中国の「新しい大国関係」:人民日報の社説 |
さて、中国の「新しい大国関係」という最近出てきた概念ですが、人民日報の英語版に解説記事らしきものが出てきましたので、その要約を。
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「新しい大国関係」の構築のために中国がすべき4つの課題
by人民日報社説
●米中、中露関係というのは、中国が「新しい大国関係」を構築する上でカギとなる二つの国だ。
●エジプトやレバノン、それにチュニジアで中国大使を務めたアン・フイホウ氏は、先週の月曜日に北京で開催された2013年度の「中国と世界フォーラム」の席上で、中国がこれから行っていく4つの主要なカギを提案した。
1,国内の安定と総合的な国力の増強
2,アメリカとのポジティブな戦略交流と、健全な二国間関係
3,互いの核心的利益を侵害せず、互いの戦略の境界線を踏み越えないこと
4,国際社会における戦略的支援の拡大
●アン氏は、ロシアとの外交関係の強化や、ヨーロッパ連合との協調的発展戦略、それにそれ以外の発展途上国との協力関係の深化などの必要性を表明した。
●中国は大国として台頭しており、アメリカとの二国間関係が極度に注目されるテーマになってきている。アン氏は、中国が提案した「新しい大国関係」という概念は、中国がアメリカとの紛争に突入することを意味するわけではないし、覇権に挑戦するということでもないと考えているという。
●中国は相互的な敬意、つまり平等な関係と相互利益を期待しており、これこそが、互いの平和と発展への偽りのない願いを表しているという。
●われわれの働きかけは、必ずしもアメリカの対中政策の変更を意味するわけではないが、少なくとも新しい大国関係が提案されたという事実は残る。
●アン氏は現在の状況がここ数十年間の米中関係とは決定的に異なる点が3つあるという。
●第一が、国際的な状況が変化して、米中が平和的に発展できる時代に入ったということ。第二が、米中の利害、やりとり、そしてそれらの一体化が進んだということ。
●第三が、中国は核兵器だけでなくそれ以外の先端軍事技術を持った部隊を持つようになり、海外の国からの攻撃にも対処できるようになったということだ。
●アン氏が強調したのは、「台頭する大国の既存の大国との間の、新たな紛争は避けるべきだ」という点だ。彼は戦略的な相互信頼に焦点を当てることで、互いの思い違いを防ぐことができると提案していた。
●危機制御および紛争管理は暴発を防ぐことになるかもしれない。さらに重要なのは、敵対国が中国を軍事的な手段で制限しようとする場合に、そのコストが利益を上回ることを明確に理解させるということなのだ。
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