが、とにかく彼の大きな視点による議論はとても参考になるものです。
なぜなら彼は、現在のアメリカで本来の古典地政学による視点をもつ、極めて珍しいタイプの知識人だからです。
つづきはまた明日。
(プラカードを持つ人々)