2014年:あけましておめでとうございます |
今年は個人的に去年からたまっていた著作や翻訳の仕事を、一気に完成に持って行こうと思っております。
現在は翻訳の企画を4冊、そして自著のほうは少なくとも3冊以上取り組んでいる最中なのですが、これらのすべてを必ず完結させることを目指しております。
また、CDの発売やメルマガ、それに講演などのほうも積極的に行っていきたいと思っております。
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さて、年頭に当たって一つだけ本ブログをお読みの皆さんに参考になりそうなものを一つ掲載しておきます。
みなさんも「新年の抱負」(new year's resolution)みたいなものを色々と考えられると思いますが、その際に私の翻訳したワイリーの『戦略論の原点』から、その後半にある「究極の戦略理論」の4つの原則/前提を抜書きしておきます。
①いかなる防止手段が講じられようとも、戦争は起こる。
日本語でいえば「覆水盆に返らず」というものでしょうか。アクシデントや事件というのは必ず、しかも予期しない形で起こるわけですから、とりあえず最悪の事態に備える心構えだけは持っておきましょうということです。
②戦争の目的は、敵をある程度コントロールすることにある。
ワイリーの理論の一番の肝はここでしょう。単純な勝利(ヴィクトリー)ではなく、さらに継続的な優位の状態であるコントロールを狙え、ということです。ただしこれも「言うは易く行うは難し」でありまして、むしろ相手を完全に打倒できなくても満足せよ、という警告的な意味も含まれております。
③戦争は我々の計画通りに進むことはなく、予測不可能である。
これから起こることはまさに「未来のこと」なわけであり、しかも「摩擦」に満ちあふれているために、逆に「こうなる」と予測して対応を決めておくのは無意味だ、ということです。水のような柔軟性を説いている一面もあり、また最近のカオス理論にも通じる、人間の未来の不確実性を述べております。
④戦争における決定権は、その場に立ち、銃を持っている男が持つ。
ワイリー自身はこの前提を省いてもいいかもと考えているみたいですが、それでも陸上兵士の重要性というか、ランドパワーの決定力を説いたとも言える部分は興味深い。別の言い方でいえば、「この目で現場を見ることが大事だ」という風にも解釈できますし、相手と直接会って顔を突き合わせて話をすることの重要性という意味にもとらえることができます。
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うーん、この究極の理論がどこまでわれわれの「新年の抱負」の計画づくりに役立つのか、かなり微妙な感じがしないでもないですが・・・・(苦笑
ということで、本年も変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願いします。